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日大悪質タックル問題を思い出す吉本社長会見、芸人たちのクーデターさえ起きかねず損失は計り知れない
 ■7月24日 その昔、明石家さんまが歌った替え歌を一度聞いただけで覚えてしまった。「屋根より高いこいのぼり、大きいまごいはお父さん…」の童謡の替え歌で、「ギャラより高い交通費、大きなお金は吉本に、小さいお金は芸人に面白そうに流れてる」。なるほど吉本興業とはそういう会社かと一発で想像できた替え歌の傑作だった。

 宮迫博之らの闇営業問題で吉本興業の岡本昭彦社長が会見に臨んだ。噂によるとギャラ配分は会社が「9対1」とかで、こいのぼりの父と子供の大きさから見ればさもありなん?「それはない。5対5か6対4」と社長が否定すると所属芸人たちからSNSで「嘘や」と大ブーイングが起きたという。

 会見は約5時間半に及んだ。何を聞いても端的な答えはなくだらだらと要領をえない回答に終始した。「自分の口で真実を語りたい」と捨て身で臨み、一気に流れを変えた宮迫と田村亮の会見に慌てて対応した準備不足か。想定問答集で何回も繰り返し練習した形跡もなくほぼ“丸腰”で臨んだ感じだ。

 思い出すのは昨年の日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題。タックルした当時2年生は勇気を出して会見し真実を語って人々の胸を打った。隠蔽を図った大学側は慌てて翌日監督らの会見を開いたが、しどろもどろ。司会の広報が質問をさえぎるなど批判が渦巻いた。私学助成金カットや入試志願者減などタックル一発で日大は14億円の損失とか。

 吉本も社長会見で旧態依然の企業体質が浮き彫りになり、芸人たちのクーデターさえ起きかねず損失は計り知れない。「笑いの王国」に「日大王国」。会見下手や危機管理の甘さはどうやら「王国」共通らしい。 (今村忠)