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バソミューン社はカナダのトロント大学の医学研究機関であるサニーブルック研究所から一部門を切り離して独立させ、2012年に設立された創薬バイオベンチャー企業ですが、アンジェスとは2018年7月に血管不全に関する疾患を対象としたTie2受容体アゴニスト(AV-001)について共同開発をする契約を締結しています。 契約の内容は、バソミューン社が創製したTie2受容体アゴニスト化合物について全世界を対象とした開発を共同で進め、開発費用と将来の収益をそれぞれ折半する内容となっています。そのためアンジェスはバソミューンに対して契約一時金及び開発進捗に応じたマイルストーンを支払うことになっています。 急性呼吸窮迫症候群の症状は主に、肺の毛細血管から血液成分等が漏れ出し、肺胞によるガス交換を妨げたりすることにより引き起こされます。共同開発するTie2受容体アゴニスト化合物は血管にある Tie2受容体と呼ばれる分子に結合することで、血管の漏出を抑制する働きを持つと期待されます。 AV-001は血管の不全を原因とする急性呼吸窮迫症候群の治療薬として開発してきたものですが、コロナウイルス感染症による肺炎患者が増大したことから、中等度から重度の感染症肺炎患者向けの治療薬として、2022年1月より米国で前期第2相臨床試験として取り組んできた経過があります。 が、2021年12月頃から重症化リスクが低い変異株への置き換わりが急速に進んだことで患者確保が難しくなり、その後、前期第2相臨床試験の対象疾患を「インフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群に広げる」申請を米国FDAに行い、2022年12月に承認を受け、現在もその取り組みを行っています。 それを契機に、臨床試験も第2相臨床試験と位置づけられていますが、進捗状況については、対象疾患の多くが急性呼吸窮迫症候群のため救急搬送されてくるので、当初は症例の登録が思うように進まなかった経過がありましたが、その後、米国において臨床試験を実施する医療機関を追加し、医療機関との連携を強化しているとのことです。第25期定時株主総会の事業報告の中でも、「2024年度は更なる医療機関との提携を進め年度内の目標症例数の登録を目指してまいります」と報告されています。
5月17日~22日に、カリフォ…
2024/04/17 08:30
5月17日~22日に、カリフォルニア州サンディエゴで開催される2024年呼吸器イノベーション・サミットにおいて、アンジェスとバソミューン社が共同開発をしている急性呼吸窮迫症候群を対象とした治療薬Tie2受容体アゴニスト(AV-001)の開発に関する最新情報の発表者として、米国呼吸器学会から選ばれたことが昨日の広報の「お知らせ」で報告されています。 バソミューン社が開発しているTie2受容体アゴニスト(AV-001)は、インフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群を対象としたものですが、現在、米国で第2相臨床試験を実施しています。 急性呼吸窮迫症候群の症状は主に、肺の毛細血管から血液成分等が漏れ出し、肺胞によるガス交換を妨げたりすることにより引き起こされます。共同開発するTie2受容体アゴニスト化合物は血管にある Tie2受容体と呼ばれる分子に結合することで、血管の漏出を抑制する働きを持つと期待されています。 2024年呼吸器イノベーション・サミットの2日目の5月18日、バソミューン社の科学共同設立者であるハロルド・キム博士が講演を行いますが、AV-001の開発に関する最新情報の発表者として、米国呼吸器学会から選ばれたことに対する以下のようなコメントを発表しています。 「2024年の呼吸器イノベーション・サミットに招待いただき、私たちの研究成果を発表できることを大変うれしく思います。当社の開発中新薬 AV-001 は、第1相試験で高い安全性が認められ、致死性インフルエンザ及び肺炎球菌肺炎の肺損傷モデルにおいて薬理効果を示し、現在第2相前期試験を実施中です。 主催者の皆様には、私たちの研究を評価していただき、呼吸器領域における世界的な臨床、学術、産業のリーダーと接点が持てる機会を提供していただいたことに心から感謝申し上げます。」と。 Tie2受容体アゴニスト(AV-001)は、血管内皮の安定性を高めることによって病気を治療するようにデザインされたファースト・イン・クラスの新薬と言われているので、第2相臨床試験が順調に進むよう願っています。