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Achilles Last Standの掲示板

>>120

住宅市場の規模は大きい。英不動産サービスのサヴィルズによると世界の住宅資産の価値は2020年時点で250兆ドルと株式市場(約100兆ドル)の2.5倍だ。縮小に向かえば家計や銀行など広範に悪影響をもたらす。

韓国は家計への影響が不安視されている。可処分所得に対する債務の比率は200%程度と世界の中でも高い。過去5年間でマンション価格(全国平均)はおよそ2倍に高騰。ソウル市のマンション価格は円換算で1億円を上回っており、所得水準に見合わない住宅ローンを組んだ世帯も多い。ローンの8割超が変動金利のため利子負担の増加が家計を直撃する。

東欧では銀行破綻につながった。ポーランドでは9月、中堅のゲティン・ノーブル銀行が公的支援の対象となった。同国の住宅ローンは金融危機以降、問題を抱えてきた。低利で借りられるスイスフラン建ての住宅ローンが流行したが、通貨ズロチがフランに対して下落し、返済できない個人が増えた。今年の通貨安や住宅価格の下落がさらに追い打ちをかけ、銀行経営を揺るがしている。

住宅市場の変調に中銀の姿勢にも変化が見られはじめた。オーストラリア準備銀行(中銀)は10月の理事会で政策金利の引き上げを0.25%に縮小した。同国の住宅価格は11年ぶりの速いスピードで調整が進んでおり、住宅市場に配慮したとみられている。

英オックスフォード・エコノミクスは住宅価格下落による逆資産効果、投資の減少、与信基準のタイト化という逆風が重なった場合には、世界の国内総生産(GDP)成長率はベースラインの1.3%から0.3%にまで急低下する可能性があると試算する。

住宅価格の下落は、インフレの鎮圧という目的にはかなう。ただ、低金利になれきって膨張した市場は急激に縮小するリスクをはらむ。