◆ 青木あすなろ建設、社員の1割外国人に スリランカ名門大学から採用
日本経済新聞 2026年3月2日5時00分配信
中堅ゼネコンの青木あすなろ建設株式会社(東京都港区)が現場監督などをアジアから積極的に採用している。2026年度に入社予定の約100人のうち20人ほどが外国人だ。入社前の日本語教育や日本での生活支援といった仕組みも整備した。建設業界が直面する高齢化や人材難に対応する。
青木あすなろ建設はゼネコン準大手の株式会社髙松コンストラクショングループの子会社で、工場やマンションの建設からトンネルの土木工事まで手掛ける。2025年3月期(2024年度)の売上高は924億5900万円で、グループの中核企業の一つだ。従業員数は973人で、27年度には1割にあたる110人が外国人になる見込みだ。
高齢化と人手不足が業界の課題だ。現場監督のなかでも大規模工事を統括する「監理技術者」に占める40歳未満が全体に占める割合は2022年度に11%だった。20年前の22%から下落している。
売り手市場の国内新卒採用では、スーパーゼネコンに比べ知名度が劣る中堅ゼネコンの多くが苦戦する。青木あすなろも近年の国内採用では目標人数に届かないこともあった。
そんななか2022年から外国人学生の新卒採用を始めた。多くを占めるのがスリランカの名門モロトワ大学の学生だ。同校から採用を始めていた協力会社の紹介でつながりを持った。
在留資格「高度専門職」として働く外国人社員63人のうち半数以上がスリランカ人で、2026年度にもスリランカ人10人以上が加わる予定となっている。
スリランカ政府は国内の人材が日本など海外で働くことを奨励する。2022年に債務不履行(デフォルト)に陥っており、在外労働者による国内への送金が重要な外貨獲得手段となっているためだ。
スリランカが親日国であることも日本が選ばれる理由で、ピヴィトゥル・ジャナック・クマーラシンハ駐日大使は「スリランカの若者たちは日本を平和で誠実な国だと考えている」と説明する。
青木あすなろは外国人の採用や定着のための取り組みを進める。内定者は卒業後の1年間、現地の大学で日本語教育を受ける。入社時には、新聞記事や平易な評論を理解できるとされる、日本語能力試験「N2」に合格する水準まで習熟しているという。
来日後もあらゆる面から生活を支援する。2024年には社内に「海外技術者育成就労支援室」を設立した。買い物やゴミ出しといった生活のサポートや、施工管理に関する教育など仕事面をケアする。手厚い支援が奏功し、外国人の退職者は現時点で0人だ。
採用活動開始から4年がたち、外国人社員が同じマンションで生活する後輩をサポートするなど、変革のサイクルが速まっている。
2023年に入社したスリランカ人のペレーラさんは当初トンネル工事の現場に配属され、「日本人独特の言い回しやなまりの理解が大変だった」という。本社勤務の現在は自身の経験をもとに、同じように悩む後輩へアドバイスを送っている。
日本人社員にも好影響があるという。外国人社員は学習意欲が高く、休日には日本語の学習に5、6時間取り組む人も多い。青木あすなろの望月尚幸社長は「ある新入社員が入社挨拶で『将来は社長を目指す』と言っており面食らった」といい、この熱量が他の社員への刺激になると考える。
青木あすなろは外国人社員が定年まで働きやすい環境も整備する。社員が家庭の事情などで帰国を強いられ、退職せざるを得ない場合もありうる。現地でも青木あすなろの従業員として働けるよう、図面作成や写真整理などの業務をオンラインでおこなう事業所の設置も検討する。
国内では外国人の現場監督を派遣するサービスも存在する。だが外国人材の長期的な定着や育成を目指すには、時間と労力をかけて社内を整備していくことが肝要だ。担い手不足に直面する業界で、青木あすなろは地道な取り組みを進める。
投資の参考になりましたか?
![資産成長の最短ルートは、あなたに合うお金のプロにと出会うこと[PR]ADVISER navi](https://s.yimg.jp/images/finance/bnr/202601/advisernavi_600_240.png)

