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金の世界需要1〜3月5%減 ETF流出超、個人投資は増加
2024/05/01 02:00 日経速報ニュース 780文字

 国際調査機関ワールドゴールド・カウンシル(WGC)が4月30日発表した1〜3月の世界の金需要は1101.8トンだった。前年同期より5%少なく、3四半期連続で前年同期を下回った。高水準の米長期金利を背景に、金利を生まない金の上場投資信託(ETF)から資金が流出した。

 減少が目立ったのは投資向けで、198.6トンと28%減った。特にETF向けが落ち込み、裏付けとなる金は113.7トンの流出超過だった。米長期金利が高い局面が続き、8四半期連続の流出超過となった。
 一方で個人の金投資は伸びた。個人などが保有する地金やコインは3%増の312.3トンだった。中国は68%増、インドは19%増と、通貨安が進むアジアの国々で保有が増えた。
 中央銀行の保有も続く。中国などがドル離れを背景に「無国籍通貨」の金を外貨準備として買っている。各国中銀や国際通貨基金(IMF)などの純購入量(購入量から売却量を差し引いた値)は1%増の289.7トン。第1四半期として過去最大だった。
 産業需要は10%増の78.6トンだった。人工知能(AI)を搭載したパソコンやスマートフォンの素材として需要が伸びている。宝飾品の需要は479.0トンと2%減った。ただ1〜3月の金平均価格は前年同期比で10%高く、金額ベースの需要は増えた。
 供給は前年同期比3%増の1238.3トン。カナダやガーナなどの鉱山が増産し、鉱山生産量は4%増の893.0トンだった。リサイクルの金も350.8トンと12%増えた。
 森田アソシエイツの森田隆大氏は金需要の減少について「米金利高・ドル高が続く中で、欧米の機関投資家にとって保有妙味が薄れて売りが進んだのではないか」と指摘する。一方で「金が騰勢を強める中でも宝飾品などの需要が大きく落ち込んでおらず、インフレや景気不安を背景に個人の買い意欲が強い」とみる。

バベルの塔 金の世界需要1〜3月5%減 ETF流出超、個人投資は増加 2024/05/01 02:00  日経速報ニュース    780文字    国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が4月30日発表した1〜3月の世界の金需要は1101.8トンだった。前年同期より5%少なく、3四半期連続で前年同期を下回った。高水準の米長期金利を背景に、金利を生まない金の上場投資信託(ETF)から資金が流出した。   減少が目立ったのは投資向けで、198.6トンと28%減った。特にETF向けが落ち込み、裏付けとなる金は113.7トンの流出超過だった。米長期金利が高い局面が続き、8四半期連続の流出超過となった。  一方で個人の金投資は伸びた。個人などが保有する地金やコインは3%増の312.3トンだった。中国は68%増、インドは19%増と、通貨安が進むアジアの国々で保有が増えた。  中央銀行の保有も続く。中国などがドル離れを背景に「無国籍通貨」の金を外貨準備として買っている。各国中銀や国際通貨基金(IMF)などの純購入量(購入量から売却量を差し引いた値)は1%増の289.7トン。第1四半期として過去最大だった。  産業需要は10%増の78.6トンだった。人工知能(AI)を搭載したパソコンやスマートフォンの素材として需要が伸びている。宝飾品の需要は479.0トンと2%減った。ただ1〜3月の金平均価格は前年同期比で10%高く、金額ベースの需要は増えた。  供給は前年同期比3%増の1238.3トン。カナダやガーナなどの鉱山が増産し、鉱山生産量は4%増の893.0トンだった。リサイクルの金も350.8トンと12%増えた。  森田アソシエイツの森田隆大氏は金需要の減少について「米金利高・ドル高が続く中で、欧米の機関投資家にとって保有妙味が薄れて売りが進んだのではないか」と指摘する。一方で「金が騰勢を強める中でも宝飾品などの需要が大きく落ち込んでおらず、インフレや景気不安を背景に個人の買い意欲が強い」とみる。