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NISA成長投資枠のメリット・デメリットは? つみたて投資枠との違いやおすすめの使い方も解説

NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されています。成長投資枠は、年間投資枠がつみたて投資枠の倍の240万円もあるうえ、投資可能な商品の幅も広いのが特徴です。本記事では、NISAの非課税メリットを最大限活かせるよう、成長投資枠の仕組みやメリット・デメリットについて解説します。成長投資枠のおすすめの使い方もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。(監修者:1級FP技能士 鎌形愛)

NISAの「成長投資枠」とは? 仕組みを解説

NISAとは、専用のNISA口座で保有している金融商品の運用益が、無期限で非課税になる制度です。「つみたて投資枠」「成長投資枠」の2つの投資枠があり、両枠は併用することができます。

NISA制度の概要

成長投資枠は、年間240万円までの金融商品を購入できる投資枠です。毎月一定額を投資する積立購入に加え、タイミングと金額を自由に設定できる一括購入にも対応しています。対象商品には上場株式や投資信託、ETF、REITなどがあり、上場株式を除いても2,500本以上の商品が対象リストに含まれます(※2026年3月13日時点)。

参考:投資信託協会 NISA成長投資枠の対象商品(外部サイト)

注意点として、NISA全体の非課税保有限度額(商品を非課税で保有できる総枠)は1,800万円ですが、成長投資枠だけの総枠は1,200万円までです。商品を売却すると取得価額相当の枠は復活しますが、毎年の上限額まで投資すると、5年間で総枠を使い切る計算になります。

なお、NISAの総枠は再利用が可能で、保有商品を売却すると取得価額相当の枠が翌年1月1日に復活します。

つみたて投資枠との違い

成長投資枠とつみたて投資枠の違いは、以下のとおりです。
つみたて投資枠と成長投資枠の違い

つみたて投資枠に比べると、成長投資枠の年間投資枠は2倍であり、対象商品の選択肢も多い特徴があります。配当金や株主優待がある株式に投資したり、複数の金融商品を同時に運用したりなど、成長投資枠のほうが自由度の高い投資を実現できるでしょう。

ただし、つみたて投資枠にも「少額からコツコツ積み立てられる」「長期積立に向いた投資信託が中心」などの魅力があります。それぞれのメリット・デメリットを押さえて、ご自身に合った活用方法を考えましょう。

1級FP技能士 鎌形さん:課税口座で保有している商品を売却する際に、利益が出ている場合は税金がかかります。それでも、同じ商品をNISA口座で買い直すことで、その後の値上がり益や配当金が非課税になり、有利になる可能性があります。ただし、実際に取引できる銘柄は金融機関によって異なるため、事前の情報収集が必要です。

NISA成長投資枠の4つのメリット

NISAの成長投資枠には、次のメリットがあります。

NISA成長投資枠のメリット

メリット1 年間投資枠が大きい

成長投資枠では年間240万円まで、月換算では毎月20万円ペースの投資が可能です。つみたて投資枠より上限額が高いため、毎月10万円ずつを投資してボーナス月のみ30万円に増やすなど、さまざまな投資を実践できます。

一括購入を活用すれば、課税口座の商品をまとめて買い直すこともできるでしょう。ただし、NISAの年間投資枠は商品を売却しても再利用できず、翌年1月1日に再び240万円の投資枠が設けられます。

メリット2 対象商品の幅が広い

成長投資枠の対象商品には、数千社を超える上場株式に加え、投資信託やETF、REITなども含まれます。投資信託を長期保有するだけでなく、リアルタイムの価格でETFを取引したり、株式の配当金や優待品に期待するような投資も可能です。

一方で、つみたて投資枠の対象商品は、一定の基準を満たす投資信託のみです。長期積立や分散投資に適した銘柄が厳選されていますが、2025年12月時点で届出がされた商品は347本になります。

参考:金融庁 つみたて投資枠対象商品(外部サイト)

1級FP技能士 鎌形さん:配当金や優待品は株式ならではの魅力ですが、個別株だけに投資をするとリスクが偏ります。リスクを分散させ、長期的に安定した運用を目指すなら、ひとつのファンドで幅広い資産に投資できる投資信託を検討しましょう。さまざまなタイプの投資信託を組み合わせると、リスクの分散効果をさらに高められます。

メリット3 一括購入のほか積立投資も可能

成長投資枠で商品を買う際は、一括購入のほかに毎月の積立投資もできます。どのような積立投資ができるのか、以下では例をまとめました。

・つみたて投資枠で積み立てている投資信託を、成長投資枠でさらに上乗せして積み立てる
・つみたて投資枠とは別の投資信託を積み立てる
・個別株やETFなど、別の金融商品を積み立てる

一括購入と組み合わせると、毎月一定額を投資信託で積み立てて、気になる銘柄を見つけたときに追加で投資するような買い方もできます。

メリット4 株式の配当も非課税になる

成長投資枠の保有銘柄は、譲渡益だけでなく分配金や配当金も非課税になります。この仕組みを利用して、成長投資枠で高配当株や高配当ETFを長期保有し、非課税でインカムゲインを受け取る選択肢もあるでしょう。

NISAの非課税保有期間は無期限なので、商品を売却しない限りは非課税で運用益を受け取れます。

NISA成長投資枠の3つのデメリット

続いては、NISAの成長投資枠のデメリットについて解説します。

NISA成長投資枠のデメリット

デメリット1 年間に投資できるのは240万円まで

成長投資枠の年間投資枠は240万円で、枠を超える金額の投資はできません。また、年間投資枠は商品を売却しても再利用できないため注意が必要です。

例えば、20万円の株式を購入して年間投資枠の残りが220万円になったとします。後日、この20万円で買った株式を売却しても、年間投資枠の残りは220万円のままです。頻繁に売買を行えば、あっという間に年間投資枠を使い切ってしまうので、計画的な投資を心がけましょう。

デメリット2 損益通算・繰越控除ができない

つみたて投資枠も同様ですが、NISA口座では損益通算や繰越控除ができません。

損益通算とは、課税口座で金融商品を運用している場合に、売買で生じた利益と損失を相殺できる制度です。また、課税口座では、相殺しきれなかった損失分を翌年以降3年間にわたって繰り越せますが、NISA口座ではこの繰越控除も利用できません。

NISAのメリットを活かせるのは、金融商品の運用で利益が出たときのみです。損失が出るとかえって不利になるケースもあるので、値動きの大きい商品を買うのは控えることが無難でしょう。

デメリット3 非課税で保有できるのは1,200万円まで

成長投資枠の非課税保有限度額は、1,200万円までです。NISAの総枠(1,800万円)を使い切りたい場合は、少なくとも600万円分をつみたて投資枠で消費する必要があります。

非課税保有限度額が埋まったままでは、新しい商品を非課税で運用することはできません。再利用をするには、保有商品の一部を売却する必要があるため、保有資産はこまめに確認することが大切です。

NISA成長投資枠のおすすめの使い方

上記のデメリットを踏まえると、成長投資枠はスキャルピングやデイトレードといった短期の投資には向きません。また、資産構成が偏るとリスクが増すこともあるため、以下のような活用方法を考えましょう。

NISA成長投資枠のおすすめの使い方

ここからは、実際の活用例を紹介します。

つみたて投資枠を拡大する感覚で使う

積立投資もできる成長投資枠は、年間120万円のつみたて投資枠を拡大する感覚で使えます。2つの投資枠を併用すると、年間360万円(月換算では30万円)までの積立投資が可能です。

また、成長投資枠の対象商品には、つみたて投資枠で購入できる商品も含まれます。そのため、同じ銘柄を買い増ししながら、余った投資枠で個別株やETFなどに投資することもできます。

高配当銘柄を長期保有する

高配当銘柄とは、株価あたりの配当金が多い個別株です。金融商品の情報サイトなどでは、「配当利回り」と呼ばれる指標で各銘柄が比較されています。

参考:日本株ランキング(配当利回り(会社予想))(Yahoo!ファイナンス)

高配当銘柄を長期保有すれば、売買をしなくても安定した運用益を得られるかもしれません。銘柄によっては、保有株式数や保有期間などの条件を満たすことで、優待品を受け取れる場合もあります。

1級FP技能士 鎌形さん:配当利回りが高かったとしても、確実に運用益が出るとは限りません。株価は毎日変動するため、保有中に資産価値が減ってしまうリスクもあります。株式投資では配当金だけに目を向けず、各社の業績や事業内容、将来性なども確認したうえで、総合的に投資判断を行いましょう。

つみたて投資枠にはない商品で分散投資する

成長投資枠では個別株・ETF・REITに投資し、つみたて投資枠とは明確に使い分けるのもひとつの手です。例えば、すでに米国株式中心のファンドを保有している場合は、成長投資枠で国内株式に投資すると、リスクを分散できる可能性があります。

成長投資枠ならではの資産クラスに目を向けて、投資の幅を広げてみましょう。

まとめ

NISAの成長投資枠は、さまざまな投資手法を実践できる投資枠です。年間投資枠もつみたて投資枠より大きいため、NISAのメリットを最大限活かせるかどうかは成長投資枠の使い方で変わります。ただし、値動きの大きな商品や短期的な投資にはリスクがあるため、基本的には中長期目線での商品選びを心がけましょう。

1級FP技能士 鎌形さん:選択肢が多い成長投資枠は、サテライト資産(攻めの運用)にも活用しやすい特徴があります。つみたて投資枠ではコア資産(守りの運用)を中心に積み立て、リスクの許容度に合わせて両枠を使い分けると、ポートフォリオ全体のバランスを取りやすくなります。なお、成長投資枠でも投資信託を購入できるため、状況に応じてコア資産の運用に回すことも可能です。


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NISAの成長投資枠 銘柄選びのポイント
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※NISA制度に関する最新の情報は、金融庁ホームページ(外部サイト)をご確認ください。

  • プロフィール

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    鎌形愛

    1級FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記2級、賃貸不動産経営管理士

    不動産会社での勤務経験を活かし、現在は金融・不動産・相続分野を中心に執筆・情報発信を行う。家計管理や資産形成、不動産売却、相続対策などが得意分野。専門用語が多く難しく感じやすいお金や住まいのテーマを、身近な言葉でわかりやすく伝えることを大切にしている。

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