株価上昇要因
① いちばん大きい要因:MBO(TOB)発表
親会社ルネット(会長の多根幹雄さんが代表)が、パリミキHDに対して MBO(経営陣による買収)目的のTOB(公開買付) を実施すると発表しました。
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TOB価格は1株581円。
発表前営業日(11/12)の終値368円に対して、約58%のプレミアム が乗っています。
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そのため、市場の株価は「TOB価格581円にサヤ寄せ」する形で急上昇し、ストップ高買い気配になった、という報道が出ています。
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東証からも、「ルネットによるTOBに会社側が賛同しており、上場廃止につながる可能性があるため『監理銘柄(確認中)』に指定した」という発表が出ています。
日本取引所グループ
要するに:
「MBOで581円で買い取りますよ」と出たので、
その価格に向けて一気に株価が引き上げられている
というのが、直近の上昇の“決定打”です。
② その背景にある「業績の回復・中期計画」
短期的にはTOBが主因ですが、その背景として 業績面が良くなってきていること もあります。
2026年3月期・第2四半期(中間期)
売上高:約261.6億円(前年同期比 +0.2%)
営業利益:約13.7億円(+16.0%)
経常利益:約14.8億円(+25.0%)
親会社株主に帰属する中間純利益:約8.4億円(+18.2%)
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また、中期経営計画では、ここ数年で
不採算店の退店・店舗統廃合
ロッジ型などの新フォーマット店舗への改装・出店
眼鏡作製技能士・補聴器技能士の育成によるサービス力向上
在庫・サプライチェーンの見直しで資産効率アップ
といった 体質改善と成長投資 を進めてきたことが示されています。
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こうした取り組みで、赤字体質からの脱却・収益力の改善が進んできた こともあり、
「このまま上場を続けるより、オーナー側が一気に買い取って、非公開でじっくり再成長させたい」
という判断(MBO)につながった、という説明がなされています。
M&A Online
③ 相場的にどういう動きになりやすいか
今回のような MBO+TOB のパターンは、株価の動きとしてはおおよそ次のようになりがちです:
発表直後に、株価がTOB価格の近くまで一気に跳ねる
今回も「ここ1ヶ月で+30%超」の上昇となったという分析が出ています。
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その後は
TOB価格581円の少し手前で落ち着く
あるいは、出来高が細りながら581円近辺で“張り付く”
という展開が典型です。
TOBが成立すれば、
株は上場廃止(非公開化)へ
応募した株主には581円で現金が入り、投資は一旦終了
追加のサプライズ(対抗TOB・条件変更など)が出ない限り、581円を大きく超えて上がる余地は小さい のが、通常のTOB案件のパターンです。
一方で、万一TOBが不成立になれば、株価はプレミアムがはがれて大きく下落するリスクもあります。
④ まとめると
パリミキ(7455)の株価上昇要因を一言でまとめると:
「MBOに伴うTOB発表で、581円へのプレミアムを織り込んだ上昇」
+その背景に収益改善・中期経営計画による体質強化がある
という構図です。