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(株)野村総合研究所【4307】の掲示板 〜2015/04/15

 「日本で取った赤サンゴだ。8500元(約16万円)でどうだ」。目の前に広大な東シナ海が広がる寧徳市霞浦(かほ)県三沙鎮(さんさちん)の漁港。中年の密売人の男は、カバンの底から小さなビニール袋に入った赤サンゴの宝飾品を大事そうに取り出した。

 男はある店先にいた。「赤サンゴを売っているところを知らないか」と声をかけると、最初は「知らない。この辺には売っているところはない」と目をそらしたが、私服の公安関係者ではないと分かると安心したように交渉を始めた。深紅の高級品と比べると色が薄く、値段も安いが、紛れもなく赤サンゴだ。上海などからも業者が買い付けにくるという。

 この密売人や地元漁民によると、昨年の終わりごろ、地元の船主が日本近海で取った大量の赤サンゴを2億1000万元(約39億円)で売り抜けたとの話が広がり、この港から沖縄県や小笠原諸島周辺にまで密漁に出る船が急増した。霞浦近辺の漁港には約1000隻の漁船があり、現在は約3分の2の600隻近くが出漁。一部が日本に赤サンゴを取りに行ったまま1〜2カ月戻っていないという。密売人は「日本への密漁は燃料費もかかるので多額の投資が必要。密漁団はみんなで1人数十万元(数百万円)を出し合うが、成功すれば見返りは大きい」と話した。

毎日新聞から