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デジタルアーツ(株)【2326】の掲示板 〜2015/04/15

グーグルは確かに代償を払った。同社の中国検索市場でのシェアは約30%から5%にまで低下し、現地企業の百度に大きく水を開けられている。百度は言うまでもなく、中国政府と密接なつながりを持つ。

ニューヨーク・タイムズもグーグル同様、立場を明確にした。昨年10月に温家宝首相の一族に不正蓄財があったと報道して以降、同社はサイバー攻撃にさらされた。しかし口を閉ざす代わりに、ハッカーによる攻撃を受けた事実を記事にして応酬して見せた。ワシントン・ポストとウォールストリート・ジャーナルも同じように声を上げた。

グーグルやこうした新聞各紙のビジネスモデルは、情報の自由が柱となっている。しかし他のビジネスでは、マイナス面がプラス面に大きく勝ることが往々にしてある。コカ・コーラが2009年にハッキングされた後、沈黙を守ったのもそれで説明がつくだろう。コカ・コーラが中国のジュース企業に対する24億ドルでの買収を試みた後、ハッカーは同買収に関する内部文書を盗み出した。ブルームバーグによれば、この買収が実現していれば、外資による中国企業の買収としては当時史上最大規模になったはずだった。

コカ・コーラはそれからかなり後、2012年後半に事実が明るみに出てからサイバー攻撃があったことを認めた。後からでも事実を公表するのは、何も語らない他の多くの企業に比べればはるかにましだ。中国政府に食ってかかり、変化をもたらすことができる企業があるとすれば、それは業界トップしかないだろうが、コカ・コーラにしてみれば、自分たちが抜けた穴を競合相手に埋められることも心配だろう。

サイバー攻撃に対する最善の方策は、力の強い多国籍企業が競合相手と協力して問題への関心を高め、圧力をかけることだろう。もしコカ・コーラがライバルのペプシコと共同戦線を張っていれば、もっと大きな進展があっただろう。ボーイングとエアバスなど、各業界の盟主たちにも同じことが言える。企業が単独で危険を冒せないというのなら、業界団体に立ち上がってもらうのも手だ。

中国に首尾よく圧力をかけるためには、ハッキングを受けた全企業による協調した取り組みが必要だ。

パネッタ国防長官は昨年10月、米国の重要インフラに対するハッカー攻撃は将来「サイバー真珠湾攻撃」にもなりかねないと警告した。米企業はすでに、日々刻々とサイバー戦争を仕掛けられているのだ。今こそ、サイバー攻撃を受けた企業同士が協力し、知恵を出しあう時ではないだろうか。

(19日 ロイター)