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ユニティ 決算報告の掲示板

あの日、会見後の大和を待って一緒に横浜公園の並木道を歩きながら、阪神の思い出に浸った。

 「プロ野球選手というのは、輝ける時間が本当に少ないので…」

 積もる話をあれこれ聞かせてもらったけれど、この言葉がずっと耳に残っている。「じゃ、新入団の頃の自身に伝えられることがあるとすれば?」と問い掛けると、大和は間髪入れず、こう返した。

 「早く1軍に上がって、早く1軍に定着すること、と伝えます」

 高校卒業後、18歳でこの世界に飛び込んだ彼は30歳でFA権を行使。12年前を振り返り、自省を込めてそんなふうに語ったのだ。

 焦らず、じっくり…。新人、特に高卒の選手に対してよく聞く入団時の激励である。1年目、2年目はプロで活躍できる体作りが大切だし、とりわけ故障経験者には「焦らずに!」は正しい。だが、その一方で大和発言が染みたのは「焦らず、じっくり」をはき違え人気球団の甘い汁に溺れた選手を何人か見てきたからである。