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株式投資の始め方|初心者が知るべき知識をわかりやすく解説

NISAが浸透した今、株式投資に興味を持つ方が増えてきています。「NISAはすでに始めてるけど株式投資ってどうなの?」「株式投資を始めたいけど難しそう」と思われる方は少なくないでしょう。株式投資は、ポイントを押さえれば誰でも簡単に始められます。本記事では、株式投資の始め方や必要な知識を初心者の方向けにわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。(監修者:金融オンライン・アドバイザー 松井大輔)

株式投資とは? 仕組みを解説

投資家が株式会社が発行する「株式」に投資し、売買差益や配当、株主優待などの利益を得るのが「株式投資」です。株式会社のうち、証券取引所(市場)に株式を公開している企業を「上場企業」といい、投資家は基本的に上場企業の株式を売買し、利益を狙います。

株式投資のしくみ

上場企業の株価は毎日変動しています。株を売りたい人よりも買いたい人が多い(需要が高い)場合は株価は上昇し、株を買いたい人が売りたい人よりも少ない(需要が低い)場合は株価は下がるというしくみです。

株価の決まるしくみ

株式投資は元本割れリスクがある一方で、銀行預金の利息よりも高い利回りが期待できるため、資金を有効に運用したい投資家たちが株式投資を行います。
一方で企業側は、株式と引き換えに調達した資金で経営を発展させられるので、投資家と株式を発行する企業はwin-winの関係にあるということです。

上場企業の株式は証券会社を通じて売買が可能なため、証券会社で口座を開設すれば誰でも株式投資を始めることができます。


株式投資の注意点! 価格変動リスク・信用リスクに注意

株式会社の株価は、企業の経営状況や経済環境などさまざまな要因で日々変動し、投資信託や債券よりも価格変動は大きい傾向にあります。株式投資の主なリスクは以下の2つです。

<株式投資の主なリスク>
・価格変動リスク:株式を換金する際の受取金額が、当初支払った金額より下回る可能性があること
・信用リスク:投資した会社が破たんする可能性があること

これらのリスクに備えるために、以下のような「分散投資」を取り入れることでリスクが抑えられます。
・一度にまとまった株式を購入するのではなく、タイミングを何度かに分けて購入をする(時間の分散)
・複数の会社や業種にバランスよく投資をする(銘柄の分散)
・株式投資だけでなく投資信託や債券に投資をしたり、預貯金でも資産を管理する(資産の分散)

ほかにも、短期的に売買を繰り返すのではなく上場企業の長期の成長に期待し、長期的に投資をすることで複利効果が得られやすく、リスク軽減につながります。

直近の株価だけで判断し、まとまったお金を一つの銘柄に投資をするのは危険です。分散投資や長期投資を入れるのと同時に、企業の業績や経済状況などをしっかり調べてから株式投資を行いましょう。

金融オンライン・アドバイザー 松井さん:
株式投資の難しい点の一つに、「投資タイミング」があります。株価は毎日動いており、今日買った株が明日上がるのか、来年はどうなるかは誰にもわかりません。
現在の株価が適正な水準にあるかを判断するのはとても難しいので、一度に全額を投資するのではなく、投資タイミングを分散させる時間分散投資を行いましょう。少額を複数回にわけて投資をすることで、高値づかみを防ぐことができます。



株式投資ではキャピタルゲインが狙える銘柄を選ぼう

株式投資で得られる利益は、大きく分けて次の2つです。

<株式投資で得られる利益>
・インカムゲイン:配当など、株式を保有していることで得られる利益
・キャピタルゲイン:株式を売却したときに得られる売買差益

インカムゲインとキャピタルゲインとは?

インカムゲインも魅力的ですが、株式投資をする際はキャピタルゲインが狙える銘柄、つまり株価の値上がりが期待できる企業への投資をおすすめします。いくら配当利回りがよくても、株価が下がってしまうとトータルで損をする可能性が高くなるためです。

銘柄選びの際は、「今後、株式を買いたい人が増えそうか?」という視点での分析が必要です。株式投資をするなら、企業の事業内容や業績から成長性を予測したり、指標を見て割安・割高を判断したりできるよう、少しずつでも勉強して投資知識を身につけましょう。

金融オンライン・アドバイザー 松井さん:
株式投資は値上がり益を狙っていきたいところですが、短期間で値上がり益を狙うのは、一般的にはリスクが高く難しいと言われています。直近の株価などの情報だけでなく、「長期的な目線でこの会社は成長するか」という観点で銘柄を探しましょう。



株式投資の始め方4ステップ

株式投資の始め方はとても簡単です。これから株式投資を始める方は、以下の4ステップで準備を進めてください。

<株式投資の始め方4ステップ>
・ステップ1. 証券会社の口座を開設する
・ステップ2. 銘柄を選ぶ
・ステップ3. 投資資金を入金する
・ステップ4. 注文を入れる


ステップ1. 証券会社の口座を開設する

株式投資を始めるには、証券会社の口座が必要です。まだ証券会社の口座を持っていない方は、お好みの証券会社で口座開設手続きをしてください。

どの証券会社がいいか迷う場合は、SBI証券や楽天証券などのネット証券がおすすめです。ネット証券はオンラインで簡単に口座開設できる場合が多く、株取引の際にかかる売買手数料も安い傾向にあります。

口座開設時には、マイナンバー確認書類や本人確認書類、金融機関口座などが必要です。各証券会社のサイトで必要書類を確認してから進めると、スムーズに手続きできます。
複数の証券会社を比較したい場合には、こちらのページをチェックしてみましょう。手数料は取り扱い銘柄など気になるポイントごとに証券会社を比較することができます

ステップ2. 銘柄を選ぶ

証券会社の口座を開設したら、買付する銘柄を選びましょう。銘柄選びの際は、各証券会社の銘柄検索機能のほか、インターネット上の投資情報サイトを活用すると便利です。
例えばYahoo!ファイナンスでは、値上がり・値下がり率、出来高、配当利回りなどの株式ランキングを無料で確認できます。


ステップ3. 投資資金を入金する

買いたい銘柄が決まったら、必要な投資資金を証券口座に入金します。株式投資は100株単位の取引が基本のため、例えば株価1,000円の銘柄を買うには10万円の資金(手数料等は考慮せず)が必要です。

ただし、なかにはSBI証券や楽天証券、マネックス証券など1株単位の取引に対応している証券会社もあります。少額から株式投資を始めたい方は、1株単位の取引ができる証券会社で口座開設しましょう。


ステップ4. 注文を入れる

いよいよ注文を入れて株式を買付します。注文方法は「指値注文」と「成行注文」の2つがあるので、状況によって使い分けましょう。

<株式の注文方法>
・指値注文…売買価格を指定して注文する方法
・成行注文…売買価格を指定せずに注文する方法

成行注文を使うと約定(取引成立)しやすくなりますが、想定外の金額で売買が決まってしまう可能性があります。どちらの注文方法にするか迷うときは、指値注文を使うのがおすすめです。


株式投資のよくある疑問

最後に、株式投資のよくある疑問に回答します。途中でつまずかないよう、株式投資を始める前にご覧ください。

・株式投資はいくらから始められる?
・株式投資のメリットは?
・株式投資のリスクは?


株式投資はいくらから始められる?

株式投資は100株単位の取引が基本です。上場企業の6割ほどは10万円以上の投資資金が必要なため、少なくとも30万円程度の資金はあったほうがよいでしょう。

ただし、1株単位で投資する場合は、もっと少額から株式投資を始められます。上場企業のほとんどは株価1万円未満です。少ない資金で株式投資をやってみたい方は、SBI証券や楽天証券、マネックス証券など1株単位の取引に対応している証券会社で口座開設しましょう。


株式投資のメリットは?

株式投資のメリットは、株式の売買で得られる譲渡益のほかに、株式の保有で得られる配当や株主優待があることです。配当や株主優待のある銘柄を選べば、多少の値動きに動じることなく、腰を据えた運用ができるでしょう。

また、好きな企業の経営を出資というかたちで応援できるのも株式投資のメリットです。銘柄選びの際は、ぜひ自分の身近にある製品やサービスを提供している企業にも目を向けてみてください。


株式投資のリスクは?

株式投資には「価格変動リスク」や「信用リスク」があります。買付時よりも株価が下がったり、企業が倒産したりして損をする可能性もあるため、適切なリスク管理が必要です。

以下の図のとおり、株式投資はほかの金融商品に比べてハイリスク・ハイリターンの傾向にあります。リスク許容度によっては、株式ではなく投資信託や債券のほうが向いている方もいるので、ほかの金融商品と比較しながら株式投資を始めるかどうか判断しましょう。

リスクとリターンの関係

金融オンライン・アドバイザー 松井さん:
特定の会社に集中してまとまった資金を投資した場合、その会社の株価が大きく値下がりしたり最悪倒産してしまった場合には、資産全体が大きく減ってしまいます。
これから投資を始めていこうという方には、そのようなリスクを軽減するために、複数の企業に分けた投資がおすすめです。さらに、業種や業界が異なる会社に投資すれば、よりリスク分散につながります。1つの商品に複数の銘柄が組み合わさっている金融商品、「投資信託」の活用も検討しても良いでしょう。



まとめ

株式投資を始めるには、証券会社の口座が必要です。口座開設は無料でできるので、まずは証券会社を選び、口座開設手続きを行ってください。その際は、NISA口座の開設も同時に進めておくのがおすすめです。

株式投資の銘柄を選ぶときは、「今後、株式を買いたい人が増えそうか?」という視点で分析しましょう。また、的確な投資判断のために、株式投資の勉強をする心がけも大切です。ぜひインターネットや書籍、セミナーなどで積極的に知識を付けて、株式投資を楽しんでください。

口座開設する証券会社を比較して選びたい方や、投資について詳しく知りたい方は以下の記事をチェックしてみましょう。

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本記事に掲載されている情報は2023年7月14日時点のものです。

  • プロフィール

    監修者:松井 大輔のプロフィール画像

    監修者:松井 大輔

    1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、日本証券業協会認定 証券外務員一種

    エンジニアを経て保険業界へ転身。保険営業に携わりながらセミナーや社内勉強会、金融コラムの執筆と活動の場を広げ、2023年に株式会社400Fに入社。エンジニア時代に培った論理的思考を用いてお金の話をわかりやすく伝えることをモットーに、住宅・教育・老後資金など総合的なライフプランニングをご提案している。

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