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泥酔日記
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利上げとは、各国の中央銀行による政策金利引き上げのことです。中央銀行とは「銀行の銀行」というべき存在で、紙幣の発行や金融政策などで通貨価値の安定を担っており、日本では「日本銀行」が中央銀行にあたります。

政策金利とは、中央銀行が金融政策を運営するために決める金利です。政策金利では短期金利を操作しますが、長期金利にも影響をおよぼします。

利上げは、景気が上昇しているタイミングで実施されることがあります。景気の過熱により、物価が上昇するインフレが進みすぎることがあるからです。利上げが行なわれると、民間銀行の金利も引き上げられます。その結果、企業、個人の借り入れコストが上がり、借り入れが減少することで、お金の流れが鈍くなり市場の過熱が抑えられるという仕組みです。

一方で、景気が悪いときは金利を下げることがあります。金利を下がることでお金が借りやすくなると、投資、消費に回るお金が増えるなどお金の流れが活発になり、景気が上向きやすくなるからです。



利上げがもたらす7つの影響

①住宅ローンの支払いが増える

金融機関で住宅ローンを組んでいると、利上げによって返済額が高くなる可能性があります。住宅ローンの金利には、変動金利型・全期間固定金利型・固定金利期間選択型の3つがあり、それぞれで金利の決まり方が異なります。

全期間固定金利型は利上げによる影響がありませんが、ほかの2タイプは利上げによって返済金額が増える可能性があります。

②経済活動が抑制される

利上げが行なわれると、資金を借りにくくなります。すると、企業が設備投資を控えるようになるなど事業拡大が行なわれにくくなり、経済活動が抑制される傾向にあります。

各企業にとっては利上げによって、借り入れコストが上昇した結果、利益が減少する事も考えられます。

③物価が下落する

利上げにより個人がお金を借りにくくなると、人々の購買意欲も低下するため、買い控えの傾向が強くなり、物価が下落するという仕組みです。

また、利上げによって個人の消費活動が抑制されると企業の利益が減少し、賃上げされにくくなる点も、買い控えが引き起こされて物価の下落につながります。

④為替が変動する

金利は国によって異なり、国内金利と外国金利の差が為替に大きく影響します。特に現在アメリカの金利が高くなっていますが、日本の利上げにより金利差が縮小すれば円高が進む可能性があります。

円高になると一般的に輸入品が安くなるため、物価にも影響が出ることもあります。円高は輸入企業にとっては有利に働くことが多いですが、輸出企業にとっては不利に働くことがあります。

⑤株価が下落する

一般的に、株価と金利はシーソーのような関係といわれ、利上げによって株価が押し下げられる傾向があります。金利が上がると、借入の支払利息が増えて企業の減収につながるとともに、企業は新規借入を控えるようになります。その結果、企業の業績に悪影響が出て、株価は下落するのです。
ただし、利上げはあくまで景気の回復・拡大期に、経済の安定を図るために実施されるため、適切に利上げが実行されれば、株価への影響が少なく済む場合もあります。

⑥債券の価格低下

債券とは国や自治体、企業などが資金を調達する方法の一つで、満期まで待てば元本が返済されるだけでなく、一定の利息も得られます。投資家が国などにお金を貸して、利息をもらうイメージです。債券も株式と同様に、金利の上昇によって債券価格が低下する関係性にあります。

債券の利率自体は固定金利で満期まで変化しませんが、利上げで金利が上がると、新たに発行される債券の利率は上がります。そうなると、すでに発行されている債券は利率が低いため魅力が下がり、価格も下落してしまうのです。

⑦不動産需要・価格の低下

利上げは不動産にも影響します。不動産は価格が高く、多くの人がローンを組んで購入するため、利上げが行なわれると住宅ローンの金利も上昇します。不動産を購入する際のローンは金額が大きいため、1%の利上げでも返済額が大きく増えるでしょう。

つまり、金利が低いときは不動産を安く購入できるため、不動産需要が高くなり価格は上昇します。逆に、利上げがあると不動産の需要が下がって価格も下落します。