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もともとは市場の価格変動から農家を保護する意味もあったが、足元ではこの制度が裏目に出ている。市場価格の急ピッチな高騰で、買い取り価格を大幅に上回る状況が続く。カカオ農家が足元の市場価格高騰の恩恵を受けられていない。 農家は国に買い取ってもらうより、市場価格で売れる隣国などに密輸した方が手取りが良くなる状況となり、密輸の増加につながっている。密輸による流出量は不明だが、業界関係者の間では「5万〜20万トン程度が流れた」との見方もある。2カ国の今年度の生産量の2〜8%にあたる。 密輸の横行はカカオ豆高騰で本来潤うはずの産地の国家財政にも悪影響を及ぼす。先進国の利上げをきっかけに経済危機に陥ったガーナは22年12月、事実上のデフォルト(債務不履行)に陥った。 政府の資金不足により、ガーナでカカオ豆の流通を管理する政府機関のガーナココア委員会(COCOBOD)は農家からカカオ豆を購入する資金を、複数の国際銀行からのシンジケートローン(協調融資)で賄っている。不作と密輸により予定していた輸出契約が履行できなくなれば、融資返済にも影響が出てきかねない。 両国は4月、相次ぎカカオ豆の買い取り価格を大幅に引き上げた。コートジボワールでは当初価格比50%、ガーナでは同58%の大幅な引き上げで、年度途中で価格改定されるのは異例だ。もっとも両国の買い取り価格は値上げ後も米ドル換算で1トン2400〜2500ドル程度と、なお市場価格の5分の1程度にとどまる。コンフィテーラ(東京・港)の今村雄紀社長は「農家の手取りを増やして密輸に流れるのを防ぎ、生産意欲を上げる狙いがあるが、どれほど効果があるかは疑問」とみる。
世界的「食料インフレ」第2波か…
2024/05/17 22:05
世界的「食料インフレ」第2波か? 日本の価格に影響も h ttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452461000.html 以下引用-- ガーナのカカオ豆 生産量は目標の半分か 西アフリカのガーナでは天候不順などによって、今シーズンの生産量が目標の半分程度の42万トン余りまで落ち込むと見込まれています。