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消費者向けの機能を企業へ、リアルネットワークスが顔認識AIを発売


島田 優子=日経 xTECH/日経SYSTEMS
2018/11/14 日経 xTECH

出典:日経 xTECH 2018年 11月 6日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

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 「RealPlayer」などのストリーミングソフトを提供している米リアルネットワークス(RealNetworks)は2018年11月6日、深層学習などのAI(人工知能)を利用して顔認識を行うソフトウエア「SAFR」の提供を日本国内で開始すると発表した。ディストリビューターのネットワンパートナーズと販売代理店契約を結び、日本市場へ参入する。

 米リアルネットワークスでモバイルサービスと消費向けサービス部門のプレジデントを務めるマッシミリアーノ・ペレグリニ氏は、「消費者向けにAIを用いた写真共有サービスを2015年から提供しており、大量の写真データが当社に集まっている。この写真データをベースに開発した顔認識ソフトがSAFRだ」と説明。「照明の状態が様々な家族写真など、多くの種類の写真をAIの学習データにしている。その結果、性別や年齢、人種などに関係なく顔認識で高い精度が得られるようになった」(ペレグリニ氏)という。





米リアルネットワークス プレジデントのマッシミリアーノ・ペレグリニ氏

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 SAFRでは監視カメラなどを通じて人物の目、鼻、口のうち2カ所を認識すれば、事前に登録した個人を特定できる。事前の登録はWeb経由のほか、iPhoneなどのスマートフォンからも可能だ。登録した顔データを蓄積したり、顔を認識するためのサーバー向けのソフトは、クラウドサービス形式のほかオンプレミス(自社所有型)としても提供する。料金はクラウド版の場合、カメラ1台当たり月額2万3600円から。





「SAFR」のデモ画面。認識した人の推定年齢や、表情を数値化して表示する機能がある

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 米国では既にSAFRの提供を開始しており、米国やカナダの幼稚園から高校までの教育機関向けに、無償でSAFRを貸し出すPoC(概念検証)を実施している。「米国やカナダでは、学校への不審者の侵入が社会問題になっており、これを解決するための社会貢献として提供している」とペレグリニ氏は説明する。

 日本ではビルの入退室管理のほか、店舗でのVIP顧客の選別や、工場での熟練工の動作分析といった用途で販売していく。ネットワンパートナーズがSAFRだけでなく、SAFRの動作に必要な監視カメラや機器類などを組み合わせて、ネットワンパートナーズのパートナー企業に採用を提案する。ネットワンパートナーズの田中拓也社長は、「今年度中に50ユーザー程度を獲得したい」と話す。