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バベルの塔
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バベルの塔の掲示板

>>69633

つづき・・

日本も国際的な緊張と無縁ではいられない。
 「北朝鮮の核開発を深刻に受け止めず、放置したのは米国と中国とロシアの失敗だ。北朝鮮を止めるのはもう遅すぎる。また、米国と日本、韓国が支えなければ、ウクライナと同様に、台湾の民主主義体制も崩壊する可能性がある。日本が巻き込まれるのは確かだろう」との認識を示した。
 日本と欧州の「危険な賭け」
 さらに「日本が置かれている状況は欧州と全く同じだ。自分たちの未来を米国の支援に賭けるのかどうかが問われている。トランプ氏が再び米大統領になるというケースに限らず、米国は(同盟国が攻撃を受けても)動かないかもしれないし、行動には時間がかかるだろう。あまりに危険な賭けだと私は思う」と語った。

 世界の覇権を争う米中の動向についても聞いてみた。「米国は環境や民族、イデオロギー、文化で分裂のリスクを抱え、ますます内向き志向になっている。私の感覚では(11月の米大統領選挙で)トランプ氏が勝っても、バイデン氏が勝っても、トレンドに変わりはない。米国人はより孤立主義者(isolationist)になっていくだろう」との考えを示した。
 軍事力を拡大する中国も「ナンバーワンにはなれない。経済成長力は低下するだろうし、人口の高齢化に直面するからだ。中国はその国名が示すように自分が中心になることにこだわっている。地域的なパワーとしての『帝国』に関心があり、普遍性はない。中国の価値観を米国や南米、欧州に輸出できるとは誰も思わないだろう」と指摘した。そのうえで「歴史を振り返れば、独裁体制は最終的に破綻することがわかる。中国もロシアもその例外ではない」と語った。
 アタリ氏は著書「世界の取扱説明書」の中で、超紛争・気候変動・人工化(artificialization)を致命的な脅威ととらえた。しかし、人工知能(AI)については「知性とは思っていない。過去にわれわれが知り得たことを自動収集するツールであり、われわれが知らない未来を教えてくれるわけではない。むしろ深刻な脅威は遺伝子操作やクローンなどの人工化だ。人間が人工化されてしまえば、人類の消滅だ」と言及した。