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outlookの掲示板

2022-01-22 03:54
見通し
週間為替展望(ドル/ユーロ)-FOMC、3月利上げ協議に警戒
Fx-Wave
◆ドル円、FOMCでの3月利上げ協議の有無に警戒
◆オミクロン株感染拡大状況、米10-12月期GDP、米12月インフレ率に注目
◆ユーロドル、ウクライナ情勢やユーロ圏1月製造業・サービス業PMI速報値に要注意

予想レンジ
ドル円   112.00-115.00円
ユーロドル 1.1100-1.1500ドル

1月24日週の展望
 ドル円は、25-26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、3月利上げ開始や、利上げ幅が従来通りの0.25%なのか、あるいは2000年以来となる急進的な0.50%なのかを協議するかどうかを見極めることになる。市場のリスクシナリオである0.50%利上げの可能性が協議された場合、現状のニューヨーク株安の流れに拍車がかかる可能性が高まりそうだ。米国債売りも重なることで、トルプル安(米株・債券・ドル下落)、そして、景気後退とインフレ高進によるスタグフレーションへの懸念が高まり要警戒だろう。

 27日に発表される米10-12月期国内総生産(GDP)速報値や、28日に予定されている12月の個人消費支出(PCE)価格指数にも注目したい。12月のインフレ率が加速していた場合、3月のFOMCでの0.5%利上げ開始の可能性が高まることになりそうだ。
 ドル円の買い材料としては、原油価格の上昇基調や日米の金融政策の乖離が挙げられる。FRBは利上げと量的金融引き締め政策の開始を示唆。しかし、日本銀行は2%の物価上昇目標の達成を目指して、長短期の金利を低く抑える大規模な金融緩和策を維持している。

 一方、ドルの懸念材料としては、マンチン米上院議員の反対で採決が先送りされている「気候変動・社会保障関連歳出法案」への不透明。また、依然としてウクライナ情勢や台湾海峡を巡る米国とロシア・中国との対立激化への警戒感が高いままであることが挙げられる。更には、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」感染拡大への警戒感もあろう。また、国内では「まん延防止等重点措置」が首都圏で適用されたことで、日本の景気減速への警戒感が強まりつつある。

 ユーロドルは軟調推移か。ウクライナを巡り、ロシアと米国及び北大西洋条約機構(NATO)が協議を重ねたものの、両者の妥協点に到達できなかった。ロシアによるウクライナ侵攻への警戒感が高まりつつある。米英は侵攻から守るためにウクライナに兵器を提供すると発表。ホワイトハウスは「ロシアのウクライナ攻撃はいつ起きてもおかしくない」と警告している。「ウクライナの首都キエフのロシア大使館からスタッフがモスクワへ帰還し始めている」との報道もあり、引き続き関連ヘッドラインには警戒が必要だ。

 ユーロ圏1月の製造業・サービス業PMI速報値では、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」感染拡大を受けた行動規制や天然ガス価格上昇による悪影響に注意したい。

1月17日週の回顧
 ドル円は、115.06円から113円台後半まで下落した。日銀の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で2022年度の物価見通しが+1.1%の上方修正に留まったことで115.06円まで上昇した。しかし、FRBの0.5%利上げの可能性を警戒したニューヨーク株安、東京株安を受けたリスク回避の円買いで113.70円割れまで下落した。ユーロドルは、ウクライナ情勢への警戒感から、1.1434ドルから1.13ドル前後まで下落した。ユーロ円は131.18円から128円台半ばまで下落した。