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アメリカ ドル / 日本 円【usdjpy】の掲示板 2022/05/20

>>661

米国債などの保有資産を減らす量的引き締め(QT)が6月の開始を前に、長期債の売りにつながっている面はある。米JPモルガンはQTが10年債の実質利回りを0.9%押し上げる効果があると分析する。ただしストラテジストのニコラオス・パニガーゾグロー氏が「年初来の金利上昇幅とおおむね一致する」と指摘するように、すでにかなりの部分を織り込んだ可能性はある。

QTの影響を踏まえても、一方通行ぎみの米債券市場は「どこまで金融を引き締めればインフレを制圧できるのか」に自信が持てない表れといえそうだ。長期金利は金融緩和下でマイナス圏にあった実質金利がプラス圏に転じて急伸しているのに、インフレ予想はあまり鎮まらず、名目金利の上昇に歯止めがかからない。

金利上昇を受けて米株価が不安定になっているのも「利上げをしすぎると景気後退に陥る」「利上げが足りないとインフレを制御できない」という、どちらに転んでも不都合な状況を意識するからだ。

FRBは米景気の強さを理由に「景気後退なきインフレ退治」は可能と唱えるが、景気が強いほど大幅な利上げが必要になり、景気後退のリスクは高まる。中立金利が上向かない限り「上限」超えの金利上昇も長続きしない。インフレのピークと利上げの到達点がおぼろげにみえ始めれば、長期金利は中立ゾーンへと回帰し始めるだろう。そのとき、景気後退が目前に迫っている可能性は否定できない。