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〇「5月17日」風月抄「南京虫の裁判」

 「裁判」というものは、人間社会の制度として造られたものなので、当然の事ながら人間に対して行われるものなのですが、アメリカでは何と「南京虫」に対する裁判が行われた事があります。

 アメリカの大河「ミシシッピー河」の発見は、16世紀ですが、本格的にウィスコンシンからミシシッピー河を探検したのは、イエズス会のマルケットと毛皮商の「ジョリス」で、彼らがアンカーンソーまでたどり着いたのが1673年の今日「5月17日」という記録が残っています。

 ところで、この「ミシシッピー州」で世にも珍しい裁判が行われています。その原告となったのが、同州の著名な弁護士の{S・プレンティス」と「ゴールソン判事」で、被告は何と、かゆいかゆいあの「南京虫」だったのです。
 この二人が、「レイモンド」という町に一泊した時に、夜になると、体じゅうがかゆくてたまりません。南京虫の襲撃です。眠るにも眠られず、腹を立てた二人は、ピストルを取り出して南京虫退治を始めました。いかに西部開拓時代とはいえ、南京虫相手の拳銃乱射とは前代未聞の出来事でしたが、おかげで彼のベットは穴だらけになってしまいました。

 こうして何匹かの南京虫は、銃弾の露と消えましたが、夜が白々と明ける頃に、まだ一匹がうろうろしているのを発見した彼は、これを見事生け捕りにすることに成功しました。
 結局、二人がそれまでに殺した南京虫については、カユさと引き換えの「正当防衛」が成立しましたが、逆に生け捕られたこの一匹の南京虫は、かゆみを加えた被告として法廷に連行せねばならないのです。

 そこで彼らは、州の定めるところによって、この南京虫の「裁判」を開きました。
「ゴールソン」は検事なので、2時間にわたって被告の「南京虫」を糾弾し、弁護士の「ブレンティス」は、商売柄、その南京虫の弁護を買って出ました。そして宿屋の主人など4名の「陪審員」が任命され、「弁護人」が声涙共に下る弁護を4時間も続けてこの可哀そうな南京虫の無罪を主張しました。

 その結果、陪審員達は被告を無罪として釈放したのですが、その釈放された「南京虫」が、その後、どのようにして生き延びたかは、明らかになっていません。。(^^♪)

70歳代のバソコン  〇「5月17日」風月抄「南京虫の裁判」   「裁判」というものは、人間社会の制度として造られたものなので、当然の事ながら人間に対して行われるものなのですが、アメリカでは何と「南京虫」に対する裁判が行われた事があります。   アメリカの大河「ミシシッピー河」の発見は、16世紀ですが、本格的にウィスコンシンからミシシッピー河を探検したのは、イエズス会のマルケットと毛皮商の「ジョリス」で、彼らがアンカーンソーまでたどり着いたのが1673年の今日「5月17日」という記録が残っています。   ところで、この「ミシシッピー州」で世にも珍しい裁判が行われています。その原告となったのが、同州の著名な弁護士の{S・プレンティス」と「ゴールソン判事」で、被告は何と、かゆいかゆいあの「南京虫」だったのです。  この二人が、「レイモンド」という町に一泊した時に、夜になると、体じゅうがかゆくてたまりません。南京虫の襲撃です。眠るにも眠られず、腹を立てた二人は、ピストルを取り出して南京虫退治を始めました。いかに西部開拓時代とはいえ、南京虫相手の拳銃乱射とは前代未聞の出来事でしたが、おかげで彼のベットは穴だらけになってしまいました。   こうして何匹かの南京虫は、銃弾の露と消えましたが、夜が白々と明ける頃に、まだ一匹がうろうろしているのを発見した彼は、これを見事生け捕りにすることに成功しました。  結局、二人がそれまでに殺した南京虫については、カユさと引き換えの「正当防衛」が成立しましたが、逆に生け捕られたこの一匹の南京虫は、かゆみを加えた被告として法廷に連行せねばならないのです。   そこで彼らは、州の定めるところによって、この南京虫の「裁判」を開きました。 「ゴールソン」は検事なので、2時間にわたって被告の「南京虫」を糾弾し、弁護士の「ブレンティス」は、商売柄、その南京虫の弁護を買って出ました。そして宿屋の主人など4名の「陪審員」が任命され、「弁護人」が声涙共に下る弁護を4時間も続けてこの可哀そうな南京虫の無罪を主張しました。   その結果、陪審員達は被告を無罪として釈放したのですが、その釈放された「南京虫」が、その後、どのようにして生き延びたかは、明らかになっていません。。(^^♪)