検索結果
-
BRICSは2009年に、戦後(特に1991年のソ連崩壊以降)の米国一極支配の世界秩序に対抗し、非西欧の新興経済国が集まって結成された。 このBRICSに関して、ジェトロ・アジア経済研究所「IDE スクエア」 昨年12月「(グローバルサウスと世界)第5回 BRICSに中東・アフリカ諸国が加わることの意味――エジプトを事例に考える」は興味深い資料だ。 最近世間の注目を集めたのが、いわゆる「拡大BRICS」である。2024年1月1日をもって、 エジプト、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、 アルゼンチンの6カ国がBRICSに加わり、 ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカと合わせて11か国体制となった。 前記記事によれば「サウジアラビア、UAE、イランが加わることで、BRICSは世界の原油生産量の41%、人口の46%、国内総生産(GDP)の36%を占めることになり、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカからなる主要7カ国(G7)の経済規模を上回る」ことになる。 これはまさに「世界秩序変革」の第一歩といえよう。この「巨大な力」はまだ産声を上げたばかりであり、加盟国も寄り合い所帯だ。また、加盟国の中でも中国、ロシア、イランなど欧米と激しくぶつかる国々と、欧米に対して比較的融和的な国々が共存する。 だがG7などの欧米諸国の力の衰えはあまりにも明白であり、「世界」はそれをよくわかっている。 それだけではない。ウクライナ戦争、ガザ戦争における欧米諸国のダブルスタンダードや「ジャイアン・アメリカ」主導の国際ルールを無視する「独善的経済制裁」は、欧米に融和的な国々を遠ざけ、「反欧米」であるロシア、中国、イランなどへ近づける結果となった。
-
> 自動車会社のスズキと小松製作所(日本の建設機械・鉱山機械の大手メーカーのコマツ)に、軍用車両、ガソリン車、バイオマスエタノール車(バイオエタノール車)をつくらせたほうがいいと思います。 https://toyokeizai.net/articles/-/268241 コマツが装甲車輌から引かざるを得ない理由 コマツの装甲車の開発能力は高くない。それはひとりコマツのみならず、防衛省、陸上自衛隊の側の当事者意識および能力の欠如が原因である。 これはNATO規格のレベル1の防御力すら満たしていないことを意味する。しかも被弾時に装甲内面が剥離して乗員を傷つけるのを防ぐスポールライナーは経費がかかると省略された。当初左右のドアのガラスも防弾ガラスではなく、車内の騒音もひどい。しかも不整地走行能力が低く、軍用装甲車のレベルにない。技術のレベルとしては1970年代の装甲車である。 率直に言って、トルコやUAE(アラブ首長国連邦)など途上国の装甲車よりも技術的に相当遅れている。 陸幕は発注側としてまともな運用構想も要求仕様も書けなかった。発注の能力が低ければメーカーの能力も相応に低くなるのが当然だろう。
(続き) 2024年2月には…
2024/06/13 05:59
(続き) 2024年2月にはソフトバンク創設者の孫正義氏が、エヌビディアに対抗して1000億ドル規模の半導体ベンチャーを立ち上げることが発表されました。プロジェクトのコードネームは「イザナギ」。ソフトバンクグループは英国の半導体設計会社アームを買収済みであることからも、ソフトとハードが入り乱れての開発競争が激化していくことが予想されます。 一方、OpenAIは2024年2月上旬、アラブ首長国連邦などの複数の投資家と交渉し、AI開発に不可欠な半導体を製造するためには約5兆ドルを必要とすると報道されています。2024年2月のOpenAIの時価総額が12兆円ほどと推定されることから考えると桁違いの資金調達ですが、エヌビディアの時価総額が約200兆円に到達していたことを考えると、対抗するにはそれだけの資金が必要ということもありえます。 エヌビディアが世界第3位の時価総額に インテルやサムスン、クアルコムなど様々な半導体企業がいる中で、エヌビディアは群を抜いていると言えるでしょう。社名はラテン語のinvidia(羨望)とNV(next vision、次のビジョン)をかけあわせて、未来を見据えるという意味が込められています。 もともとは台湾出身で米国で育ち、スタンフォード大学大学院で電気工学を学んだジェンスン・ファン氏が1993年、30歳のときに、自身がアルバイトをしていたファミリーレストラン、デニーズで友人と企画を考えてエヌビディアを設立しました。 ただ、ジェンスン・ファン氏はビジネスモデルには詳しくなかったため、本屋さんに向かい、ビジネスプランの本を購入して事業計画を作成します。当時存在したベンチャーキャピタルのうちの一つであるセコイア・キャピタルの投資家からは、「今まで聞いた中で最低の事業提案だ」と言われながらも投資につなげます。 当時は、Windows95が出る前でしたが、マイクロプロセッサの業界が急速に進化している時代でした。ファン氏は既存のインテルなど大企業の半導体(CPU、中央演算処理装置)が苦手にしている処理、例えば3Dグラフィックなどを扱える半導体が作れないかと考えたのです。 1992年にはOpenGLというオープン標準規格が公開されており、3DグラフィックはWindowsによるグラフィックス企画のダイレクト3Dだけでなくゲームの世界でも必要とされていました。日本でもなじみのあるセガ(当時)の3D格闘ゲーム「バーチャファイター」も1993年に発売されていましたし、ナムコ(当時)の3Dレーシングゲーム「リッジレーサー」も人気でした。 その需要が高まるなか、エヌビディアは3Dグラフィックがこれまでもよりも高い製品である、GeForce256を1999年に発売します。これが世界初の「GPU:グラフィックプロセッシングユニット」と名づけられました。そこから性能を着実に伸ばし、今やニンテンドースイッチにも使われるようになっています。 このGPUは、単に3Dグラフィックを処理することに優れているだけではありませんでした。GPUの持つ並列処理の速さは、AIを処理するのにも非常に相性が良かったのです。 そのためAIのサービスが広がり始めると、GPUの売り上げも伸び始めます。2012年頃から盛り上がった画像処理に使うニューラルネットワークもそうでしたが、特に、生成AIにおける計算量はこれまでよりも大きいため、処理にかかる時間や性能を考慮するとエヌビディアのGPUが第一候補になるわけです。 2022年11月のChatGPTの爆発的な普及もあり、GPUの争奪戦になりました。その結果、2024年3月時点では、グーグルの親会社であるアルファベットの時価総額を抜き世界第3位の時価総額を持つ上場企業となりました。ハードウェアから進化した企業としては異例のことです。