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ペソ独歩高続く 9年ぶり水準 メキシコ投資に勢い
2024/04/16 04:00 日経速報ニュース 1231文字

 メキシコの通貨ペソの独歩高が止まらない。週初の8日には1ドル=16.3ペソ台と2015年8月以来、9年ぶりの水準まで上値を切り上げた。米国の利下げ先送り観測にもドル安・ペソ高のトレンドは動かず、コスト増で逆風のはずの米国からメキシコへの投資の勢いにも衰えは見られない。

 中銀、利下げも緩和サイクル入りを否定
 メキシコ銀行(中央銀行)は3月21日、21年以来3年ぶりとなる利下げに踏み切った。23年3月の利上げを最後に据え置いてきた政策金利を11.00%と0.25%引き下げた。
 メキシコ銀が4日発表した金融政策決定会合の議事録によると、参加者からは「緩和サイクルを開始する前にインフレ率の収束を確認すべき」「インフレ期に最もよくみられる間違いは、金融緩和を時期尚早に始めることだ」などと慎重意見も相次いだ。
 9日発表された3月の消費者物価指数(CPI)の上昇率(インフレ率)は4.42%と2カ月ぶりに前月を上回った。一時期の8%台からは半減したものの、中銀が政策目標値の上限とする4%をなお上回っている。利下げに踏み切ったとはいえ、中銀が継続的な緩和サイクル入りを否定したことでペソ高の勢いをそぐには至らなかった。
 米連邦準備理事会(FRB)高官から米国の利下げの回数引き下げや先送りを示唆する発言も相次ぎ、米経済の軟着陸(ソフトランディング)シナリオに懐疑論も出始めた。米国との金利差が急速に縮小する環境にないという安心感にくわえ、潜在的な成長の可能性も海外からメキシコ投資が相次ぐ要因となっている。