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メキシコペソ、強まる騰勢 ニアショアリングETFも上場
2024/04/01 05:00 日経速報ニュース 1494文字

 【メキシコシティ=市原朋大】メキシコペソが対ドルで1ドル=16ペソ台半ばと9年ぶりの高値圏で推移している。大規模な利下げ継続の可能性は低く、米国との金利差が急激に縮小する環境にないという安心感に加え、メキシコ経済の成長性に対する期待感もペソ買いにつながっている。
 ペソはメキシコのイースター休日「セマナサンタ」入り前の3月27日、一時1ドル=16.5ペソ台と2015年11月以来となる高値水準まで買われた。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が利下げに慎重な見方を示し、ファンドや資産運用会社がメキシコペソに対して強気になった。メキシコペソは対ドル、対円で上昇基調が続く。

 ヘッジファンドなどのペソ買いは急速に積み上がっている。米商品先物取引委員会(CFTC)の通貨先物の持ち高データによると、非商業部門(投機筋)のドルに対するペソの買い越し幅は12万8670枚と、2020年3月以来、約4年ぶりの大きさになった。
 メキシコ銀行(中央銀行)は3月21日、政策金利を0.25%引き下げ11.00%とした。利下げは3年ぶりだったが、中銀は継続的な緩和サイクル入りを明確に否定した。一時は8%台に達していた物価上昇(インフレ)率は低下したものの、2月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は4.4%と政策目標上限の4%をなお上回る。
 米シティグループ系のバナメックスによると、市場参加者による24年末の政策金利予想の中央値は9.5%となっている。
 米国や日本との金利差に着目するキャリートレードだけでなく、メキシコ経済の成長性への期待も大きい。
 メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)によると、2月の輸出の伸び率は4.2%に拡大し、失業率は低下した。メキシコ経済省によると、1〜2月にメキシコで表明された直接投資は258億ドル(約3兆9000億円)に達した。米国近くに生産拠点を再編する「ニアショアリング」の活発な動きが続く。

  • >>68098

    つづき・・

    米アマゾンはメキシコシティに近いケレタロ州にデータセンターの開設を表明した。米電気自動車(EV)大手ではテスラが23年に北部ヌエボ・レオン州に新工場開設を発表しており、中国の比亜迪(BYD)もメキシコでの生産検討を明らかにしている。
     マツダのメキシコ生産法人「MMVO」の生産台数は23年、単独では初めて20万台を超えた。投資が相次ぐのは、米中対立によるリスクを軽減する狙いが大きい。
     11月の米大統領選挙へ向け共和党の指名獲得を決めたトランプ前大統領は、中国製品の関税を引き上げると繰り返し強調している。一定の条件をクリアすれば関税をゼロにできる「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」の適用されるメキシコには米国への配送ルートが確立されている地域も多い。安い賃金も企業をひきつける。
     メキシコ証券取引所には3月、ニアショアリングに特化した上場投資信託(ETF)が上場した。「アズトラン・エクイティ・マネジメント」の構成銘柄の約60%を米国企業が占める。残りはメキシコ、カナダの企業が2割ずつを占め、ニアショアリングで恩恵を受ける企業への投資で収益を狙う。
     地元メディアによると、ファンド創設者のアレハンドロ・サラザール氏はニアショアリングによる恩恵は「今後20年間は続くだろう」と強気の見通しを示す。自信の根拠には、ペソ高の逆風下でも衰えない海外からの直接投資がある。
     6月のメキシコ大統領選に出馬する3候補は海外企業の誘致を積極化する考えでは一致する。国内企業優先の姿勢を貫いてきたロペスオブラドール現政権に比べ、政策リスクは低いという見方も出ている。