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outlookの掲示板

2022-01-15 03:42
見通し
週間為替展望(豪ドル/ZAR)−豪ドル、経済優先で堅調か

◆豪ドル、オミクロン株感染拡大もモリソン豪首相が経済優先を明言で堅調か
◆豪ドル、雇用の改善傾向が続けば下値の支えに
◆ZAR、来週のSARB・MPCを前にCPIに要注目

予想レンジ
豪ドル円 81.00-86.00円
南ア・ランド円 7.30-7.80円

1月17日週の展望
 豪ドルは堅調地合いを維持できるか。モリソン豪首相は10日、豪州での新型コロナウイルス・オミクロン株の急速な感染拡大にもかかわらず、かつてのようなゼロコロナを目指すことなく、「再封鎖(ロックダウン)ではなく、前に推し進める(push through)」と、経済活動の回復を優先することを明言した。経済優先に対しての安心感もあり、豪ドルの支えとなるだろう。

 経済指標では、20日に発表される12月雇用統計に要注目。10月の雇用統計は失業率が5.2%まで上昇し、新規雇用者数も常勤雇用者が大幅に減少。労働参加率も2カ月連続で64%台という低い水準だった。しかしながら、11月は失業率が4.6%に低下し、常勤・非常勤ともに雇用者は増大、労働参加率も66.1%まで回復した。雇用の改善の流れが確認された場合は、経済再開の軌道修正がうまくいく可能性が高く、豪ドル買いの反応が見られるだろう。

 豪ドルのネガティブ要因としては、政治的には険悪な関係にあるが、依然として経済の結びつきが強い中国経済が不安視されていることだ。中国は北京オリンピックが開催されることもあり、ゼロコロナの道を辿っている。北京市政府は、春節の連休も市民に対して北京市にとどまって連休を過ごし、必要がなければ同市を離れないよう呼びかけている。経済の行き詰まりが深刻になれば、豪州の輸出にも影響を与えそうだ。

 なお、隣国のニュージーランドからは、18日に発表されるNZIERビジネス・オピニオン・サーベイに要注目。独立系のコンサルタント会社のNZIERが四半期ごとに行う調査だが、昨年もこの調査結果で利上げ予想の時期が前倒しされたことで、NZドル高になった。公表は有料会員のみのため、市場が反応するまでは時差があるかもしれないが警戒しておきたい。発表内容は利上げ予想だけでなく、企業景況感にも注目が集まっている。

 南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いか。来週から大きなイベントが続く。経済指標では19日に発表予定の12月消費者物価指数(CPI)と11月小売売上高に要注目。CPIは11月には5.5%まで上昇し、昨年5月から連続で南ア準備銀行(SARB)の目標中心値(3-6%バンドの間の4.5%)を上回っている。昨年最後の11月金融政策委員会(MPC)で利上げを行ったこともあり、CPIの低下が期待されているが、南ア国内のエネルギー価格がいまだに高いことを考えると、大きくCPIが下がることは難しいか。もし、高いCPIが継続した場合は、27日に予定されているSARBのMPCで利上げ期待が台頭する可能性もありそうだ。

1月10日週の回顧
 豪ドルは堅調に推移した。モリソン豪首相がウイルス感染拡大にもかかわらず、再規制を控える発言をしたことや、堅調な株価の動きが豪ドルの支えとなった。ZARもじり高となった。市場を動意づけるようなニュースや経済指標の発表はなかったが、南ア株が大幅に買われたこともあり、ランドは対ドル・対円ともに一時昨年11月16日以来の水準まで買われた。