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FXの館の掲示板

今週のドル円は底堅い。1日は米格付け会社ムーディーズが日本の格付けを「AA3」から「A1」に引き下げたと発表したことで円売り・ドル買いが進み119.15円まで上昇したが、ナイト・セッションの日経平均先物が下落したためすぐに利食い売りが優勢に。ダウ平均の下落も売りを誘い117.86円まで下げた。ただ、2日以降は買い戻される展開となった。株高を手掛かりとした買いが入ったほか、原油安を背景にドル高が進んだ流れに沿った。翌3日は11月米ISM非製造業指数が強い内容だったほか、「衆議院選挙では与党が300議席を大きく上回る勢い」と報じられたことを背景に上げ幅を広げ、一時119.87円まで上昇。翌4日は120.00円に観測されているオプションの防戦売りが意識されてしばらくは神経質な値動きが続いていたが、NY時間に入ると仕掛け的な買いが入り一時120.255円と2007年7月26日以来の高値を付けた。ダウ平均や日経平均先物の下落を背景に利食い売りが進み119.325円まで失速する場面があったが下値は堅かった。3日安値の119.13円がサポートとして意識されると株価の買い戻しにつれて119.90円付近まで持ち直した。
 なお、ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)による追加緩和への思惑が広がるなか、原油安も相場の重しとなり一時1.22795ドルと2012年8月16日以来の安値まで売りが進んだ。ただ、ドラギECB総裁が定例理事会後の記者会見で「来年1-3月に現在の刺激策を再評価する」などと述べると、過度な追加緩和期待が後退したとして1.2457ドルまで急速に買い戻しが進んだ。一方で、「ECBは広範の量的緩和(QE)パッケージを来年1月の定例理事会に向けて準備している」との一部報道が伝わると、追加緩和期待が一転して高まり1.23ドル台半ばまで失速した。

 来週、米国は8日に11月米労働市場情勢指数(LMCI)、9日に10月米卸売在庫や3年債入札、10日にMBA住宅ローン申請指数や10年債入札、11月米月次財政収支、11日に前週分の米新規失業保険申請件数や11月米小売売上高、11月米輸入物価指数、10月米企業在庫、30年債入札、12日に11月米卸売物価指数(PPI)や12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)が発表される。
 米国以外では9日に10月英鉱工業生産指数、11日にニュージーランド準備銀行(RBNZ)による政策金利発表や11月豪雇用統計、スイス国立銀行(中央銀行)による政策金利発表、12日に10月ユーロ圏鉱工業生産、週末14日に衆院選投開票が行われる。

 来週のドル円は神経質な値動きとなりそうだ。1ドル=117.30-122.00円を想定している。本日発表される11月米雇用統計の結果次第ではあるものの、これまで急速に進んだ円安のペースが減速する可能性はあるだろう。ただ、依然として本邦長期資金や実需勢などの買い意欲は強く、下値も限定的となる見込み。下押ししたところは丁寧に拾っていきたい。14日に衆院総選挙の投開票を控え、与党優勢の期待から海外勢主導で日本株買い・円売りが進む可能性もある。下値の目処は11月20日高値の118.98円や11月27日安値の117.24円となる。一方で、上値は2007年6月22日高値の124.14円まで目立った目処がないため、節目の121.00円や122.00円が意識されそうだ。