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エーザイ(株)【4523】の掲示板 2020/11/27〜2021/01/10

あけましておめでとうございます。
今年も、よろしくお願いいたします。

アルツハイマー病を含めた認知症の診療は、現在、
神経内科及び精神科のまったく特性が異なる
グループの医師が取り組んでおります。

治療の対象症状でおおまかに区別すれば、
神経内科は記憶を中心とした認知の障害について、
一方、精神科は情動障害など周辺症状です。
福祉や介護についても気配りします。

神経内科医は中枢神経系の難病をもともと診療しており、
治療よりも「精緻な診断」をもっとも得意としていました。
確定診断がついたら、それで診療はすべて終わりの場面もありました。
治療法がなかったからが、その理由でもあります。
「診断医」と陰で呼ばれていた時期もあります。

かたや精神科医は診断はあいまいでも、
興奮などの精神症状をなんとかして抑えようと、
やっきになっておりました。
ノーベル賞を受けた脳の一部を切り取る
「ロボトミー」を行なっていた不幸な時期や
拘束・収容するだけの時代さえありました。
日本医師会長が精神科病院のオーナーを
「牧畜業者」と見下していた頃です。

さて、今回のFDAの諮問委員会で、
神経学者は治療効果について細かいところまで
厳格に問い詰めていました。
専門に基づいての、独特な姿勢や性分です。
論理的に筋が通らないと認めない、
まさに学者です。

もし精神医学者であれば、多少不都合があっても、
有効性があれば臨床で使いたいと語っていたでしょう。

神経学者の医学についての真摯な姿勢を
理解していただくと諮問委員会での、
厳しい見解がでた理由の一部が
分っていただけたと思います。

しかし、臨床医学は
机の上の学問ではありません。
患者のQOLをも含めて、
生活を支える必要があるのです。