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すぐにお金が必要なとき、手軽に借入れができて便利なキャッシング。とはいえ、「クレジットカードのキャッシングとは?」「カードローンとの違いは?」など、キャッシングサービスとは何かがわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、キャッシングとはどんなサービスなのかを解説します。「キャッシングって何?」という疑問を簡単に解消できる内容となっているため、はじめてキャッシングを利用する人はぜひ参考にしてください。
元銀行員/mybest 金融サービス情報コンテンツ担当
大島凱斗
元銀行員として、法人顧客の経営支援・融資商品の提案、個人顧客の資産運用相談業務を担当。現在は日本最大級の商品比較サービスmybestにて金融・サービス商材の情報提供コンテンツを統括している。
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目次
キャッシングという言葉は聞いたことがあるものの、クレカのキャッシングとはどのようなサービスなのか、カードローンと何が違うのかがわからない人も少なくないでしょう。ここでは、キャッシングとは何かをわかりやすく解説します。

出典元:Getty Images
キャッシングの本来の意味は、銀行・コンビニATMやインターネット経由でお金を借りるサービス全般の総称です。キャッシングには主に、カードローンとクレジットカードに付帯するキャッシングの2種類があります。
しかし、キャッシングと呼ぶ際は、クレジットカードに付帯したキャッシング枠のことを指すのが一般的です。そのためこの記事では、クレジットカードの借入枠を利用した借入れをキャッシングとして解説していきます。
クレジットカードのキャッシング枠とは、ATMを通じていつでも手軽にお金を引き出すことができるサービスです。限度額の範囲内であれば、繰り返し借入れができます。国内でも海外でも利用できるため、利便性の高いサービスといえるでしょう。

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カードローンとクレジットカード付帯のキャッシングの主な違いは、ショッピング機能があるかないかです。
カードローンとは、金融機関が提供している個人向け融資サービスのこと。ショッピング機能はついておらず、一度お金を受取ってから決済などに利用します。
一方、クレジットカードにはショッピング機能があり、キャッシング枠との併用が可能です。カードローンは借入れのみですが、クレジットカードは1枚でショッピングと借入れができると覚えておきましょう。
なお、両者は金利と限度額にも違いがあります。最高金利を比較すると、銀行カードローンは年14.0〜15.0%程度、キャッシング枠は年15.0〜年18.0%程度です。利用限度額を見ると、カードローンは数十万〜数百万程度、キャッシングは数十万〜100万円程度と、カードローンのほうが大きい傾向があります。
クレジットカードのキャッシングは急な出費に対応しやすく、お金の使い道が自由などのメリットがあります。ここでは、キャッシングのメリットを詳しく見ていきましょう。

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クレジットカードにあらかじめキャッシング枠を設定しておけば、申込みや審査なしですぐに現金を引き出せます。冠婚葬祭の費用、病気やケガによる入院治療費など、ある程度まとまった費用が必要なときでも迅速にお金を用意することが可能です。
急な出費に対応できるほどの預貯金がない人は、クレジットカード作成時にあらかじめキャッシング枠を作っておくとよいでしょう。

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お金の使い道が自由である点もキャッシングのメリットです。カードローンと同様に用途が限定されていないため、生活費の補填や旅行費用、冠婚葬祭での急な出費など、柔軟に利用できます。
ただし、使い道が自由とはいえ必要以上の借入れは避けましょう。キャッシングを利用する際は、無理のない返済計画を立てておくことが大切です。

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キャッシング枠を付帯させておけば、買い物をするためのクレジットカードと、お金を借りるためのカードが1枚で完結します。
カードローンのように別の専用カードがいらないため、カードをたくさん持ちたくない人や、カードローン用のカードを誰かに見られたくない人でも安心です。
買い物での利用分と、キャッシングでの借入分がまとめて同じ口座から引き落とされるため、支払いの管理がしやすい点もメリット。家計簿をつけている人や、日々お金の管理をしている人にとっても便利なサービスといえます。

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キャッシング枠付帯のクレジットカードがあれば、海外ですぐに現地通貨のお金を引き出せます。
キャッシュレスに対応していない店舗やチップの支払いなど、旅先では急に現金が必要になる場面も少なくありません。キャッシングなら国際ブランド対応のCD(キャッシュディスペンサー)やATMで現金を引き出せるため、事前に銀行や空港で両替をする手間が省けます。
海外でのキャッシングは、国際ブランドによって利用できるATMが異なる点に注意しましょう。事前に調べておくほか、どうしても心配な場合はVISAやMaster Card、JCBなど、複数ブランドのクレジットカードを準備しておくと安心です。
なお、利用限度額に達している場合は現金を引き出せません。すぐに増枠の審査をしてもらえるわけではないので、海外でキャッシングを利用できない事態にならないよう、カード発行時に受取る書類やWeb会員サイトなどで利用限度額を確認しておきましょう。
キャッシングにはメリットがある一方で、利息負担が大きい、ポイントがたまらないなどのデメリットもあります。以下でまとめたデメリットも確認しておきましょう。

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最高金利の相場が年14%程度の銀行カードローンに対し、キャッシングの最高金利は年18%程度なので、カードローンよりも利息負担が大きくなります。クレジットカード会社はキャッシング利用でしか利息収入を得られないため、金利を高めに設定するのが特徴です。
借入れに対する利息額は、「借入金額 × 実質年率 × 借入日数 ÷ 365日」で計算できます。金利が違うと利息負担がどのくらい変わるのか、10万円を1年で返す場合の利息負担を、金利年14%と年18%でそれぞれ比較してみましょう。
金利が年14%の場合、10万円の借入れに対する利息額は14,000円、返済総額は114,000円。金利が年18%の場合、利息額は18,000円、返済総額は118,000円です。年4%の金利差で、返済負担に4,000円もの差が出ることがわかります。
なるべく利息を抑えたいなら、より金利が低いサービスを利用するのが賢明です。借入れしたい金額に対する利息額が気になる人は、以下のシミュレーターで試算してみてください。

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一般的に、クレジットカードで買い物をするとポイントをためられますが、キャッシングは対象外なので利用してもポイントはたまりません。ポイントがたまるのは、日々の買い物で利用するショッピング枠のみです。
ただし、カード会社によってはキャッシングでもポイントを付与していることがあります。カード会社の公式サイトやアプリなどでチェックしてみましょう。

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キャッシング枠はショッピング枠のなかに含まれており、ショッピング枠を利用しすぎていると、キャッシング枠を持っていても満額借りられないことがあります。クレジットカードの総利用枠が50万円、キャッシング枠が10万円の場合を例に挙げてみましょう。
40万円の買い物にクレジットカードを利用した場合、キャッシングで利用できるのは10万円です。一方、50万円の買い物をしてしまうと、すべてショッピング枠に使うことになるのでキャッシング枠は0円に。45万円の買い物をすると、キャッシングは5万円しか使えません。
上記のとおり、キャッシング枠はショッピング枠の利用額に応じて変化します。また、キャッシングは枠の上限までしか利用できません。クレジットカードで借入れする際は、あらかじめショッピング枠の残高も確認しておきましょう。
利用残高は、会員向けサイトのログインページ内などで確認できるほか、電話でも照会できることが一般的です。

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キャッシングの利用が向いているのは、借入希望額が少額であり、短期間で返済できるめどがついているケースです。
キャッシング枠の限度額はカードローンより低めですが、借入れが少額で済むのであれば不便に感じることはないといえます。また、キャッシングの金利は銀行のカードローンに比べて高いものの、少額の借入れをして短期間に返済すれば利息負担はそれほど重くならないでしょう。
そのほかのケースでは、今すぐに借入れがしたい人にもキャッシングがおすすめです。キャッシング枠付帯のクレジットカードを保有していれば、申込みや審査なしですぐに借入れができます。
海外で現金を借入れしたい場合も、キャッシングの利用を検討しましょう。キャッシングを使えば必要なときに現地通貨を入手できるため、両替の手間がかからず、多額の現金を持ち歩く必要もありません。
キャッシング枠を利用するには、事前に枠を設定するための申込みが必要です。ここでは、キャッシング枠の申込みから借入れ、返済までの流れを解説します。

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クレジットカードにキャッシング枠を付帯させる方法には、クレジットカードの申込み時にキャッシング枠も申込むか、クレジットカード発行後に申込むかの2パターンがあります。
カード申込みと同時に行う場合は、申込みフォームや用紙にある「キャッシング利用希望枠」に希望の上限金額を記入しましょう。クレジットカードの申込みと同時にキャッシングの審査が行われるので、案内に従って手続きを進めてください。
契約後に申込む場合は、Web上のマイページから行うパターンや、電話もしくは所定の申込み用紙にて申込むパターンなど、カード会社によって方法が異なります。あとからキャッシング枠を申込むときにも審査はあるため、あらかじめ認識しておいてください。

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キャッシング枠の申込みでは、必要書類の提出と審査が必須です。
提出書類は本人確認書類のみで済むことがほとんどですが、キャッシング枠が50万円を超える場合や、他社借入れとの合計が100万円を超える場合は、収入証明書の提出も求められます。本人確認書類や収入証明書として使用できるものの一例は、次のとおりです。
<本人確認書類>
<収入証明書>

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審査に通過すれば、キャッシングを利用できます。借入れする際は、コンビニエンスストアや銀行などのATMで現金を引き出すか、電話やインターネットから振込みを依頼する方法が一般的です。
コンビニエンスストアのATMであれば、ほとんどのクレジットカードが対応しています。24時間営業しているため、休日や深夜の時間帯でも営業時間を気にせずキャッシングを利用可能です。
銀行のATMでもキャッシングは利用できますが、営業時間や休業日が決められているため、コンビニエンスストアに比べると利便性は下がります。ほかにも、カード会社が設置しているATMも利用可能です。
カード会社によっては、専用のフリーダイヤルに連絡してキャッシングを利用する方法もあります。カード会社の公式サイトで、電話に対応しているかどうかチェックしてみてください。
最近では、インターネットを通じてキャッシングが利用できる会社も多数あります。インターネット経由で振込み依頼をすることで、指定の口座に現金が振込まれる仕組みです。

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キャッシングの返済方法は一般的に、1回払いかキャッシングリボ払いかを選択できます。借入れする際に、どちらの方法で返済するかを指定しましょう。
1回払いは、借入金額と利息を翌月に一括で返済する方法です。一般的に、カード利用代金を支払う口座から自動で引き落としされます。借入期間が短いため、手数料の負担を抑えられるのが特徴です。
キャッシングリボ払いは、完済まで毎月一定額を返済する方法のこと。毎月所定の期日に、あらかじめ設定した金額が指定口座から引き落としされます。毎月返済額を自分で設定できるため、日々の支払い負担を抑えることも可能です。
ただし、返済額を少額にすると返済が長期化し、利息負担が大きくなりやすい点には注意しましょう。
キャッシングの申込みを検討している人のなかには、審査に通過できるか不安な人もいるでしょう。以下では、キャッシングの審査に通過する基準を解説します。

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キャッシングの審査基準は公開されていないものの、安定した収入があるか、他社借入れが多いかなどがチェックされるといわれています。
収入は高いに越したことはありませんが、継続的で安定しているかが重要視される傾向です。返済は長期にわたることもしばしばなので、しっかり返済を続けられる能力を有しているかが見極められるでしょう。
他社借入れは、特に総量規制に達していないかがチェックされます。総量規制とは、借入れの総額を年収の3分の1までに定めている法的なルールのこと。年収300万円の場合、他社から50万円を借りていると、新たに申込みができるのは50万円までに制限されます。他社借入状況は、限度額を決定するうえで重視されるポイントのひとつです。
※参考:日本貸金業協会「お借入れは年収の3分の1まで(総量規制について)」(外部サイト)

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キャッシングの審査では、信用情報もチェックされるのが一般的です。
信用情報は、主に過去に延滞した形跡がないか確認されます。過去数年以内に返済が滞った実績があると、返済能力が不安視される傾向に。ローンだけでなく、スマホ料金の延滞も掲載されるので注意しましょう。自身の信用情報は、CIC(外部サイト)やJICC(外部サイト)に開示請求をすると確認できます。
審査基準はクレジットカード会社により細かく異なるため、基準に満たず審査落ちしてしまった場合は他社に申込むのもひとつの手です。また、借入れの手段はキャッシング以外にもあるので、カードローンや公的制度での借入れなどの代替案を検討しましょう。
クレジットカードのキャッシング枠を利用する際は、ショッピング枠が減る、リボ払いは返済が長引きやすいなどの注意点があります。主なポイントを理解しておきましょう。

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キャッシングの仕組みとして、ショッピング枠とのバランスには注意が必要です。クレジットカードのキャッシング枠はショッピング枠のなかに含まれているため、キャッシング枠を利用した分だけショッピング枠が減少します。
例えば、クレジットカードの総利用枠が50万円でキャッシング枠を10万円利用した場合、ショッピング枠で利用できるのは40万円のみです。買い物でショッピング枠を多く使う予定がある月はキャッシングの利用を控えめにするなど、2つの枠を計画的に利用しましょう。

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リボ払いを選んで毎月の返済額を少額にしていると、返済額のうち利息の占める割合が多くて元金がなかなか減らないため、返済期間が長くなります。
返済が長引くほど利息の負担が増えるため、リボ払いを選択する際は返済計画をきちんと立てましょう。一部のカード会社では、返済にかかる期間や支払う利息の総額などを算出できるシミュレーターが用意されています。
お金に余裕があれば繰上返済を検討するのもおすすめです。繰上返済することで元金が早く減るため、返済期間を短縮できます。繰上返済の方法はカード会社によって異なりますが、ATMへの入金や銀行振込みでできることがほとんどです。
CFP認定者・1級FP技能士/Paradise Wave代表
飯田道子
リボ払いは毎月の返済額が一定かつ少額になるため、利用している人は少なくありません。しかし、リボ払いを複数回繰り返せば返済額は高額になります。 また、リボ払いの残高は住宅ローンなどの借入れの際に影響することがあります。「毎回の支払額を抑えられるから」と安易に考えることなく、利用しすぎには注意しましょう。

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キャッシングの返済に遅れると遅延損害金が発生します。遅延損害金とは、返済に遅れた日数に対して発生する利息のこと。請求金額に対して年20%程度の利率で計算されることが一般的です。
返済が遅れると遅延損害金が発生するだけでなく、クレジットカードを利用できなくなったり、一括返済を要求されたりすることもあります。信用情報の悪化にもつながりかねないため、キャッシングを利用する際は延滞しないように気をつけましょう。
キャッシングは、クレジットカードに枠さえあれば即座に借入れできるので非常に便利です。しかし、新規で枠を申請する場合は即日で借入れできるとは限りません。
急ぎでお金を借りたいなら、カードローンの申込みを検討してみてください。消費者金融であれば即日融資に対応しているところもあるので、申込みから最短で数時間後に借りられる可能性があります。
カードローンを検討する際は、以下のページをチェックしてみましょう。ランキング形式や特徴ごとに、自分にぴったりのカードローンを探せますよ。
記事提供元: mybest
公開日:2022年08月24日
更新日:2025年08月04日
※本記事に掲載されている情報は2022年08月24日時点のものです。お申込みの際は各社公式サイトに記載の最新の情報を必ずご確認ください。
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CFP認定者・1級FP技能士/Paradise Wave代表
飯田道子
クレジットカードにキャッシング枠がすでについていれば、新たに審査を受けることなく即日で借入れできるので便利です。 すべてのカードにキャッシング枠をつける必要はありませんが、複数のクレジットカードがあるなら、いざというときに備えて1枚はキャッシング枠をつけるのも手ですよ。