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FXの館の掲示板

[ドル・円]
 来週のドル・円は、14日の衆議院選挙投開票での与党圧勝観測から堅調推移が予想
される。解散総選挙と円安というアノマリー、年末に向けた米国企業の利益送金によ
るドル買い、原油価格の下落基調を受けたドル全面高などで、ドルは下げ渋る展開が
予想されるものの、本邦通貨当局が円安のスピードに対して懸念を表明していること
で、ドルの上値は限定的か。

 リスク要因は、イスラム国を空爆している有志連合国でのテロの可能性、エボラ出
血熱の感染拡大懸念、地政学的リスク(ウクライナ情勢、中東情勢)の緊迫化などが想
定される。ただし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への
投資増額(23%⇒40%)から、ドルの下値は限定的だと予想される。

【日本の7-9月期国内総生産(GDP)改定値】(8日)
 日本の7-9月期国内総生産(GDP)改定値、前期比年率-0.4%と予想されており、改定
値の-1.6%からの上方修正が見込まれている。2四半期マイナス成長が確定した場
合、日本経済がリセッション(景気後退)に陥ったことが確認される。

【原油価格下落でドル全面高】
 サウジアラビアが原油価格の下落を静観していることで、原油価格が続落する可能
性が高まっている。原油価格の下落は、原油純輸入国の景気回復を支援するものの、
ディスインフレ懸念も高めることになり、ドル高・円安要因となる。

【衆議院選挙の世論調査(475議席)】
 14日の衆議院選挙の投開票に向けて、世論調査に注目する展開となる。4日に報じ
られた調査結果は、与党が参議院で否決された法案を再可決出来る317議席を上回る
可能性が報じられた。与党が絶対安定多数の266議席以上を確保した場合、アベノミ
クスが信認されたことで、安倍トレード(日本株買い・円売り)が継続することが予想
される。

 265議席を割込んでも、過半数の238議席を確保した場合は、安倍トレード(日本株
買い・円売り)が継続することが予想される。過半数を割込んだ場合、安倍首相は退
陣となり、安倍トレード(日本株買い・円売り)が失速することになる。

【スムージングオペとしての円買い介入の可能性】
 麻生財務相は、「円の下がり方のスピードのテンポ速すぎる」と円安のスピードへ
の警戒感を示した。黒田日銀総裁も「円安の影響は、輸出の増加などプラスの面があ
る一方で、家計の実質所得の押し下げなどマイナス面もある。為替相場は、ファンダ
メンタルズを反映して、安定的に推移することが望ましい」と述べ、急速な円安に対
する警戒感を示している。

 外為特会の持ち値は約111円60銭付近であることで、膨大な外貨準備を減らし、円
安スピードを牽制できる円買い介入の可能性に要警戒か。


12月8日-12日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)10月経常収支- 8日(月)午前8時50分発表
・予想は、+3663億円
 参考となる9月実績+9630億円。9月の貿易収支は-7145億円だったが、第1次所得収
支の黒字額は2兆円を超えており、結果的には大幅な黒字となった。10月について
は、貿易赤字の増加が予想されており、経常黒字額は9月実績を下回る見込み。

○(日)7-9月期国内総生産改定値- 8日(月)午前8時50分発表
・予想は、前期比年率-0.4%
 7-9月期の法人企業統計で設備投資や在庫投資額が改善したことから、速報値-
1.6%から上方修正される見込み。ただし、改定値でも成長率はマイナスとなる可能
性が高いとみられる。

○(日)11月国内企業物価指数- 10日(水)午前8時50分発表
・予想は、前年比+2.7%
 参考となる10月実績は前年比+2.9%。9月の+3.6%との比較で物価上昇率は大幅に鈍
化した。消費税の影響を除いた指数は前年比+0.1%だった。11月については、原油価
格の下落によって前月比マイナスとなる見込みだが、円安進行の影響で前年比では
2%台後半の上昇率になるとみられる。

○(米)11月小売売上高- 11日(木)午後10時30分発表
・予想は、前月比+0.3%
 参考となる10月実績は前月比+0.3%で市場予想を上回った。ガソリンの売上高は減
少したが、個人消費はまずまず順調。11月については、ガソリン価格の低下で大幅な
増加は期待できないが、消費は堅調さを保っており、市場予想は妥当な水準か。

○(米)12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値- 12日(金)午後11時55分発表
・予想は、89.5
 労働市場の改善が続いていることは好材料だが、賃金の上昇は抑制されており、指
数の大幅な上昇は期待できない。ただし、ガソリン価格の低下はプラス材料であり、
12月速報値は11月実績を上回る可能性がある。

主な発表予定は、8日(月):(米)11月労働市場情勢指数、9日(火):(米)10月
JOLT求人、11日(木):(日)10月機械受注、(米)10月企業在庫、12日(金):
(米)11月生産者物価指数

[予想レンジ]
・117円00銭-122円00銭


[ユーロ]
「原油価格とターゲット長期資金供給オペに要注目」
 来週のユーロ・ドルは、原油価格が続落した場合、ユーロ圏のディスインフレ懸念
が高まること、ターゲット長期資金供給オペ(LTRO)が予想を下回った場合、欧州中
央銀行(ECB)による量的緩和の可能性が高まることで軟調推移が予想される。

 来週のユーロ・円は、衆議院選挙での与党圧勝観測、原油価格の下落基調を受けて
強含みに推移すると予想されるものの、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測、ウ
クライナ緊迫化への警戒感から上値は限定的か。

・予想レンジ:ユーロ・円145円00銭-150円00銭/ユーロ・ドル1.2100ドル-1.2600ド


・主な発表予定は、8日(月):(ユーロ圏)12月センティックス投資家信頼感、12
日(金):(ユーロ圏)10月鉱工業生産


[英ポンド]
「英国の景況感指標と原油価格に要注目か」
 来週のポンド・円は、英国の景況感改善観測、商品貿易赤字の減少観測などから強
含みに推移すると予想される。衆議院選挙での与党圧勝観測や年金積立金管理運用独
立行政法人(GPIF)によるポンド建て資産投資増額期待もポンド買い・円売り要因とな
る。
○発表予定の主要経済指標・注目イベント
・9日:10月鉱工業生産 (予想:+0.3%、10月:+0.6%)
・10日:10月商品貿易収支(予想:-94.3億ポンド、9月-98.21億ポンド)
・予想レンジ: 185円00銭-190円00銭


[豪ドル]
「11月雇用情勢悪化懸念で弱含みか」
 来週の豪ドル・円は、11月の失業率が6.3%と予想されており10月の6.2%から悪化
が見込まれていること、雇用者数も+15000人で10月の+24100人から減少が見込まれて
いるで弱含みに推移すると予想される。しかし、衆議院選挙での与党圧勝の可能性、
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による豪ドル建て資産投資増額期待から下値
は限定的か。
○発表予定の豪主要経済指標・注目イベント
・9日:11月企業信頼感(NAB)(10月:4)
・11日:11月失業率(予想:6.3%、10月:6.2%)
・予想レンジ:98円00銭-103円00銭


[NZドル]
「NZ準備銀行の金融政策決定会合に要注目」
 来週のNZドル・円は、NZ準備銀行金融政策決定会合に注目する展開となる。商品価
格の低迷を受けて政策金利(3.50%)の据え置きが予想されている。衆議院選挙で与党
圧勝が予想されていること、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によるNZドル建
て資産投資増額観測を受けて下値は限定的か。
○発表予定のNZ主要経済指標・注目イベント
・11日:NZ準備銀行金融政策決定会合(政策金利:3.50%)
・予想レンジ:91円00銭-96円00銭


[カナダドル]
「原油価格とカナダの景況感に要注目」
 来週のカナダドル・円は、カナダの住宅着工件数や設備稼働率、そして下落基調に
ある原油価格の動向に注目する展開となる。ポロズ・カナダ中央銀行総裁は、原油価
格の下落により、カナダの成長率鈍化、ディスインフレ懸念を警戒している。しか
し、日本銀行とカナダ中央銀行の金融政策の乖離、年金積立金管理運用独立行政法人
(GPIF)によるカナダ建て資産投資増額を受けて下値は限定的か。
○発表予定の加主要経済指標・注目イベント
・8日:11月住宅着工件数(予想:20.05万件、10月:18.36万件)
・11日:7-9月期設備稼働率(4-6月期:82.7%)
・予想レンジ:102円00銭-107円00銭


[スイスフラン]
「もみあいか、投機的なスイスフラン売り拡大の可能性低い」
 来週のスイスフラン・円はもみあいか。投機的なスイスフラン売りが広がる状況で
はないこと、米ドル高・円安の基調は当面変わらないものと予想されている。スイス
中央銀行はスイスフラン高を阻止する方針を堅持しているが、具体的なスイスフラン
売り材料が提供されない場合、スイスフランの対円レートは下げ渋る見込み。
○発表予定の加主要経済指標・注目イベント
・8日:11月消費者物価指数(前年比予想:0.0%、10月:0.0%)
・9日:11月失業率(予想:3.2%、10月:3.2%)
・予想レンジ:121円00銭-125円00銭