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日経平均株価【998407】の掲示板 〜2014/12/15

今後のタイ経済を占う上で、ポイントになるのは日本だ。外国からの投資額に占める日本の割合は約7割に達する。このため、日本の産業界でタイへの投資に安全性の懸念が広がれば、影響は長期に及ぶ。

 タイの内需は昨秋から次第に下降気味になっている。軍事クーデターによって一大産業である観光に影響が及ぶのも間違いない。タイのカラー複写機市場でシェア1位の富士ゼロックスは「混乱が長期化すれば消費マインドが落ち込むため営業面にも影響は出てくる」(同社の山本俊輔総務部長=2013年3月までタイ現地法人の副社長)。

 タイの混乱はASEAN(東南アジア諸国連合)にも波及しかねない。

 ASEANは2015年末までに「ASEAN経済共同体」を創設することを目指している。これが実現すれば、東南アジア10カ国の中で人の移動が原則として自由となる。また関税も撤廃されるので、カンボジア・ミャンマー・ラオスなど人件費の安い周辺国で生産した部品をタイに集約すれば、地域内で効率的な分業体制が構築できる。しかし、要となるタイで政治混乱が長期化すれば、ASEAN経済共同体は構想段階で足止めとなってしまう。

 混乱の長期化が懸念される中で、「最後の砦」と期待されるのがプミポン・アドゥンヤデート国王(ラーマ9世王)だ。タイの国民から絶大な尊敬を集めるプミポン国王は、これまでも政治混乱が起きた際に仲裁する役割を担ってきた。しかし、現在86歳のプミポン国王は健康状態が思わしくないとの報道もある。

 国軍によって治安維持ができたとしても、それは逆に国軍が統治しなければ治安すら維持できないタイの深刻な問題を浮き彫りにしている。