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アメリカ ドル / 日本 円【usdjpy】の掲示板 2015/09/30

ドル円相場の見通し 限界が見えてきた?

 ドル円相場は、9月、動意なく推移した。従前の「2015年が円安の最後の年であり、2016年には円高へ折り返す」といったメインシナリオの大枠は据え置きたい。FRBは9月利上げを見送ったものの、「正常化の虜」となっている状況は変わらず、年内1回の利上げに向けてファイティングポーズを崩すには至っていない。斯かる状況を捉えた本邦からの対外証券投資も依然旺盛であり、これが円売り超過の基礎的需給環境を支えるだろう。ここにきて投機筋の円ショートポジションが中立化していることも目先の円安を予感させる。だが、購買力平価(PPP)や実質為替相場等の物価測度に照らした場合、もはや円安が限界にきていることは明白である。今後日本のインフレ率が加速でもしない限り、正当化が困難な状況だが、円安発輸入物価経由の実質所得環境の悪化に対し政策当局でも問題意識は強いと推測される。安易な追加緩和で円安を焚き付けることも叶わないのが実情だろう。FRBにしても、利上げ見送りの理由を海外経済に求めてしまった以上、完全に他力本願であり、年内利上げ断念となる可能性もある。そうなった場合、円高・ドル安への折り返しは来年を待たずに始まるというリスクシナリオも有り得る。現状を踏まえる限り、メインシナリオとリスクシナリオの距離はさほど大きいものではない。

中期為替相場見通し
ドル円
2015年
 10-12月期 115-125(四半期末の予想レベル122円)
2016年
 1-3月期 115-125(四半期末の予想レベル121円)
 4-6月期 114-124(四半期末の予想レベル120円)
 7-9月期 113-123(四半期末の予想レベル118円)
 10-12月期 112-122(四半期末の予想レベル116円)

※「市場の目・まとめ」は、単発で配信されている市場の目(記名入り)をまとめたものです。短期のみならず、中期・長期見通しにも役立つ為替・経済に関する見解も多数入っておりますので、今後の取引にお役立てください。なお、各コメントの内容はインタビュー時までの市場の動き・情報をもとに述べられた見解です。