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東証、取引再開の基準なく 緊急事態の想定に漏れ

東京証券取引所は2日、2日ぶりに取引を再開した。終日にわたって売買停止となった1日のシステム障害は日本市場のもろさを浮き彫りにした。非常時の対策はあったが、システムの再立ち上げは想定に入っていなかった。システムは故障を前提とした設計も必要になっている。日本の株式取引をほぼ一手に引き受ける金融インフラとして高い透明性も求められている。

「顧客の同意を得る必要がある」。1日午前、売買停止で市場が混乱している裏で、東証と証券会社の担当者は取引システム「アローヘッド」の再立ち上げについて議論を交わしていた。

1日の障害はシステムを構成する「共有ディスク装置」の一つが故障したことが原因だった。装置を交換してシステムを再起動すれば、売買再開は可能だった。しかし東証は「再起動すると、注文を出している証券会社側でも通常とは異なる処理が必要になり、円滑な取引が難しくなる」(川井洋毅執行役員)と終日の売買停止を決めた。

証券会社側の意見を聞き、混乱を避けるためという決断につながったのが、非常時の対応を定めたコンティンジェンシー・プラン(緊急時対応計画)の不備だ。

プランは公表されており、売買システムの障害、自然災害による障害などを想定し、売買を停止する基準を定めている。今回の相場報道システムに障害が起きた場合も想定されており、プランに沿って売買停止となった。ただプランには再開についての定めがない。

今回は、売買システムに障害が発生したことを想定した対応策に盛り込まれている「売買代金でおおむね5割超のシェアを持つ取引参加者の状況を総合的に勘案」という項目を類推適用したようだ。午前10時ごろから、主要な証券会社に午後から取引を再開した場合の影響を調査し始めた。

関係者によると、大手証券や一部ネット証券が「既に出している注文を失効させることについて、顧客の同意などを得る必要がある」などと売買再開に反対。別のネット証券や外資系証券の一部は「午後から売買を再開してもらっても対応できる」と回答したという。

東証は「総合的に勘案」が何を意味するかや、参加者ごとの賛否を明らかにしていない。ネット証券幹部は「終日停止が『証券会社の総意』というような説明には違和感がある」という。売買機会を奪われた投資家の意向は反映されず、決定の透明性を欠いた。

危機管理に詳しい中野明安弁護士は「社会的信頼を得るために、事業継続にかかわる事項について一定程度の開示をすることが重要」と指摘する。システムの再起動まで想定したプラン作りや、決定までの手順や開示については今後の課題だ。

売買停止に至った、バックアップの装置に切り替わらなかった理由については東証と富士通が調査を続けている。

東証は障害のきっかけとなったディスク装置を含め復旧機能を確認していたとする。ただどれほどの頻度で実施していたかは分かっていない。

「ソフトウエアのバグやハードウエアの故障自体は避けられず、自動切り替えができない事態も想定した訓練をしておくべきだった」(名古屋工業大学の渡辺研司教授)のも反省点だ。防災現場では災害時も残された資源を使って、何割かでもいち早く復旧するという「レジリエンス」の考え方が普及しているという。売買機会を提供するインフラの機能を維持するために、考え方を取り入れることも必要だ。

機器の故障を非常事態と捉えること自体も変化している。金融システムに詳しい技術者からは「一部の機器が故障することも通常運用のうちだという発想の転換が求められている」との声もでる。「デザイン・フォー・フェイリア」と呼ばれ、障害が起こることを前提とするシステム設計思想も近年注目されている。

東証の障害によって、日本の市場全体が止まることも明らかになった。

東証は2013年に大阪証券取引所(現大阪取引所)との経営統合で、証券取引所での株式取引について、ほぼ独占に近い立場を築き上げた。

米国ではニューヨーク証券取引所やナスダックだけでなく、私設市場が数十と存在する。一部の取引所がシステムトラブルなどで止まっても、株式市場全体の機能停止には追い込まれない。

取引所間の競争も激しく、売買を止めれば顧客を逃すという危機感も強い。日本は国際競争力を高めるための再編で、逆に国内の競争がなくなった面もある。

⇒はぁ?当初のメモリ障害から「共有ディスク装置」の一つが故障?
 それで全システム停止ってシステム設計バカすぎる。
 切り替え訓練すらやってないし、社長会見も「9時からの市場再開」じゃなく
 取引可能となるよう相場報道システム復旧させるべく8時までには対応を
 完了させるだろ(注文受付開始電文は東証から8時に描く証券会社に報知)