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猫に札束
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猫に札束の掲示板

株反発でも市場が身構える「3月1日の売り」

東京株式市場は2日ぶりに反発。
2万1892円と前日比156円上昇したが、反発力は強くない。
市場の話題をさらったのは、一時3%安となった花王の株価。
一時前日比3%安の7716円まで下落し、マイナス寄与度ランキングで1位。
株価水準が高い「超値がさ」でない銘柄の1位は珍しい。
花王自体には特段の売り材料はない。
中国で販売が伸びる紙おむつ「メリーズ」が好調で、2017年12月期の連結純利益は16%増の1486億円だった。
円高による業績への影響が相対的に少ないため、2月以降の相場の急落局面でも底堅い値動きを保ってきた。

セブン&アイも2%安となった。
2月決算期銘柄の権利付き最終売買日にあたり、例年、配当取りを狙った物色が活発になりやすい。
にも関わらず、配当性向45%のセブン&アイや花王が下落した背景は何か。

「3月1日のリスク・パリティの売り」
2月の急落を受けて「リスク・パリティ」戦略を採用する機関投資家から、まとまった額の売りが出る観測がある。
リスク・パリティとは「リスクを均衡させる」という意味で、株や債券など資産ごとの「リスク」を数値化し、それが常に等量になるよう運用する。
そのリバランス時期には「日次」「週次」「月次」の3パターンがあり、最後の「月次リバランス」のタイミングが3月1日に到来する。

毎年2月末~3月は、3月の決算期末を控えた国内の銀行や年金基金など、国内の機関投資家の利益確定売りが活発になりやすい。
特に今年は2月の相場急落で痛手を負った投資家が「決算対策に利益の出ている銘柄の売却を急いでいる」

さらなる円高進行を懸念する声もある。
FRBは21日公表した1月の会合の議事要旨で「さらなる利上げが正当化される」と明示。
これを受け外国為替市場では、1ドル=106円後半まで円高が進んだ。
米利上げペースが市場予想より速まれば、円高が加速し、輸出企業の業績を押し下げかねない。
「米企業業績の悪化が意識されれば、日本の株式市場全体にも波及する」と警戒感を高める向きもある。

市場では「目先の警戒からだんまりを決め込む投資家が多く、需給が緩みやすい」
23日はジャパンディスプレイが続伸し3%高など、業績不振で投資家から敬遠されてきた銘柄が上昇。
当面、日本株は不安定な値動きが続く可能性がある。