ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

バリューコマース(株)【2491】の掲示板 〜2015/04/08




陽光都市開発、中国事業が本格スタートへ
 陽光都市開発<8946.T>は横浜を基盤に、不動産の管理のほか、販売、賃貸、仲介事業などを手掛ける。リーマン・ショック後は業績が悪化したが、12年12月期には黒字化を果たし、その後の回復も順調だ。

 同社業績が回復傾向を示すなかで、同社は事業の多角化を見据え、連結子会社である柏雅酒店管理(上海)有限公司を中心に中国への進出にも取り組んできた。日本で培ったノウハウを生かして、上海市のサービスアパートメントの管理受託獲得を目指した営業活動を推進し、今年11月には上海市周浦エリアで周浦印象春城サービスアパートメント1棟の管理受託契約を締結した。

 同アパートメントの立地は15年開業予定の上海ディズニーランドから約5キロメートル圏内にある。全220戸あり、法人向けを中心に需要は大きいとみられ、同社業績の底上げに貢献すると期待される。会社側は「次の候補として、中国最大の物流基地である義烏エリアにおいて、ホテルとサービスアパートメントを併設した物件(584戸)の管理受託獲得を推進している。すでに契約のめどは立っており、今後も管理物件数を着実に増やしていきたい」(小坂竜義常務)としている。

 また、賃貸管理事業だけでなく、中国におけるワンルーム賃貸事業への参画も計画中だ。現在未使用の物件を借り上げ、ワンルームの形態へ内装・外装を施し、若年層向けに賃貸を行う事業で、日本国内で長く培ってきたワンルーム事業・賃貸事業のノウハウを生かすことで他社との差別化を図る。将来的には同社の重要な収益源の一つとなるような事業への成長を目指す。

 中国では不動産開発が進展中で、高層ビルの建設も依然として活発だ。これからも不動産の管理需要はますます増加する見通しにあり、同社の活躍余地も広がっていくだろう。ただ、同社の本拠地はあくまでも日本であり、日本国内における不動産の管理をはじめとした主力国内事業の拡大、さらには新たな不動産開発・販売事業の展開を視野に入れた新規事業も計画中であり、今後、中国事業における利益の積み増しと、日本国内の新規事業における収益が見込まれる。将来的に、中国事業の全体の業績に対する比率は利益ベースで30%程度がめどになりそうだ。

 一方、同社は11月10日に14年12月期の第3四半期累計(1-9月)連結決算を発表、売上高18億9800万円(前年同期比2.4倍)、営業利益1億5300万円(同73.8%増)となった。不動産の管理、販売、賃貸、仲介など各事業が順調。それに加えて、不動産ファンド事業の一環として子会社が保有、運用してきた函館市のビジネスホテルの売却が完了した。

 同ホテル売却の効果は大きく、通期の業績予想は売上高21億4000万円(前期比2.0倍)、営業利益1億5300万円(同45.4%増)で、営業利益は第3四半期累計決算と同じ数字を見込んでいる。ただ、同ホテル売却で借入金の返済が終了し、有利子負債が大幅に圧縮されるとともに、今後はこれまで以上に資金繰りの安定化が見込める。

 また、来期以降の回復、成長に向けて、新しい試みにも取り組んでいる。その一つとして今年10月には、まちこえ(非上場)が提供するASPサービス「物件サロン」を活用した入居者コミュニティーサービス「グリフィン・サロン」を、単身者向けマンション「グリフィン」シリーズ全棟を中心とした、同社が賃貸管理する100棟約3700世帯へ導入した。

 「グリフィン・サロン」は従来のコミュニティーサービス(地域情報の共有、賃料ポイント&ログインポイント、設備マニュアルの提供、フリーマーケットなど)に加えて、バリューコマース<2491.T>が運営する「バリューポイントクラブ」と提携し、各種キャッシュバック特典を入居者にプレゼントしている。このように、同社はCRM(顧客関係管理)強化を図り、今後もよりよいサービス提供に努める構えだ。

 業績回復とともに、同社株も回復傾向となっており、当面の株価は着実な回復トレンドが期待されよう。

提供:モーニングスター社