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るんるん♪の掲示板

ソニーの大化けに学ぶ株価10倍「テンバガー」の見つけ方

 投資した株が10倍以上に大化けすることを「テンバガー」と呼ぶ。すべての投資家の夢である。テンバガーというと中小型の仕手っぽい銘柄をイメージしがちだが、意外にもソニーが9年かけてテンバガーの仲間入りを果たした。何が大化けの原動力なのか、勉強することは無駄ではない。

 最近10年を見ると、ソニーの株価の底値は2012年11月の772円。信じられない株価だが、事実ここまで落ちた。それが昨年12月に1万円を突破し、本年2月には高値1万2545円をつけたものだ。ほぼ9年で株価は10倍どころか16倍に値上がりした。

 ソニーは、長らく家電とエレクトロニクスを中核事業とする「ものづくり」の国際優良株として評価され、「世界のSONY」と呼ばれた。しかし、リーマン危機に家電販売の低迷などが重なり、2009年から6年間で累積1兆円もの最終赤字を計上。市場ではさかんにソニーの危機説が叫ばれ、株価も1000円を割り込んだ。

 転換のきっかけは、従来あったゲーム・音楽・映画といったコンテンツビジネスへの経営資源の注力。同時に、テレビ事業の分社化、パソコン事業の売却、大規模な人員削減などバッサリと大リストラも進めた。

 ある意味、「世界のSONY」というメーカーの看板を下ろし、ソフト=コンテンツで継続課金するビジネスモデルへの転換を図ったことが成功につながったのだ。いま売り上げの5割をゲーム・音楽・映画のコンテンツ事業が占めている。20年前のITバブル期に7割を占めていたエレクトロニクス事業は2割に低下だ。

 国際競争力やブランド力が落ちた家電・パソコンに見切りをつけ、時代の先を読み、稼げるエンタメ事業に大きく舵を切る。大胆な賭けだが、それが大当たりしたのである。

 ソニーが変身したように、いま必死に儲かるビジネスモデルに業態の転換を図っている企業は他にもある。メガバンク、大手製薬、総合IT企業……。第2、第3のソニーを探してみよう。テンバガーになる夢を見るのも株投資の醍醐味だ。(丸)