ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

富士フイルムホールディングス(株)【4901】の掲示板 2018/05/22〜2018/09/27

米ゼロックスの買収拒否で激震 富士フイルムが嵌まった交渉混迷の行方

2018年05月31日 11時00分 週刊実話

今年1月に富士フイルムホールディングス(HD)が社運をかけて打って出た、米ゼロックスの買収計画が暗礁に乗り上げている。
 「これで業界の間では、カリスマ経営者と誉れ高い古森重隆CEOの経営手腕について疑問視する声も上がり始めている。」(経済誌記者)

 そもそも、古森氏ら経営陣がこの計画に躍起になっていたのには理由がある。
 「富士フイルムHDは、デジカメやスマートフォンの普及により、フィルム事業の売上が加速度的にダウンして“倒産”の二文字がチラつきだしていた。それを救ったのが、2000年にトップに就いた古森氏。脱フィルムへの大胆な転換戦略で、医薬品や化粧品が含まれるライフサイエンス事業に比重を置いたのです」(関係者)

 '06年に化粧品市場、'08年には富山化学工業を買収し医薬品事業に参入。またフィルム事業では、断行した5000人規模のリストラが功を奏し、'07年度に業績がV字回復。“古森伝説”が生まれた。
 「以降もリストラなどによってリーマンショックを乗り切り、'10年度には黒字転換。'13年度で初めて売上額が2兆4000億円に達したものの、以降は伸び悩んでいた。'17年度に至っては、大幅減益を予想しているほどです。ここを脱却できなければ、今後は再びジリ貧状態に陥る可能性が高い」(同)

 そのため古森氏は最後の大仕事として、ゼロックスと富士ゼロックスの合併による合理化で、1万人規模のリストラを断行。その余剰金で、さらにライフサイエンス事業に力を注ぐ方針を固め、今回の買収への動きに出たのだ。

 古森氏は、あるメディアのインタビューで「今後、人類を脅かす感染症に対する薬剤や、がんやアルツハイマーなど、いまだに解決法がないアンメット・メディカル・ニーズの高い薬剤の開発に注力したい」と夢を語っていたが、一方で医薬品業界は、老舗の武田薬品でさえも新薬開発で苦難を強いられている。
 「新薬にかかる開発費は約1000億円と言われ、開発期間も10年かかることはザラ。しかも、投資と時間をかけたからといって、それが成功するかどうかも分からない。そのため富士フイルムHDは、実績のあるゼロックスの医療画像診断機器、写真フィルム技術の液晶機器用フィルム事業、今もアジアで堅調な事務機器をベースに、確実に現金を稼がなければならない。加えて買収によって事務機器で世界トップとなり、事業再編と合理化で、さらなるリストラを進める必要に迫られていたのです」

 ただし、どちらに転んでも富士フイルムHDに苦難