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欧州にウクライナ派兵論 戦況劣勢で再浮上
2024/05/24 18:22 日経速報ニュース 1678文字

 【ウィーン=田中孝幸、ブリュッセル=辻隆史】ウクライナへの軍事支援を巡り、欧州諸国の一部で派兵論が再浮上してきた。侵略するロシア軍の攻勢をうけウクライナ側が劣勢に立つためだ。ロシアは戦術核兵器の演習などで西側諸国への威嚇を強める。
 「議論は続いている。すべての可能性を考えないといけない」。北大西洋条約機構(NATO)加盟国エストニアのロール大統領補佐官は10日、部隊派遣が選択肢になるとの考えを示した。安保関連のネットメディアに語った。
 ウクライナ軍の後方部隊が前線に出られるように、非戦闘地域の後方支援業務の一部を引き継ぐ案を検討していると明かした。一部のNATO有志国で派遣する可能性もあると指摘した。

 ウクライナへの軍事支援を巡り、欧米は「同国の敗北を回避する程度にとどめる」との方針を堅持してきた。ウクライナを決定的な勝利に導けば、ロシアを刺激して核戦争のリスクが高まるとの懸念があったためだ。
 一方、ウクライナの敗色が濃くなれば支援のレベルを上げざるを得ない。NATO加盟国の大半はまだ派兵に慎重な姿勢を見せるが「考えを変える可能性がある」(ロール氏)。
 北欧や東欧はロシアの脅威にさらされる。リスクをとって派兵しなければ将来の有事の際に米国の関与を引き出せないとの危機感がある。西側諸国の戦力をウクライナに置けば、西方に向かうロシア軍の試みを抑止できるとの計算もある。