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後世に待つ「愚行」の評価

いま、千葉県印西市内の小さな原っぱの行方が人々の関心事となりつつある。 約50ヘクタールの広さにホンドギツネをはじめ環境省や同県指定の絶滅危惧種136種を含む多数の希少な生き物が暮らす。 地元では「草深原」と呼ばれ、研究者たちは「奇跡の原っぱ」と呼ぶ。 ところがUR(都市再生機構)が昨年11月、宅地造成を始めた。 私たち人間は一体どこまで愚かなのか。 草地を掘り返す重機を眺めながら自問せざるを得ない。 工事を止め、「人間まだ捨てたものではない」と証明する手だてはないものか。

中略   私たちは開発で自然を壊し続けてきた。 それでも日本が敗戦から立ち上がって高度経済成長を遂げ、その豊かさを享受してきた者として開発の歩みを否定しようもないと感じる。 経済成長を支える地方出身者のためにニュータウンや団地を山のように築いたのも時代の要請だった。

私自身、千葉市のそうした団地のひとつで育った。 団地の向こうに里山が広がり、幼い頃は山を駆け巡る山猿だった。 そこは、拡大するコンクリートの新造都市が本来の千葉の自然と向き合う最前線だったのだろう。 都市の拡大とともに山も川も姿を消し、寂しく思った記憶がある。

しかし時代はひと巡りした。経済成長が終わり、工場は海外へ逃げ、高齢化と人口減少で団地に空きが目立つ。千葉ニュータウンも、その名とは裏腹に成熟し、老いつつある。なのになぜ今さら宅地造成なのか。

中略   私たちは既に十分多くの動植物を消し去った。 「秋の七草」に数えられるほど古来、親しまれてきたキキョウやフジバカマですら、環境省は絶滅の恐れがある種としている。 地上から消えた生き物は何億円、何兆円かけてもよみがえらせることはできない。 

原っぱは間もなく消え、希少種がさらに一歩、絶滅に近づく。それを止めることができないなら私はせめて、自分たちの無力さをかみ締めながら、その最後をしっかり見届けようと思う。 きっと後世に厳しい評価が下されるに違いない。 原っぱを潰して造った住宅地は、私たちの愚行を示すモニュメントだと。   東京社会部  井上英介 (以上、本日の毎日新聞から抜粋)

「地球を守ろう」 「愚かな開発はやめよう」

こういうことは何十年も前から叫ばれてきたことだが、この記事の言葉には切実味を感じた。 メディアという仕事はポジティブ材を売る仕事だから、こういうネガティブ材は本来、扱う対象から除外されるべきもののはず。 毎日紙ならではか。 故・マータイ女史を取材していたのが毎日紙だった。

3~4ヶ月ほど前の朝日紙・読者の声欄に以下のような投稿があった。  「人類が絶滅しても構わないと思う。それも一つの流れだと思うから」。 女子高生の投稿だった。

30~100年以内の遠からざる将来に、温暖化を主因とする地球規模のエコクラッシュが発生する確率は60%だとみている。 太陽活動がかなり弱まることがない限り、確率60%でトリガー・オンだろう。 各氷河の融解速度、動植物絶滅、これらの事象に加速度が付いたと思われる点。これが物証とみる。  人間は鈍感だからね。特に年単位以上の変化に対しては全く鈍感だから危機意識など持つわけがない。 既にエコクラッシュの最中にあるのかもしれない。

万物は流転す

北極海氷の融解が商機だと考える近代文明。 それが永続的モデルのわけがない。 30年後に私は生きていまいが、悟るしかないね。 いや30年以上前に悟った。私はいい時代を生きてこれた。