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バベルの塔
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バベルの塔の掲示板

>>71696

つづき・・

太陽光や風力といった再生可能エネルギーでは、発電設備そのものに多くの銅を使う。多くの発電所は電力の消費地から離れており、新たな送電網も構築も多い。洋上風力発電の世界的な拡大は、海から陸へと電気を運ぶためにより多くの送電ケーブルを必要とする。
 
 銅は脱化石燃料に不可欠な「グリーンメタル」の1つに挙げられて久しいが、その構造は変化しつつある。新たな潮流がAIだ。全世界的にデータセンターの建設投資が拡大しており、バンク・オブ・アメリカ(BofA)は「データセンターとAIが鉱物資源に与える影響への注目度が高まっている」という。発電設備や送配電といった電力に関わる分野に加え、データセンター内で使う半導体を含む電子機器・部品で幅広く銅を使うからだ。
 
 AI向けのデータセンターは通常に比べ銅の使用量も増えるとの見方がある。ゴールドマン・サックスのニコラス・スノードン氏らは、AI向けデータセンターの銅需要が24年の8万トンから、ピークとなる26年には16万トンに増えると予想する。年間3000万トン弱とされる世界需要に占める比率は低いものの、需要を押し上げているのは間違いない。
 
 銅はその値動きが世界の景気動向を敏感に映すとされ「ドクター・カッパー(銅博士)」の異名を持つ。足元の銅相場の上昇は、経済のけん引役がグリーンからAIへと移り変わって来たことを示しているのかもしれない。