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トルコリラに復権気配 円キャリー取引でひそかな関心
2024/05/08 10:18 日経速報ニュース 1069文字

 外国為替市場で低金利の円を売り持ちにし、より高い金利の通貨を買い持ちにして利息収入を積み上げていく「円キャリー取引」の需要が回復している。対象は米ドルが中心となるものの、高金利の多い新興国の通貨にも広がっている。そんな中でひそかに関心を集めているのがトルコリラを買い持ちにする円キャリー取引だ。
 
 トルコでは激しいインフレや後手に回った金融政策を背景に国民の間でもリラの信認が揺らいでいる。なかなか下げ止まらない相場を嫌気した国際投資家のリラ離れも進んでいた。だが、これが良くも悪くもリラの「孤立」を招き、米国など外部環境の影響を受けにくくしている。また、トルコ中央銀行が昨年からようやく始めた金融引き締め策はトルコ経済とリラの地盤沈下にひとまず歯止めをかけている。

 現在のトルコの政策金利は年50%だ。50%という数字はトルコを取り巻く環境の厳しさを示しており、高金利だからといって手放しで飛びつくわけにはいかない。それでも2024年のリラの下落率は今のところ金利水準をはるかに下回っている。市場には「変動率がいったん落ち着いている足元ならリラでのキャリー取引には投資妙味がある」との声が少なくない。
 
 ある欧州系ヘッジファンドのマネジャーは「円キャリー取引での運用収益はエントリーポイント(円売りを開始する水準)に大きく左右されるが、ここまではリラでのキャリー収益が(通貨高だった)メキシコペソの数倍に達している」と話す。トルコの先行きを決して楽観はしていないとしながらも、「エルドアン大統領の挙動に注意しながらしばらくはリラの買い持ちを高水準に保つ」との考えだ。