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銅相場、1トン8000ドル台まで調整も 野村証券の高島氏-相場を読む
2024/04/11 04:00 日経速報ニュース 689文字

 銅の価格が上昇している。国際指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物は、足元で1トン9000ドルを超え、約1年3カ月ぶりの高値圏で推移する。非鉄金属の代表品種である銅はインフラや家電など幅広い産業に使われる。景気実態を映す「ドクター・カッパー」と呼ばれるなど注目度が高い。今後の銅相場について、野村証券の高島雄貴エコノミストに聞いた。
 銅相場が今年に入り上昇した理由は、供給面の懸念の高まりが大きいとみている。今年3月に中国の大手製錬会社が加工費の下落に対応するため、協調減産で合意したと伝わった。昨年後半には環境破壊などへの抗議活動をきっかけにパナマの銅鉱山の閉鎖が決定しており、需給の引き締まりが意識されやすくなっている。
 需要面では最大消費国である中国の需要動向が相場に影響しやすい。足元では3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)の内容などを手掛かりに、中国の景気見通しに強気の見方も少なくないようだ。だが、不動産市況など懸念すべき材料は残っており、楽観できる局面ではないとみている。
 最近の銅価格の上昇は急ピッチだった。今後3カ月ほどは、これまでのような上昇が続くとは考えていない。むしろ調整しやすく、1トン8000ドル台を中心とした値動きに回帰する可能性が高いのではないか。
 さらに長期では電気自動車(EV)市場の動向が銅相場に影響するかもしれない。EVは電線を多く使用するためだ。最近では米テスラの2024年1〜3月期の世界販売台数が前年同期比でマイナスとなった。仮にEVが普及するペースが鈍化すると需要減退が意識され、銅相場の重荷になる可能性もある。