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猫に札束
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世界株高どこまで 投資指標に割高感 ②

実体経済の規模と比較した株価の割高感も目立ってきた。
世界株の時価総額は過去最高の86兆5300億ドル(約9800兆円)と世界の名目GDPの78兆ドル(17年推計値)の約110%の水準。
昨年7月に世界株の時価総額はGDPの規模を超え、その差は広がり続けている。

市場全体の時価総額をGDPで割った指標は米著名投資家バフェット氏が重視する投資尺度として知られ、100%を超えると株価は割高とされる。
08年秋のリーマン危機や15年夏の中国・人民元ショックの直前に同指標は100%を突破し、程なくして株価は大きく下落。
将来の経済成長を大きく先回りする形で株にマネーが流入しており、いつ調整してもおかしくない。

株価が企業の1株利益の何倍まで買われているのかを示すPERにも警戒信号がともっている。
S&P500の予想PERは約21倍に達し、04年以来の高水準にある。
日本やドイツに比べると米国の割高は突出。
現在の米国株の高PERを投資家が許容しているのは、企業業績の成長が続いているから。
ただ金利が上がれば企業の利払いや新たな資金調達のコストが増し、業績の重荷になる。
株高をけん引してきた高PERのハイテク株への売り圧力が増すとの指摘も出ている。

物価の動向も世界株の行方を左右しそうだ。
昨年までは物価の伸びが鈍く、欧米の中央銀行は緩やかなペースで従来の金融緩和策の修正に動くことができた。
この結果、低金利と株高が共存する投資家にとっては心地がよい「適温相場」が維持されてきた。
しかし景気が予想以上に過熱して急激な物価上昇が起これば欧米中銀は引き締め姿勢を強めざるを得ず、その場合は株式市場から資金が流出。

3日に公表した昨年12月開催のFOMCの議事要旨によると「財政刺激などで景気が過熱した場合は急激なインフレ圧力を生むリスクがある」との議論があり、複数の委員は利上げ加速が適当と主張していた。

将来のインフレの可能性をにらみ、物価上昇に応じて元本が増える「インフレ連動債」に投資する世界のファンドには11週連続で資金が流入。
世界株高に変調をきたしかねない物価上昇のリスクに、投資家の一部は備え始めている。

猫に札束 世界株高どこまで 投資指標に割高感 ②  実体経済の規模と比較した株価の割高感も目立ってきた。 世界株の時価総額は過去最高の86兆5300億ドル(約9800兆円)と世界の名目GDPの78兆ドル(17年推計値)の約110%の水準。 昨年7月に世界株の時価総額はGDPの規模を超え、その差は広がり続けている。  市場全体の時価総額をGDPで割った指標は米著名投資家バフェット氏が重視する投資尺度として知られ、100%を超えると株価は割高とされる。 08年秋のリーマン危機や15年夏の中国・人民元ショックの直前に同指標は100%を突破し、程なくして株価は大きく下落。 将来の経済成長を大きく先回りする形で株にマネーが流入しており、いつ調整してもおかしくない。  株価が企業の1株利益の何倍まで買われているのかを示すPERにも警戒信号がともっている。 S&P500の予想PERは約21倍に達し、04年以来の高水準にある。 日本やドイツに比べると米国の割高は突出。 現在の米国株の高PERを投資家が許容しているのは、企業業績の成長が続いているから。 ただ金利が上がれば企業の利払いや新たな資金調達のコストが増し、業績の重荷になる。 株高をけん引してきた高PERのハイテク株への売り圧力が増すとの指摘も出ている。  物価の動向も世界株の行方を左右しそうだ。 昨年までは物価の伸びが鈍く、欧米の中央銀行は緩やかなペースで従来の金融緩和策の修正に動くことができた。 この結果、低金利と株高が共存する投資家にとっては心地がよい「適温相場」が維持されてきた。 しかし景気が予想以上に過熱して急激な物価上昇が起これば欧米中銀は引き締め姿勢を強めざるを得ず、その場合は株式市場から資金が流出。  3日に公表した昨年12月開催のFOMCの議事要旨によると「財政刺激などで景気が過熱した場合は急激なインフレ圧力を生むリスクがある」との議論があり、複数の委員は利上げ加速が適当と主張していた。  将来のインフレの可能性をにらみ、物価上昇に応じて元本が増える「インフレ連動債」に投資する世界のファンドには11週連続で資金が流入。 世界株高に変調をきたしかねない物価上昇のリスクに、投資家の一部は備え始めている。