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2160 ‐(株)ジーエヌアイグループの掲示板

★抗線維化薬(ピレスパ/ピルフェニドン、オフェブ/ニンテダニブ)について

抗線維化薬は、原因が不明の間質性肺炎すなわち特発性間質性肺炎のうち最も多くを占める特発性肺線維症(IPF)に対して使用されるタイプの薬剤です。

ピルフェニドン(商品名ピレスパ®)は2008年に日本で承認された世界初の抗線維化薬です。IPFは肺が硬く小さくなって、次第に肺活量が落ちていってしまう病気です。ピルフェニドンの使用によって肺活量の低下速度がゆっくりになることや、IPFに関連して亡くなってしまうケースが減少することなどが示されています。一度壊れてしまった肺を元に戻すような力はありません。またピルフェニドンの効果はある程度長期間持続すると考えられています。そのため、IPF患者さんは病気の早い段階で抗線維化薬を飲み始めるのが良いだろうという考え方が主流。
副作用としては光線過敏症が約半数の方に現れます。ほかに20%から30%くらいの方で食欲が無くなるなどのお腹に関係した症状が出てきます。
ピルフェニドンは高価な薬です。薬の値段にあたる薬価は最大用量(1,800mg/日)で使用すると毎月18万円以上の計算になります。薬価がそのまま自己負担になるわけではありませんが、長く使う薬でもあるのでお金の問題は無視できません。
実際の患者さんでは、症状が殆ど無いくらい初期のIPFでピルフェニドンを飲み始めるのは躊躇されるケースも多々あります。
なお、ピルフェニドンを開始する際は、1錠200mgなのですが1日3回、1回1錠つまり600mg/日から内服を開始して、副作用の様子をみつつ数週間ごとくらいで内服量を増量していくことが一般的です。副作用が強そうな場合や、小柄な方の場合には最大用量である1,800mg/日まで増やさないことも多いです。また、光線過敏症の副作用に関しては、日焼け止めを使用することをお勧めします。PA値+++、SPF値50+などの強力な日焼け止めが適しています。食欲が無くなるなどの副作用は、空腹時に内服すると強く出やすいとされているので、内服は必ず食後にしてください。

つづく~