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仏大統領選に身構える金市場 左派・極右対決なら上昇も
商品部 松沢巌、今橋瑠璃華
2017/4/23 5:30 [有料会員限定]
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 金市場がフランス大統領選に身構えている。極右と中道の2候補による争いに急進左派と中道右派の2人が加わり、行方が混沌としてきた。過激な主張の候補が勝てば、欧州金融市場の混乱を連想させ、相対的に安全な資産とされる金にマネーが流れる可能性もある。


EU懐疑派のメランション氏も次期大統領の有力候補に急浮上している=ロイター
 仏大統領選は最大で2回投票する。23日の1回目で過半数を得た候補がいなければ、上位2人が5月7日の決選に進む。極右・国民戦線(FN)のルペン党首と中道独立系のマクロン候補の争いとみられたが、ここに来て急進左派のメランション氏が急浮上。1回で決まる線はほぼ消えた。

 市場が本筋とみるのはルペン氏とマクロン氏の決選だ。熱心な支持者を抱えるルペン氏が第1回で最多得票だった場合、ファンドはいったんリスク資産の株を売り、金を買うとの見方が多い。「欧州分裂を意識してドルも買われ、本来は逆の値動きになりやすい金がドルと同時に上がる可能性もある」(日産証券主席アナリストの菊川弘之氏)

 もっとも、両氏の決選になれば極右を警戒する勢力が大同団結し、マクロン氏が勝つ公算が大きい。「世界を暗い霧のように覆っていた欧州リスクがひとまず収束し、金は売られ通貨ユーロや欧米株も買われる」。マーケット・アナリストの豊島逸夫氏は指摘する。

 中道右派のフィヨン元首相は支持率が伸び悩むが、政治経験が豊かで、欧州連合(EU)支持派でもある。フィヨン氏が決選に進む可能性は低いが、相手がルペン氏なら反ルペン派の支持がフィヨン氏に集まり、勝利する可能性がある。その場合は欧州金融市場の安定を印象づけ「金は1トロイオンス1230ドル程度まで下がる」(豊島氏)。

 市場が最も警戒するのはルペン氏とメランション氏による極右・左派対決だ。どちらもEUには否定的で、保護主義経済を掲げる。可能性は低いとみられているだけに、両者の対決となれば、欧州の金融市場は大きく混乱する可能性がある。