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これまで米軍が使用するF15やF16は米国内で生産した機体のため、日本は積極的に整備に乗り出してこなかった。日本が22年末にまとめた国家防衛戦略など安保関連3文書で「米国製装備品の国内における生産・整備能力の拡充」を定めたのを踏まえて対応する。 費用負担の仕組みはDICASで話し合う。韓国での整備費用は原則米軍が支出している。原資は韓国政府の在韓米軍への軍需支援費を含む。 整備費用が日本企業に支払われるようになれば防衛産業への後押しになる。三菱重工の場合、政府の防衛予算の増額を受けて防衛事業が伸び、25年3月期の連結純利益(国際会計基準)は2期連続で過去最高を更新する見通しだ。 三菱重工やIHIが候補となるのは空自が運用する戦闘機と米軍機に一定程度の類似性があるからだ。 例えばF15を基にした空自の「F15J」戦闘機は米マクドネル・ダグラス(現ボーイング)や米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)とライセンス契約を結んで日本国内で生産した。三菱重工が機体、IHIがエンジンを手掛けた。 空自の「F2」戦闘機もF16戦闘機をベースに日米が共同開発したものだ。これも三菱重工とIHIなどが製造していた。 それぞれの整備は三菱重工の小牧南工場(愛知県豊山町)やIHIの瑞穂工場(東京都瑞穂町)が担う。日米両政府はこうした実績を重視した。 三菱重工とIHIは日本経済新聞の取材に、日本政府からの打診の有無について「回答できない」と答えた。 米軍機の日本国内での整備を検討する背景に急速に高まる中国軍の脅威がある。 23年度の空自の外国機への緊急発進(スクランブル)669回のうち、中国機への発進は479回と最多だった。同年度に中国は沖縄県・与那国島と台湾との間で無人機を飛ばし、ロシアとも共同で爆撃機を日本周辺で長距離飛行させた。 世界の軍事力を分析する米グローバル・ファイヤーパワーによると、24年のデータで中国軍が保有する戦闘機の数は1207機にのぼる。米軍は1854機と中国軍より多いものの、東アジアに展開する機数は中国が上回るとみられる。
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日英伊の3カ国共同で次世代ステルス戦闘機の開発について協定が結ばれ、アメリカだけに頼らない防衛力整備に向け動いているそう。 日本はF2戦闘機などの実績がある三菱重工が担う形ですね。
これまで米軍が使用するF15…
2024/05/15 00:06
これまで米軍が使用するF15やF16は米国内で生産した機体のため、日本は積極的に整備に乗り出してこなかった。 日本が22年末にまとめた国家防衛戦略など安保関連3文書で「米国製装備品の国内における生産・整備能力の拡充」を定めたのを踏まえて対応する。 費用負担の仕組みはDICASで話し合う。韓国での整備費用は原則米軍が支出している。原資は韓国政府の在韓米軍への軍需支援費を含む。 整備費用が日本企業に支払われるようになれば防衛産業への後押しになる。三菱重工の場合、政府の防衛予算の増額を受けて防衛事業が伸び、25年3月期の連結純利益(国際会計基準)は2期連続で過去最高を更新する見通しだ。 三菱重工やIHIが候補となるのは空自が運用する戦闘機と米軍機に一定程度の類似性があるからだ。 例えばF15を基にした空自の「F15J」戦闘機は米マクドネル・ダグラス(現ボーイング)や米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)とライセンス契約を結んで日本国内で生産した。三菱重工が機体、IHIがエンジンを手掛けた。 空自の「F2」戦闘機もF16戦闘機をベースに日米が共同開発したものだ。これも三菱重工とIHIなどが製造していた。 それぞれの整備は三菱重工の小牧南工場(愛知県豊山町)やIHIの瑞穂工場(東京都瑞穂町)が担う。日米両政府はこうした実績を重視した。 三菱重工とIHIは日本経済新聞の取材に、日本政府からの打診の有無について「回答できない」と答えた。 米軍機の日本国内での整備を検討する背景に急速に高まる中国軍の脅威がある。 23年度の空自の外国機への緊急発進(スクランブル)669回のうち、中国機への発進は479回と最多だった。同年度に中国は沖縄県・与那国島と台湾との間で無人機を飛ばし、ロシアとも共同で爆撃機を日本周辺で長距離飛行させた。 世界の軍事力を分析する米グローバル・ファイヤーパワーによると、24年のデータで中国軍が保有する戦闘機の数は1207機にのぼる。米軍は1854機と中国軍より多いものの、東アジアに展開する機数は中国が上回るとみられる。