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楽天グループ(株)【4755】の掲示板 2021/05/29〜2021/05/31

楽天はオープンRANの最高の事例か、それとも最悪の事例か

楽天は良くも悪くもオープンRANのシンボルのような役目を担っている。オープンRANでは何ができて何ができないのか、何百ものネットワーク事業者やベンダーが先例として楽天に注目しているため、同社の成功や失敗は誇張して語られがちだ。

米調査会社Senza Filiの主席アナリストであるMonica Paolini氏は、「私たちはオープンRANと楽天をイコールで結びたくなる衝動を抑える必要があると思います。楽天は他とは非常に異なるオペレータであり、非常に革新的で、これまでとはまったく異なるアプローチを取っているからです」と話す。「これがオープンRANであるとまとめてしまったり、楽天こそオープンRAN事業者であると見なしたりするのは楽天とオープンRANの双方に対してひどい仕打ちだと思います。とはいっても、楽天が最も注目されているオープンRANの展開であることは明らかです」

氏の説明によると、楽天はオープンRANの一例ではあるが、Eコマース大手をバックに持つグリーンフィールドオペレータであるというユニークな立場にあるため、他の通信事業者が踏襲できるようなモデルを構築しているわけではないという。「楽天がこの業界で失敗するにせよ成功するにせよ、私たちはそこから多くのことを学ぶことになるでしょう」

米調査会社Appledore Researchのパートナー兼主席アナリスト、Grant Lenahan氏によれば、オープンRANの台頭によってモバイルネットワークオペレータ市場は革新的なプレイヤーと伝統的なプレイヤーに分かれていくという。「どちらもオープンRANによってアジリティとコスト優位性を獲得しようとしていますが、楽天のような企業にはグリーンフィールドの利点があり、安定した公共事業に報酬を与えて強化するのとは逆にリスクを取り市場シェアを獲得する企業に報いる金融市場からも恩恵を受けています」と氏は言う。

「楽天は今も、オープンRANの原則に基づいたネットワークを実現している最大かつ最先端の事例です。彼らは協力した主要ベンダーと一緒になって、今回得た知見や経験を広範なオープンRAN活動へ積極的にフィードバックしています」とLenahan氏は説明する。「各通信事業者のオープンRANへの取り組みは、いずれもそれぞれの市場の状況、それぞれの野心によるものです。現段階で楽天の挑戦がオープンRANに否定的な影響を与えていると考えるのは間違いでしょう。そのような判断を下すにはまだ早すぎます」

中略

Lenahan氏によると、楽天が通信業界全体に与える影響はまだ始まったばかりだという。「楽天は、業界に対して真に破壊的なビジョンを持つ、非常に熱心で野心的な企業です。オープンRANプロジェクトには、すでに通信事業者ごとに異なる複数の目標がみられます。インターネット接続のない地域に接続を提供することや、都市部のネットワークの高密度化、プライベートネットワークの提供、ベンダーの多様化などです」と氏。

「楽天はこれらすべてを一度に行っており、また、どの通信事業者でもそうした目標を達成しやすくできるようにするというビジョンを持っています。そこが本当に他とは異なるところです」とLenahan氏は締めくくった。

https://bit.ly/3ur1sO8