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バベルの塔
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太陽フレアが発生すると、高エネルギーの太陽光(主にX線と紫外線)が地球の高層大気をイオン化し、無線通信の障害を引き起こすことがあります。また、太陽フレアによって放出される荷電粒子が地球に到達すると、地磁気や電離圏の嵐を引き起こし、衛星運用や衛星測位、停電など様々な影響のリスクが高まります。

具体的には、活発な太陽フレアの後には、高緯度では電離層と呼ばれる層に非常に強い電流が流れることがあり、地表面でも磁場の非常に大きな変化が起こり、発電所などが影響を受けて広範囲での停電のおそれがあるとされています。このような影響は、地球の昼側で主に発生します。

太陽フレアによる影響度は米国NOAAのRスケールも参考になります。太陽フレアの規模は、放射されるX線の量でクラス分けされています。大きい方からX, M, C, B, Aと分類され、地震と同じく10倍大きくなるとクラスが1つ上がります。
主にM1.0クラスの5倍のM5.0以上のフレアが発生すると、X線放射によって地上で無線通信 (短波通信)が使えなくなるブラックアウトが8分後(観測とほぼ同時)に起こるため、警戒が必要です。

また、太陽フレアは地球に向けて放出されるコロナ質量放出(CME)を伴うことがあり、これが地球に到達すると磁気嵐を引き起こすことがあります。磁気嵐は、地上の電力網や通信インフラに障害をもたらすことが知られており、特に高緯度地域での影響が顕著です。このような影響は、地球の昼側で主に発生します。太陽フレアによって短波通信が減衰することを、デリンジャー現象とか突発的電離圏嵐と呼びます。短波通信は、高層大気である電離圏での反射を使って長距離の通信を可能としています。しかしフレアのX線によって大気が加熱されると、電波が吸収されて反射せず、通信ができなくなってしまいます。この現象は地球の昼側で起こります。

太陽フレアはX線以外にも高エネルギーの荷電粒子を放出し、宇宙飛行士や航空機搭乗員の被ばく、極域地方での通信異常の原因となります。またコロナ質量放出 (CME)と呼ばれる噴出現象が地球にぶつかると地磁気や電離圏の嵐を引き起こし、衛星運用や衛星測位、停電など様々な影響のリスクが高まります。