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Achilles Last Standの掲示板

>>109

守られてきた従来方針は①ロシアのウクライナ侵攻を「戦争である」とは認めず、公式報道ではロシアの「特別軍事行動」という言葉だけを使用②ロシア、ウクライナ双方の利益を考えるべきだが、深刻な事態に至った原因は全て北大西洋条約機構(NATO)の拡大を狙った米欧側にあり、彼らが責任を負うべきだ③勝利目前の強大なロシアとことを構えるのは愚策――というものだ。

これは明らかにロシアを議論の余地のない勝ち馬だとみなした発想だ。だが、北京冬季パラリンピック開幕日の3月4日より前に大勢が決し、戦闘も終わるとみた中国の期待は裏切られた。情勢が激変しても方針を変えない硬直性は、中国の国際イメージを傷つけた。ロシアとベラルーシはパラリンピックから排除され、競技で活躍が目立ったウクライナの国内では、ロシア軍の攻撃でさらに多くの人命が失われた。悪夢である。
国際パラリンピック委員会会長のパーソンズは開会式と閉会式で、ウクライナを念頭に平和を訴えた。これほど深刻な事態に至っても、中国国営テレビの中継はその部分を中国語に訳さなかったり、訳を改変したりした。平和を掲げるパラリンピックなのに、平和の訴えを隅に追いやり覆い隠すのは論理矛盾だ。それは中国が陥ったジレンマを象徴している。

ジレンマは李克強の首相としての最後の記者会見にも表れた。中国のイメージ悪化を避けるため、ロシアメディアの質問は受けず、2月4日の中ロ共同声明で確認した「制限のない中ロ友好関係」にも触れなかった。
胡偉論文そのものは既に閲覧困難とはいえ、中国のネット上では論文内容を一部引用した激論が続いた。結果としてウクライナ情勢と中ロ関係を議論できる環境が少しずつ整い、ロシア寄りの報道を続ける中国メディアと一般世論のズレも目立っている。
中国内で意見対立があらわになった頃、米中高官会談をローマで開く日程がタイミングよく決まった。米側によると、米大統領補佐官のサリバンは、中国によるロシア支援に懸念を伝えた。米メディアは、ロシアが全面侵攻後、中国に軍装備品の提供と、追加経済支援を要請したと報じている。

  • >>110

    中国中央テレビによると、中国外交トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)は、国際社会と共にロシアとウクライナの和平交渉を支持するとした。だが、ロシアに軍事・経済面での援助をしないよう中国に求めた米側への回答などは一切、報じていない。

    中ロ共同声明の当事者である習近平が従来方針からいきなり全面転換するのは難しい。とはいえ2カ月前から米側が打診していたという米中高官会談に今になって応じたこと自体、中国の微妙な変化を示す。ウクライナ問題に限れば、楊潔篪が米国を直接批判したり、対ロシア制裁に明確に反対したとは報じられていない。1年前、米アラスカ州でカメラを前に米側を激しく非難した態度とは様変わりだ。
    胡偉は5日の時点で、中国が決断するために残された時間は1、2週間しかなく、遅れるならば窓口は閉まり、転換の機会が失われる、と指摘していた。米中高官会談が1、2週間という指摘通りの期間内に突如、開かれたのは偶然だろうか。中国は今、将来を左右する重大な岐路に立たされている。