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  • 2022/01/28 14:32
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当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。

  • ウォーレン・バフェットが明かす|優れたリーダーを見出す唯一のポイント
    1/28(金) 12:51配信
    ライフハッカー[日本版]

    バークシャー・ハサウェイの会長兼CEOであるウォーレン・バフェットは、優れたリーダーを求める企業に向けて、採用に関する賢明なアドバイスを贈っています。

    バフェットのアドバイスなら、さぞかし常識的な内容だろうと思われるかもしれません。つまりこの場合、トップリーダーを採用するうえで絶対に譲れないような条件を挙げるのだろうと。

    しかし実際には、当たり前のアドバイスでないことも多いのです。彼は、こう語っています。

    我々が人を雇うときには、次の3つのポイントを見ます。知性、自発性やエネルギー、そして誠実さです。

    もしその人にいちばん最後の誠実さが欠けていたら、最初のふたつはかえって害になるでしょう。

    誠実さに欠けた人は、愚かで怠け者でいてくれたほうがましだからです。

    なぜ誠実さが必要なのか?
    まず、みなさんに率直にお尋ねします。採用にあたって、あなたは誠実さを条件にしますか? ぜひ条件にすべきです。

    その人の性格というものは、面接では見落とされがちです。けれども後々、ビジネスの重要な意思決定が下される場面で、それが大きな代償につながることがあるからです。

    誠実なリーダーは、真実を求めようとします。基本的に、そのような人は行動に正直さがあり、変化を進んで受け入れ、不正を拒み、本物の成果を上げます。

    また、そのような人は言行が一致しています。誠実なリーダーは、自身が誓ったことを最後までやり遂げ、約束を実行します。

    もちろん、間違いや失敗をおかすこともあります(リーダーも人間です)が、それでも彼らは、他からの影響を受けない高いレベルで責任を果たします。

    誠実なリーダーは、自身の最高の姿、最も嘘や偽りのない姿を示します。難しい相手や状況に対しても、どこまでも本心からの正直さと率直さで向き合います。

    ここまでは、誠実さという長所を、自社のリーダーシップ文化を形成するための採用条件にすべき理由を挙げてきました。ここからは、誠実さがビジネスにもたらす3つのメリットを取り上げます。

    1. 信頼を構築する
    マイクロマネジメント(過干渉)に陥っている会社の多くが、社内に不安と不信の空気を作り出しています。

    一方、リーダーが誠実さを体現し、模範を示してチームを率いる企業文化では、従業員は信頼に値する存在です。

    自分たちの行動について心配する必要はまずありません。こうした文化は、価値観の合う企業やブランドを探している人たちの目には、とても魅力的に映ります。

    2. お金と時間の節約になる
    不信感が支配する環境は、あまりにも多くのプロセスやシステム、ポリシーに縛られています。誠実なリーダーは、不信感という障害物を取り除くことに力を注ぎます。

    その結果、会社が変化に対応・適応するスピードが上がります。要するに、誠実さはコストを下げ、業績によい効果をもたらすのです。

    3. 競争力を高める
    誠実さはほかにも、目に見える財務上のメリットをもたらします。

    たとえば、「誠実なビジネスに、たゆまず取り組む」企業を認定するEthisphereの「2021年版:世界で最も倫理的な企業」(2021 World's Most Ethical Companies)に選ばれた企業のパフォーマンスは、大型株企業の同様の指数を過去5年間で7.1パーセントポイント上回りました。

    リーダーが持つ誠実さは、大きな見返りを会社にもたらします。しかし、それを発揮するのは必ずしも簡単ではありません。

    大きな意味でリーダーは、直接的な利害関係者に伝える内容と、自身が掲げる目標・目的とが、常に一致していなければなりません。

    そしてもちろん組織人として、誰も見ていないところでも、常に正直な行動を取らなければならないのです。

    ウォーレン・バフェットの「仕事と人生を豊かにする8つの哲学」 資産10兆円の投資家は世界をどう見ているのか

  • 11歳のバフェット少年が理解していた「複利」の絶大な効果
    1/18(火) 6:01配信
    ダイヤモンド・オンライン

     「投資の神様」「オマハの賢人」と呼ばれ、投資だけで個人資産10兆8000億円を築いたウォーレン・バフェット。バフェットの強さの秘密は何か。その謎を解く1冊の本がある。バフェット研究の第一人者ロバート・G・ハグストロームが、投資で成功するために必要な哲学と思考を解き明かした『バフェットのマネーマインド』(小野一郎訳)だ。今回、日本版の刊行を記念して、少年時代のバフェットの投資にまつわるエピソードを紹介しよう。

    ● すべてはここから! バフェット伝説の始まり

     偉業を成し遂げた人々には伝説がつくり上げられる。注意して見れば、若い頃すでに大成功するヒントがあったのではないかと、人はさまざまな逸話に大喜びする。

     世界で最も偉大な投資家ウォーレン・バフェットにも有名な逸話がたくさんある。おそらく皆さんはそのほとんどをご存じだろう。

     6歳のバフェットがどんな準備をして歩道にテーブルを出し、キャンディやガム、ソーダを売ったか。祖父が経営する雑貨店でコカ・コーラの6本パックを25セントで購入し、1本5セントで販売して20%の利益を得て、その翌年には、サンタクロースに債券についての本をお願いしたこと。

     また、その翌年には、もっと知りたくなって株式市場に関する父親の持っていた本を読むようになったこと。11歳になると、自分で初めて株式を購入し、17歳のときには25ドルでピンボールマシンを友達と一緒に購入し、近所の散髪屋に置いてもらったこと。それで得た収入でマシン2台を追加購入し、1年後にはそのビジネスを1200ドルで売却したこと。

     しかし、あなたが知らないかもしれない話がもう一つある。そしてその話はほかのどの話よりもおもしろいと思う。

    ● バフェット少年の人生を変えた 1冊の書籍との出会い

     1941年に11歳だったバフェットは、オマハ公立図書館のベンソン支所で銀色の表紙がひどく目立つ本と出合った。

     『1000ドルを手に入れる1000の方法――事業を立ち上げて空いた時間にお金を稼ぐための実体験に基づく実践的アドバイス』と題するその本は、F・C・ミネイカーが1936年にダートネル社から出したものだった。当時の世相を反映して、女性であることを隠すためにフランセス・メアリー・コーワン・ミネイカーは著者名にイニシャルを使った。

     バフェットは、1940年代にネブラスカ州オマハに住んでいた少年である。テレビもビデオゲームもなかった。パソコンもスマホも、もちろんない。ただ、ラジオはあったし、土曜日の午後にはたまにダウンタウンで映画を見ることもあった。しかし、バフェットを含む多くの人々の楽しみは新聞や雑誌、本などを読むことだった。

     バフェット少年が見つけ出した宝物をしっかり抱えて図書館から家へまっしぐらに駆け戻る姿を想像してほしい。家に飛び込むと椅子にドスンと座り、本を開いて新しい世界に飛び込む。どうやってお金を稼ぐかという、まだ完全には理解していない重要な世界だ。

     この本は408ページの分厚い本だ。幅広いテーマを取り扱っている。事業を起こす何百もの具体的なアドバイスに加えて、営業や広告、販売計画、顧客管理、そのほかの多くのテーマについて明確な指導が盛り込まれていた。よいアイデアをよいビジネスにし、中には大成功を収めた多くの人々の物語が溢れた本だった。

     皆さんにもなじみのある名前が登場する。

     ジェームズ・C・ペニーが最初の仕事で稼いだのはひと月でわずか2ドル27セントだった。ペニーは自分の小さな事業を二人のパートナーとの共同事業にして、1902年4月14日にJ・C・ペニーの1号店をオープンした。最初の年の売り上げは2万8891ドルに上り、利益のうちペニーの取り分は1000ドルを少し超えた。

     バフェットはページをめくって、23歳のジョン・ワナメーカーの話に進む。彼は義理の兄弟であるネイサン・ブラウンを説得し、二人のわずかな蓄えを合わせて地元フィラデルフィアに紳士服店を開いた。南北戦争が予感される一方で1857年の恐慌の名残もあり、大量の失業者が溢れ、製造販売活動は完全に破綻していた。彼らは果敢にも1861年4月27日に店を開いた。8年を経て、ワナメーカー・アンド・ブラウンは全米で最大のメンズショップになった。

     楽しい空想は膨らみ、バフェットはどんどん読み進めた。

     153ページを読んだときには、とても喜んだに違いない。第6章のテーマは道路沿いで行うビジネス。この若い起業家が5年以上前から取り組んでいるビジネスだ。

     第10章はサービス事業について多くのアイデアが満載だったが、その中に酒場などの店先に設置したコインを投入して動かすビリヤード台があった。今から振り返れば、この話はバフェットが6年後に始めることになるピンボールマシンの事業に直結していたように思える。

    ● 成功の秘訣は 利益を使ってさらなる利益を生み出すこと

     このサービス事業に関する第10章には、バフェットの考え方に強い影響を与えたと思われる話がある。

     1933年にハリー・ラーソンという人がドラッグストアで買い物をしていると、誰かが彼の体重を尋ねた。彼はコインを投入する体重計を見つけて小銭を入れ、体重を測ってから葉巻のカウンターに向かった。彼が並んでいる間に彼のほかに7人が体重計を使った。これに気づいたハリーが店主に尋ねると、体重計はリースしたもので、売り上げの25%(月に20ドル程度、現在の価値だと384ドル相当)を店が受け取り、残りの75%は体重計の所有者にいくと言う。

     それがすべての始まりだったとハリーはミネイカーに話した。彼は蓄えていた175ドルで体重計を3台購入し、すぐに毎月98ドルを稼ぐようになった。「投資リターンとしては悪くなかったよ」

     しかし、バフェットの好奇心を刺激したのはハリーが次に取った行動だった。

     「私は全部で70台の体重計を買ったのだが、そのうち67台は最初の3台が生み出した利益で購入したものだ。生活の糧の元手となる体重計を買うのに十分なお金を稼いだうえで、いい暮らしをもたらしてくれた」

     コツコツ貯めることは、複利計算の本質といえる。

     複利というと、利息について考えてしまうものだ。アルバート・アインシュタインの有名な言葉をご存じだろう。「複利で計算する利息は世界の8番目の不思議だ。理解した人はそれを手にし、理解しない人はそれを支払う」。しかし、複利の考え方は根本的にはより広く強力な意味を持っている。つまり、利益を使っていっそうの利益を生み出すということだ。

     ハリー・ラーソンは本能的にそれを理解していた。そして、若いバフェットも同じことを感じたのだ。

     ずっとあとになって、バフェットはコイン式体重計を例にとって彼の考え方を説明したことがある。

     「体重計は理解しやすいでしょう。まず1台購入し、それが稼いだ利益で追加購入します。短い期間で20台くらいは持てます。多くの人が1日に何度も体重を測るようになります。ここにお金を稼ぐチャンスがあります。利益を使ってさらに利益を生み出す。この複利的な増やし方よりよいものがあるでしょうか」

     このメンタルなモデルこそが、のちにバークシャー・ハザウェイとして結実することになる枠組みを形づくったものなのだ。

    ロバート・G・ハグストローム

  • >>4

    ■チャンスが巡ってきたときだけ行動する

     バフェットのやり方はこうです。紙と鉛筆を用意して、自分が理解できる企業の名前を紙に書き、それを取り囲むように輪を描きます。次にその輪の中から価値に比べて価格が割高なもの、経営陣がダメなもの、事業環境が芳しくないものを選び、輪の外に出します。そして最後に輪の中に残ったものが投資対象となります。

     では、もし輪の中に1社もないとすればどうするのでしょうか。

     「自分の能力の輪の中にめぼしいものがないからといって、むやみに輪を広げることはしません。じっと待ちます」(『ウォーレン・バフェット 自分を信じるものが勝つ! 』)

     「チャンスが巡ってきた時だけ、行動する」というのがバフェットの考え方です。大好きな野球を例にこう話しています。

     「投資の世界には、見送りの三振がありません。投資家は、バットを持ってバッターボックスに立ちます。すると、市場という名のピッチャーがボールをど真ん中に投げ込んできます。たとえば、『ゼネラル・モーターズ株を47ドルでどうだ』という感じで投げてくるのです。もし47ドルで買う決心がつかなければ、バッターはそのチャンスを見送ります。野球であれば、ここで審判が『ストライク! 』と言いますが、投資の世界では誰も何も言いません。投資家がストライクをとられるのは、空振りしたときだけなのです」(『ウォーレン・バフェット 自分を信じるものが勝つ! 』)。

     投資家は傍から見てどんな絶好球であっても、気に食わなければバットを振る必要はありません。自分の得意な球、好きな球が来るまでいつまでも待てばいいのです。

    ■他の投資家やウォール街の見解にとらわれない

     さらには野手(他の投資家やウォール街など)が眠ってしまったのを見計らってから球を打つこともできるとバフェットはいっています。

     バフェットはチャンスが豊富にあるとは思えなくなったからこそパートナーシップを解散しましたが、やがてウォール街が「見通しがはっきりするまで、株の購入は見合わせた方がいい」と言い始めると、猛然と買い始めています。そこにはバフェットにとっての絶好球がたくさん存在していたのです。

     バフェットはどんな業種であれ、一般にいわれることを鵜呑みにせず、自分の頭で納得いくまで考えます。手に入るものをすべて読み、調べ、考えます。そうやって出来上がったのがバフェットの「能力の輪」です。

     「私は天才ではない。ある分野では高い能力を持ってはいるが、その分野以外には手を出さないのだ」(『バフェットからの手紙 第5版』ローレンス・A・カニンガム、パンローリング株式会社)はIBMの創業者トーマス・ワトソンの言葉ですが、バフェットも自分が理解できるものを守り続け、能力の輪によって自分が何をするかを決めることで世界一の投資家となったのです。

    ■世界的な「金余り」の中で問われる信念

     しかし、そんなバフェットもコロナ禍の影響を完全に避けることはできませんでした。

     バークシャー・ハザウェイの決算自体は黒字に転じていますが、こと運用に関してはバフェットがかねがね公言していた「エレファント級の買収」はなかなか実現していません。2020年には米ドミニオン・エナジーから天然ガス輸送・貯蔵事業を買収しましたが、それ以外では目立った案件はなく、過去最大規模となった余剰資金は自社株買いに回っています。

     なぜ大型の買収が難しいかというと、世界的な金余りの影響を受けて投資ファンドとの競合が激化していること、また買収価格が吊り上がっていることですが、こんな時に豊富な資金にものをいわせて高値でも買うというのはやはりバフェットの流儀に反することなのでしょう。

     バフェットのやり方は価格と価値の差をしっかり見極めるものですし、「投資の世界には見送り三振がない」というように自らのストライクゾーンからはずれていても、「買収をしなければ」と無理にバットを振ることはしません。

     しかし、一方では有り余る資金をどうするのかという課題もあり、株主の要求もあってバフェットにとっても今は正念場といえるかもしれません。コロナ禍は、バフェットが変わらず原理原則に忠実であり続けるかどうかを問いかけているのかもしれません。

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    桑原 晃弥(くわばら・てるや)

  • 「高いIQも幅広い専門知識も役に立たない」10兆円投資家バフェットがそう言い切るワケ
    1/24(月) 11:26配信
    プレジデントオンライン

    一流のファンドマネジャーは高い知能と幅広い知識を持っているとされる。ところが10兆円の資産を築いた投資家ウォーレン・バフェット氏は「投資というゲームでは、知能指数160の人間が130の人間に必ず勝つとは言えない」と述べている。その理由とは――。

     ※本稿は、桑原晃弥『ウォーレン・バフェットの「仕事と人生を豊かにする8つの哲学」』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

    ■「能力の輪」という投資行動の指針

     バフェットの投資に関する考え方を特徴づけるものの一つに「能力の輪」という考え方があります。

     ある時、バークシャー・ハザウェイの株主総会に出席したサンフランシスコの投資家が、次のような噂についてバフェットに質問したことがあります。その噂というのは、バフェットが中国の国営石油会社ペトロチャイナの年次報告書を読み、極端に過小評価されていると判断するとすぐに同社の株式の1.3%を4億8800万ドルで取得、多大な利益を上げたというものです。

     サンフランシスコの投資家は、会社を訪問したり、経営陣に電話をかけるといったこともせずに、なぜそんな大金を投じることができるのかが疑問でした。そこで、株主であれば誰もがバフェットに質問ができて、時間の制限なしにバフェットが答えてくれる株主総会に参加した折、本人に「なぜ年次報告書だけをもとに、投資できるのですか?」と質問をしたのです。

     バフェットの答えはこうでした。「2002年と2003年に、年次報告書を読みました。誰にも相談はしていません。私がしたのは、ペトロチャイナの複数の事業の査定です」(『バフェットの株主総会』)

     バフェットはエクソンや他の石油会社の案件でたくさんのことを経験し、豊富な知識を持っていました。そんなバフェットから見ればペトロチャイナの「価値」がいくらかを知ることは簡単なことであり、その次に「価格」を見て、「これは過小評価されている」となれば、会社を訪問することも、バフェットなら可能な経営陣と話すこともなしに「投資する」という判断は瞬時にできることだったのです。

     これがバフェットのいう「能力の輪」です。

    ■IT企業への投資を長年避けてきたバフェット

     自分にとって詳しい分野があり、その業界の企業について正しい判断ができる能力があればその能力の輪の中で投資を行う。一方、自分がよくわからない分野については、いくら株価が魅力的であろうが、人気の銘柄であろうが、安易に手を出してはいけない。それが、バフェットのいう「能力の輪の中で」という意味です。

     今でこそバークシャー・ハザウェイの保有銘柄の1位にはアップルが君臨していますが、バフェットは「能力の輪の外にある」として長くIT企業への投資を避けてきました。そのため周囲から揶揄(やゆ)されることも少なくありませんでしたが、そんなことを気にせずに「能力の輪」にこだわり続けたことが、バフェットに不動の成功をもたらしたともいえます。

    ■理解していないものには決して手を出さない

     投資で成功するためには何が必要なのでしょうか。高いIQか。幅広い専門知識か。

     バフェットの「能力の輪」でいえば、その輪が広ければ広いほどチャンスは広がり、大きな収益を上げることができるのではないかとも思えますが、バフェットはその意見には与しません。「ウォール街では誰もが少なくとも140以上のIQ(知能指数)を持っている」(『ウォーレン・バフェット 華麗なる流儀』ジャネット・タバコリ、東洋経済新報社)とバフェットがいうように、金融の世界、投資の世界に高いIQを持つ人間はいくらでもいます。

     だからといってIQの高さで成果が決まるわけではありません。なぜなら、「投資というゲームでは、知能指数160の人間が130の人間に必ず勝つとは言えない」(『ウォーレン・バフェット 自分を信じるものが勝つ! 』ジャネット・ロウ、ダイヤモンド社)からです。

     では、何によって決まるのでしょうか。バフェットはこう言い切っています。

     「最も重要なのは、自分の能力の輪をどれだけ大きくするかではなく、その輪の境界をどこまで厳密に決められるかです。自分の輪がカバーする範囲を正確に把握していれば、投資は成功します。輪の面積は人の5倍もあるが境界が曖昧だという人よりも、裕福になれると思います」(『ウォーレン・バフェット 自分を信じるものが勝つ! 』)

    ■「80年代のスーパースター」も同意見

     バフェットとよく似た考え方をしているのがピーター・リンチです。リンチは株式投資信託マゼラン・ファンドの運用を担当し、1990年に引退するまでの13年間で同ファンドの資産を2000万ドルから140億ドルへと世界最大規模に育て上げる驚異的なパフォーマンスを発揮。「80年代のスーパースター」「全米ナンバーワンファンドマネジャー」と称えられた投資家ですが、リンチが一般投資家に推奨していたのが「テンバガー(10倍上がる株)を見つけるには、まず自分の家の近くから始める」ことでした。

     リンチによると、一般投資家が株式投資を行うとなると、自分が日ごろからよく知っている企業や普段から利用している企業を選ぶのではなく、あまり聞いたこともない、事業内容も十分に理解できないような企業へと投資したがるといいます。

     毎日、食べているダンキン・ドーナツよりも、証券会社の人間が推奨する、一目見ただけでは何をつくっているのか、どんなサービスを提供しているのかさっぱり理解できないようなテクノロジー企業などに自分の大切なお金を投じたがるというのです。

    ■自分の実感を大切にする

     しかし現実には、知見のない会社を理解するのはとても難しいものです。会社のことが理解できなければ、その会社の将来がどうなるかを理解できるはずもなく、結局は証券会社のいうがままに買ったり売ったりを繰り返し、最終的にはその投資は失敗に終わります。

     では、そんなややこしい会社ではなく、たとえば自分が日ごろから利用しているお店やサービスならどうでしょうか。自分の身近にあるファミリーレストランやコンビニエンスストア、宅配便などであれば、どんな事業をしているかもわかるし、人気があるかどうかも実感できるはずです。

     あるいは、ゲームや鉄道、写真などが趣味の人であれば、そうした分野に関連する企業に関する知識もあるでしょうし、調べるとしてもちっとも苦にはならないはずです。「自分がよく知るものに投資しなさい」がリンチのアドバイスです。

    ■「時代遅れ」と揶揄されても

     バフェットがポリシーとしている「能力の輪」も同じことです。バフェットの投資も「自分が理解できる、よくわかっている分野」に絞り、その外には安易には出ないということを自らの基本にしています。

     そのため、先述したように人気のテクノロジー企業やIT企業に関しては、どんなに市場が過熱しようが決して手を出さず、「時代遅れ」といわれることもありましたが、最終的にはバフェットが正しかったことが証明されています。

     これは「テクノロジー企業やIT企業には手を出すな」という意味ではありません。その分野に詳しく、将来性を正しく評価できるならどんどん投資すればいいのですが、その分野が自分の能力の輪の中にないとしたら安易に手を出してはいけないという意味です。

     投資の世界には基本原則を揺るがすような誘惑や、能力の輪からつい出たくなるほどの魅力的な誘いがたくさんあります。誘惑に負けて誘いに乗るか、それとも決めた原則や能力の輪をしっかりと守ることができるか。どちらを選ぶかで投資の成果が決まるというのがバフェットの考え方です。

     大切なのはIQの高さや、能力の輪の広さではなく、基本的な原則や能力の輪にどれだけ忠実でいられるか――それは、ビジネスの世界での成功のヒントでもあるでしょう。

    ■無理に投資を行うのは流儀に反する

     1969年、バフェットはグレアムの会社を辞め、オマハに戻った時から続けていたパートナーシップを解散することを表明しました。そこに至るまでバフェットのパートナーシップは素晴らしい運用実績を上げ続けていましたが、それ以前の「ゴーゴー時代」を含め、バフェットが関心を示す企業、利用できるチャンスは確実に減っていることをバフェットは感じていました。とはいえ、パートナーシップを運営し続ける限り、投資を行う必要がありますし、みんなが満足する成績を上げ続ける必要もあります。

     しかし、投資のチャンスがなく、優れたアイデアもないにもかかわらず、無理やりに投資を行うのはバフェットの流儀ではありませんでした。

  • バフェットが明かす「大学で教える投資理論では勝てない」理由
    1/21(金) 6:01配信
    ダイヤモンド・オンライン

     「投資の神様」「オマハの賢人」と呼ばれ、投資だけで個人資産10兆8000億円を築いたウォーレン・バフェット。大学で学ぶファイナンス理論では、バフェット流のバリュー投資は否定的に扱われているが、バフェットの投資実績は誰もが認めるところだ。バフェットの強さの秘密は何か。その謎を解く1冊の本がある。バフェット研究の第一人者ロバート・G・ハグストロームが、投資で成功するために必要な哲学と思考を解き明かした『バフェットのマネーマインド』(小野一郎訳)だ。今回、日本版の刊行を記念して、その一部を紹介しよう。

    ● 現代ポートフォリオ理論では よい企業を安く買うことはできない

     1974年に、バークシャー・ハザウェイはワシントン・ポストのクラスB株46万7150株を1062万8000ドルで購入した。

     当時、バークシャーにとって最大の株式投資であった。その年の終わりには、株式市場は大恐慌以来最悪となる残酷な下げ相場の真っただ中で50%近くも下落していた。ワシントン・ポストの株価もほかの銘柄と一緒に下落したが、バフェットは揺るがず冷静だった。

     1975年のバークシャー・ハザウェイの年次報告書の中で、彼は「株式市場の変動は、それが買いの機会になりうることを除けば、私たちにとってあまり重要ではないが、ビジネスのパフォーマンスは重要である。この点について、現在重要な投資を行っているほぼすべての企業の業績に満足している」と述べている。ワシントン・ポストの株式もその中の一つだった。

     1990年、スタンフォード大学ロースクールでの講義で、バフェットは自分の考えをこう述べている。

     「私たちは、1974年に8000万ドルの評価額でワシントン・ポストの株式を購入しました。購入時に、100人のアナリストに価値を尋ねたら、4億ドルの価値があることに誰も異論はなかったでしょう。4億ドルの価値があるにもかかわらず、ベータ理論とモダン・ポートフォリオ・セオリーに基づけば、8000万ドルの評価で買うよりも4000万ドルの評価で買うほうがリスクが高いことになります。なぜなら、ボラティリティが高いからです。これでは、私は彼らに付き合いきれないと思いました」

     モダン・ポートフォリオ・セオリーに対するバフェットの気持ちを完璧に表現した言葉だ。

    ● バフェットが考える 4つのリクスとは?

     バフェットは、株価の下落を、避けるべきものではなく、追加の利益を得るためのチャンスだと考えている。彼の考えでは、企業の本質的価値を見極めたうえで、株価が下がればリスクは減少するのだ。

     「事業のオーナー、つまり私たち株主が立つべきと考える立場で考えれば、学者のリスクの定義は完全に的外れであり、ばかばかしいと言えるほどだ」と述べている。

     バフェットによるリスクの定義は違う。彼にとってリスクとは、けがをする可能性があることだ。そして、それは事業の本質的価値に関係する要素であり、短期的な株価の動きではない。バフェットの考えでは、危害やけがは、投資先の将来の利益を決定する主要な要素を見誤ることで生じる。

     それらの要素をバフェットの言葉で整理するよい機会だ。

     第1に「事業の長期的な経済的特性を評価できる確実性」、第2に「事業の潜在能力を最大限に発揮させ、キャッシュフローを賢明に活用する能力の両方について、経営陣を評価できる確実性」、第3は「経営陣が事業からの報酬を自分ではなく株主に向けてくれると信頼できる確実性」、そして第4は「事業の購入価格」である。

     重要なのは、バフェットがリスクは投資家の時間軸と表裏一体であると説いていることである。

     明日売るつもりで今日株を買えば、それはリスクの高い取引をしたことになると説明する。短期間で株価が上がるか下がるかを予想して当たる確率は、コインをトスした結果を予想する確率と同じで、半分は負ける。しかし、時間軸を数年先まで延ばせば、株が危険な取引である可能性は大幅に減少すると言う。もちろん、最初の段階で賢明な買い物をすることが大前提だ。

     モダン・ポートフォリオ・セオリーのリスク、つまりベータ値の使い方についてせいぜい言えることは、「短期の投資家には適用できるが、長期の投資家には意味がない」という程度だ。

     モダン・ポートフォリオ・セオリーのリスクの定義は、株価が市場の価格のまわりをどれだけ飛び跳ねるかということで、自分の投資ポートフォリオを預金口座のように扱い、ポートフォリオの純資産価値が1ドルを下回るたびにたじろぐような人に関係があるものだ。

    ● 短期的な株価を気にすると、 どうなるか

     しかし、ここで素直な疑問が浮かぶ。投資家の投資目標や目的が長期的なものであるならば、なぜ短期的な動きに反応するのだろうか。

     短期的な価格変動を最小限に抑えることを目的にしてポートフォリオを管理すると、長期的な投資リターンを最適化しないという残念な結果を生むことになるが、これは十分納得感のある議論ができる。そして、さらに問題なのは、短期的な価格の落ち込みにこだわる投資家は、投機的な性癖を身につける可能性が高く、自分のポートフォリオが減少しないように必死になって株を頻繁に売買することである。

     バフェットはいつもの簡潔な表現でこう言っている。

     「投資家が価格の変動を恐れ、誤ってそれをリスクの尺度と捉えてしまうと、皮肉にも非常に危険なことをしてしまうかもしれません」

     ビジネス視点の投資家にとって、リスクを測るもっとよい方法は、安全マージンの大きさであり、それは投資したものの本質的価値に対して割引で支払う金額との差である。株価と事業価値に対する株価の割引率が高いほど、投資家が負うリスクは小さくなる。

     バフェットは、「今朝、コカ・コーラの株式を買って、明日の朝に売ることのリスクを評価しろと言われたら、それは非常にリスクの高い取引だと言うでしょう」と述べている。しかし、1988年に10年間保有するつもりでコカ・コーラを買ったとき、彼の頭の中ではリスクはほとんどなかった。

     同じように、1974年の下げ相場の最中にワシントン・ポストを買ったときも、10年以上保有するつもりだったので、リスクはほとんどないと考えていた。

     モダン・ポートフォリオ・セオリーの学者は、バフェットが1974年にワシントン・ポストを買ったことで、バークシャー・ハザウェイのポートフォリオのリスクを引き上げたと言うだろう。しかし、1985年には、バークシャーがワシントン・ポストに投資した1000万ドルは、20倍の2億ドルの価値を持つに至ったのだ。

     「投資を成功させるのに、ベータ値やモダン・ポートフォリオ・セオリーを理解する必要はありません」とバフェットは言う。むしろ、何も知らないほうがいいかもしれない。

     もちろん、ファイナンスのカリキュラムがこれらの科目で占められる傾向にあるビジネススクールでは、このような見解は一般的ではない。私たちの考えでは、投資を学ぶ学生に必要なのは、「ビジネスの価値をどう評価するか」と「市場価格をどう考えるか」という2つの科目だけである。

     これがマネーマインドの基本である。

    ロバート・G・ハグストローム

  • バフェットはなぜ古典的な「バリュー投資」から脱却できたのか?
    1/26(水) 6:01配信
    ダイヤモンド・オンライン

     「投資の神様」「オマハの賢人」と呼ばれ、投資だけで個人資産10兆8000億円を築いたウォーレン・バフェット。バフェットの強さの秘密は何か。その謎を解く1冊の本がある。ロバート・G・ハグストロームが、投資で成功するために必要な哲学と思考を解き明かした『バフェットのマネーマインド』(小野一郎訳)だ。日本版の刊行を記念して、その一部を紹介しよう。

    ● シーズキャンディーズ買収で バフェットが気づいたこと

     1970年代初頭、バークシャー・ハザウェイはダイバーシファイド・リテイリングという会社を所有していたが、この会社はブルーチップスタンプという会社を所有していた。バフェットのビジネスパートナーとなるチャーリー・マンガーも、自分の投資パートナーシップでこの会社を所有していた。

     この会社のビジネスは、スーパーマーケットやガソリンスタンドにトレーディングスタンプを提供し、お客さんに渡して集めてもらい、あとで商品と交換するというものだった。保険会社にとって請求されない保険のように、使われないままのスタンプは会社にとってのバッファーとして機能し、同社は貯蓄貸付機関や新聞社、西海岸の高級箱入りチョコレートの製造・販売会社であるキャンディー会社「シーズキャンディーズ」の一部株式など、ほかの事業を買収することができた。

     1972年、ブルーチップスタンプは、シーズキャンディーズの全事業を創業者一族から購入することができた。提示された価格は、貸借対照表上の資産1000万ドルを含めて、4000万ドルだった。シーズキャンディーズの有形固定資産は800万ドルだけで、年間の税引前利益は400万ドルだった。

     マンガーは妥当な取引だと思ったが、バフェットは納得していなかった。彼は、提示価格が有形固定資産の3倍上乗せされていて、バリュー投資の始祖ベンジャミン・グレアムなら間違いなく反対する価格だと指摘した。

     バフェットは2500万ドルを提示したが、それでもまだ払いすぎではないかと考えていた。

     あとで振り返れば、払いすぎではなかったことがわかる。実は、シーズキャンディーズはバークシャーの歴史の中で、最も高い経済的リターンをもたらした事業の一つとして名を残すことになると思われるからだ。

     フーサトニック・パートナーズの創業パートナーであり、人気書籍『破天荒な経営者たち』の著者であるウィリアム・ソーンダイクによると、1972年から1999年(バークシャーがシーズキャンディーズの収益をセグメントとして表示した最後の年)までの間に、シーズキャンディーズは32%の内部収益率(IRR)を達成したという。

     「驚くべきことに、このIRRは無借金で達成したものであり、残余価値も含んでいない」とソーンダイクは言う。「購入価格を2倍にして、キャッシュフローや期間などほかのすべての条件を一定にした場合、IRRは21%になる。信じられないことだ」

     2014年のバークシャー・ハザウェイの年次報告書の中で、バフェットはシーズキャンディーズの投資について株主に報告した。

     42年間でシーズキャンディーズは19億ドルの税引前利益をバークシャーにもたらし、そのために追加した設備投資は4000万ドルだけだった。そして、シーズキャンディーズの収益は、その後、再投資に回り、バークシャーはほかの企業を買収して、さらに多くの利益を生み出していった。まるで「ウサギの繁殖」を見ているようだったと、バフェットは言った。

     バフェットがシーズキャンディーズの買収から得た教訓は3つあった。

     第1に、グレアムの株式購入法によれば、シーズキャンディーズは過大評価ではなく、実は大幅に過小評価されていた。

     第2に、シーズキャンディーズの買収を実際に経験して、バフェットは、成長の遅い会社に高い倍率の金額を支払っても、資本を合理的に配分すれば賢い投資になるという洞察を得た。

     最後に、彼の言葉によれば、「強力なブランドの持つ価値について学んだことで、ほかの多くの有益な投資に目を向けることができるようになった」のである。

    ● もはや「バリュー対グロース」といった 対立構造ではない

     バフェットがシーズキャンディーズを購入したとき、彼は、利益、配当、流動資産に比べて価格が低い銘柄だけを購入するというグレアムの厳格なルールから一歩踏み出した。これは今では重要な転換点と考えられている。

     シーズキャンディーズの経験は、バフェットが強力なブランド価値を持つ消費財企業を購入する大きな要因となった。コカ・コーラがまさにそれだ。

     1988年にバークシャーがコカ・コーラを買収したとき、株価は利益の15倍、キャッシュフローの12倍であり、市場平均に対してそれぞれ30%、50%のプレミアムがついていた。バフェットはこの株式を簿価の5倍で購入した。ベンジャミン・グレアムが教えたバリュー投資の厳格な原則に基づいて育てられた人々は、バフェットは先生に背を向けたのだと嘆いた。

     1989年時点でバークシャー・ハザウェイはコカ・コーラの発行済み株式の7%を保有していた。バフェットは、バークシャーのポートフォリオの3分の1の10億ドルを同社に賭けていた。10年後、バークシャーのコカ・コーラへの投資の価値は116億ドルに達した。同じ期間にS&P500指数に投資していた場合の価値は30億ドルであった。

     バフェットのコカ・コーラ購入はバリュー投資だったのか。それとも、1990年代に市場の勢いに支えられていたグロース派の投資に屈したのだろうか。

     バフェットは、魅力的な投資かどうかをどのように判断すべきなのかと、私たちに問いかける。

     多くの投資家は、「バリュー」と「グロース」の2つのおなじみのアプローチを、あたかも相互に排他的な概念であるかのように扱っているとバフェットは言う。「アナリストの多くは、バリューとグロースという、従来は対立すると考えられていた2つのアプローチのどちらかを選択しなければならないと感じています。実際、多くの投資のプロたちは、2つを混ぜ合わせることは知的な服装倒錯(異性の衣類を着ること)の一種だと考えています」

     「バリュー投資とは、一般的に、株価純資産倍率が低い、株価収益率が低い、配当利回りが高いなどの特徴を持つ銘柄を購入することを指しています。残念ながら、たとえこのような特性が複数組み合わさって現れたとしても、投資家が本当に価値のあるものを買っているかどうか、つまり、投資で真に価値を得るという原則に基づいて行動しているかどうかを決定づけるにはほど遠いものです。同様に、株価純資産倍率が高い、株価収益率が高い、配当利回りが低いなどの反対の特徴は、価値あるものを購入することと決して矛盾しません」

     1992年のバークシャー・ハザウェイの年次報告書の9ページに掲載されている上記の発言は、短い表現でバフェットのバリュー投資に対する感じ方を具体的に示している。彼にとってのバリュー投資とは、株価収益率の低い企業を買うことだけではなく、株価収益率の高い企業を買うことを排除しないのだ。

    ロバート・G・ハグストローム

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