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医療用防護服が品薄 3Mや東レ「供給追いつかず」
2020/4/6 19:14 (2020/4/7 3:12更新)日本経済新聞 
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、医療機関などで使う化学防護服の品薄感が強まっている。特に日本ではマスクと同じく国内に工場などの生産基盤が乏しく、どう調達するかは喫緊の課題だ。通常は一度着用したら使い切る消耗品であり、供給不足への懸念が一段と高まっている。

東京都は現在、約170万着の化学防護服を備蓄し、都内の医療機関や保健所に配布している。福祉保健局の担当者は「現時点で供給に問題はないが、今後不足する懸念もある」と話す。

化学防護服は飛沫感染や接触感染を防ぐために宇宙服のように全身を覆うもの。ウイルスが侵入しにくい特殊な不織布を使っている。米デュポンが世界で多くのシェアを占める最大手で、米スリーエム(3M)や東レなども手掛ける。

衣服として加工する際に縫製の工程があり、大手各社は加工賃の安い中国や東南アジアなどに生産委託している。日本にはこうした生産拠点がほとんどなく、輸入に頼っているのが実情だ。

世界では感染者が急増している欧米を中心に防護服の品薄感が強まっている。医療従事者に十分行き渡らず、感染して死亡する事例も相次いでいる。

日本でも供給は徐々に厳しさを増している。デュポンの防護服を取り扱う国内の販売代理店は「入荷量は減少傾向で、新規の顧客にはなかなか行き渡らない。今後は欧米の感染拡大で一段と減る可能性がある」と嘆く。

スリーエムの日本法人は「供給が需要に追いつかない。サイズや製品によっては品薄な状況が続いている」と説明する。

東レは原材料となる不織布の生産については中国や韓国が中心で、国内には研究拠点がある程度だ。縫製の工程も中国企業に委託している。もともと完全受注生産品で、通常は在庫は持たない。需要が急増しているものの供給能力は限られる。

国内で生産をするには新たに製造設備を導入する必要があるうえ、縫製を請け負うようなメーカーも少ない。

東レは「生産や検査工程で防護服としての国際基準の認証を取得する必要もあり、早期の増産は現実的には難しい」と説明する。マスクよりも高度な品質が求められるため、新規参入のハードルも高い。

流通や医療の現場では不安の声が上がる。大阪府内のある卸業者は、病院などに防護服を納めていたが3月中旬ごろから在庫がほとんどない状態だという。「供給元の中国メーカーに入荷要請をしているがメドは立っていない。正常化には夏ごろまではかかるかもしれない」と説明する。

ある国内の卸業者は「中国では防護服メーカーの新規参入が相次いでいるが、粗悪な製品も多い。現地から売り込みがあったが見送った」と打ち明ける。品不足は医療体制を揺るがしかねず、調達の問題が長引く可能性がある。


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生産拠点が日本にないのが問題
防具服だけでなく不織布自体も海外に依存