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投稿コメント一覧 (202コメント)

  • >>No. 7020

    4月16日のOkonkwo博士の米国脳神経外科学会の発表は9分間しかないので、スライドでグラフや写真などを示しながら予稿と同様な発表になるのではないかと推測します。

    サンバイオが再生細胞薬SB623(効能:外傷性能損傷)の早期承認申請を行うには、もう一つデータが必要だと思います。
    2.5×10の6乗群、5.0×10の6乗群、10×10の6乗群の有意差の有無です。
    「有意差なし」なら2.5×10の6乗個の再生細胞薬を、「有意差あり」なら細胞数が多い再生細胞薬を申請するのかなと思ったりしています。

  • >>No. 7020

    Okonkwo博士の米国脳神経外科学会の予稿の著者は以下のとおりです。

    著者: David O. Okonkwo, MD, PhD, FAANS; Peter McAllister, MD; Masahito Kawabori, MD, PhD; Jefferson Chen, MD, PhD; Benjamin Frishberg, MD; Achal Achrol, MD; Robert Gross, MD, PhD; Gary Steinberg, MD, PhD; Hideaki Imai, MD; Daniel Lu, MD, PhD; Takao Yasuhara, MD; Damien Bates, MD, PhD (Pittsburgh, PA)

    注目すべきは、この中に脳梗塞フェーズ2bの主任研究者であるSteinberg博士が含まれていることです。
    外傷性脳損傷フェーズ2治験成功の学会発表の予稿に名を連ねたSteinberg博士が脳梗塞フェーズ2b治験失敗の学会発表をするとは考えられません。
    主要評価項目未達の結果を得たSteinberg博士は徹底的に詳細解析を行い、脳梗塞フェーズ2b治験成功の学会発表をするのではないでしょうか?

  • Okonkwo博士の米国脳神経外科学会の予稿を仮訳しました。

    前書き:外傷性脳損傷(TBI)は、永続的な運動障害および認知障害の主な原因であり、それに対する有効な治療法はない。

    方法:1年間の二重盲検、無作為化、偽手術コントロールの第2相STEMTRA試験(NCT02416492)の事前に指定された6ヵ月のこの中間解析は、TBIに続発する安定した慢性運動障害を有する患者への同種異系骨髄由来間葉系幹細胞(SB623)の定位頭蓋内移植の安全性と有効性を評価した。この国際試験には、米国、日本、ウクライナの18施設から61人の被験者(平均年齢34歳)が参加した。被験者はベースラインGOS-Eスコアを使用して層状ランダム化を受け、1:1:1:1の比率で2.5×10の6乗、5.0×10の6乗、10×10の6乗個のSB623細胞または外科的偽手術のいずれかに割り当てられた。安全性はすべての登録された被験者で評価された。手術を完了した無作為化被験者の修正された治療意図集団について効力分析を実施した(N=61; SB623=46、偽コントロール=15)。主要評価項目は、24週目のコントロール群と比較したSB623処置対象のFugl-Meyer運動スケール(FMMS)におけるベースラインからの平均の変化であった。

    結果:ベースライン運動機能からの有意な改善(LS平均[標準誤差])が24週目のFMMSにおいて観察された(SB623について8.7 [1.5]対コントロール群で2.4 [2.7];P=0.04)。SB623治療被験者とコントロール群を比較した治療緊急有害事象(TEAE)の割合に差はなく(P = 0.25)、用量制限毒性または死亡はなかった。8人(17.4%)の重篤な有害事象(SAE)が、SB623治療被験者5人(10.9%) 対 コントロール被験者3人(20%)において発生した。TEAEの92.3%がSB623またはコントロール治療に関連する可能性はほとんどない、あるいは可能性が低いが、TEAEの39.5%(SB623治療)と36.9%(コントロール)はおそらく外科手術に関連していた。

    結論:SB623細胞移植は安全かつ忍容性が高く、SB623治療と外科的偽手術コントロールとの間で有害事象に有意差はなかった。SB623治療は6ヶ月における運動機能の改善と関連していた。

  • IDT社買収に伴う資金使途変更(昨年9月11日ルネサスIR)
      単位100万円   変更前 変更後  変更後-変更前
    マイコン先端プロセス 4,000→ 1,000  -3,000( -30億円)
    自動車向け半導体  40,000→21,700  -18,300(-183億円)
    産業向け半導体   30,000→14,100  -15,900(-159億円)
    経営基盤構築開発投資 10,000→ 8,900  -1,100( -11億円)
    IDT社取得費用の一部    0→38,300  +38,300(+383億円)

    IDT買収のための借金7200億円
    自己株式の取得100億円(上限)
    純利益546億円

  • パイプラインの比較です。
    上図:2018年9月1日ブリッジサロン資料のパイプライン
    下図:今日の決算説明会資料のパイプライン

  • 上図は2018年9月1日のブリッジサロン資料
    「再生細胞薬のグローバルリーダーを目指す」
    この時は漠然とした目標

    下図は今日の決算説明会資料
    事業目標
    「2020年製薬企業へ脱皮する」
    「2025年グローバルリーダーに成長する」
    今は自信に満ちた事業目標

  • 自己株式の取得
    取得し得る株式の総数 2,000万株(上限)
    株式の取得価格の総額 100億円(上限)
    発行済株式総数に対する割合 1.20%

    100億円/2,000万株=1株当たり500円で取得

    ストックオプションとして新株予約権
    総数 625,318個
    発行済株式総数に対し約3.7%

    3.7%-1.20%=2.5%の株式増加

  • 下図はSB623脳梗塞フェーズ1/2aの投与後2年間のデータです。日本語訳を加筆しました。
    このグラフには、臨床的に重要な改善(少なくとも10点)を達成した患者と、達成しなかった患者が別々に示されています。
    丸:臨床的に重要な改善を達成した患者の平均FMMS改善度合
    四角:臨床的に重要な改善を達成しなかった患者の平均FMMS改善度合

    脳梗塞フェーズ2bの主任研究者でもあるSteinberg博士が「臨床的に重要な改善(少なくとも10点)」にこだわるとすれば、サンバイオにとっては困ったことですね。
    サンバイオとしては、Steinberg博士に対して「臨床的に重要な改善とは言えないとしても、10点以下の改善でも患者さんは喜びます。コントロール群と比較して有意差があれば、日本で早期審査を申請したいと思います。ご了解をお願いいたします」とお願いする必要があるかもしれません。

    10点以上を達成した患者(効いた患者)と達成しなかった患者(効かなかった患者)の平均値のグラフがこれほど明確に別れているのは驚きです。
    24ヶ月の時点で、効いた患者は11人で平均14点程度、効かなかった患者は3人で平均-2.5点程度、79%の患者に効いたことになります。

    効いた患者はこれまでの全患者のグラフより高くかつ2年後も高いままです。
    効かなかった患者は2ヶ月の小さなピークから下降し4ヶ月でボトム(大きさは違うが効いた患者と同じ傾向)、その後6ヶ月でピーク、12ヶ月までは同程度のレベルを維持したものの24ヶ月ではマイナス。

    素人の推測ですが、効かなかった患者もバイオブリッジがわずかに形成され4~5点は改善したものの、24ヶ月ではバイオブリッジが消えてしまったのかなと思ったりしています。

    下図の入手方法
    Steinberg博士他「Two-year safety and clinical outcomes in chronic ischemic stroke patients after implantation of modified bone marrow-derived mesenchymal stem cells (SB623): a phase 1/2a study」を論文名で検索すると、要約はヒットしても全文はヒットしませんが、ヒットした中のpdfに下図を含むスライドがあります。

  • >>No. 6717

    予定が狂ったということだと思います。

    大日本住友は2月1日の「カンファレンスコール音声配信」のQ&A5で次のように質問に答えています。
    質問「サンバイオが決算説明会までに方向性を示すという報道があるが?」
    大日本住友の回答「どういう根拠で出たかわからない。データの整理に非常に時間がかかる。週単位ではなく月単位。サンバイオさんの決算報告で詳細な解析に基づいた方向性の提示は難しいのではないか。サンバイオさんのお考えが何かあるのかもしれない」

    大日本住友は大企業で、たくさんの治験の経験があるので詳細解析に時間がかかることを知っているのだと思います。
    サンバイオは少人数のベンチャー企業で、患者数18人の小規模かつ二重盲検ではない脳梗塞フェーズ1/2aをやった経験だけなので、その時点では、詳細解析に時間がかかることがわからなかったのだろうと思います。
    少人数のベンチャー企業に完璧さを求めるのは無理だと思います。

  • 今日発表されたサンバイオ2019年1月期決算短信の添付資料より。

    当社グループ単独で進めている日米の慢性期外傷性脳損傷プログラムのフェーズ2臨床試験は、2018年4月に被験者(61名)の組み入れを完了し、同年11月に「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成。」という良好な結果を公表しました。

    これをもって、日本の慢性期外傷性脳損傷プログラムにおいては、国内の再生医療等製品に対する条件及び期限付承認制度を活用し、2020年1月期(2019年2月~2020年1月)中に、再生医療等製品としての製造販売の承認申請を目指します。

    そのため、当期はこの承認後のSB623の国内普及に向けた製造・物流・販売体制の構築に着手しており、流通・販売体制構築準備の一環として、株式会社ケアネット等4社と共同研究を開始しました。

    一方、米国で大日本住友製薬株式会社と共同で進めている被験者163名を対象としたSB623慢性期脳梗塞プログラムのフェーズ2b臨床試験は、2019年1月に主要評価項目未達という解析結果を公表しました。

    現在、この詳細結果は解析中であり、その結果等を踏まえ、今後の開発及び事業計画を組み立てていきます。

  • サンバイオはケアネット他1社と適正使用・普及に向けた研究を行い、バイタルケーエスケー他1社と流通の在り方の検討・研究を行っています。
    (下図、サンバイオ他4社IR「SB623の適正使用・普及、安定流通の在り方を5社で共同研究…」2018/9/10参照)

    資本提携もしているのですから、研究だけで終わるのではなく、SB623(効能:外傷性脳損傷)を国内で販売する際のサンバイオと各社の協力の在り方を研究し、上市後、サンバイオはその研究結果に基づいてケアネット他3社と連携して適正使用、普及、流通を行っていくと考えられます。

    具体的には、「ヘルスケア・イニシアチブ」(ケアネット他1社の子会社、サンバイオは第1号のクライアント)が、日本での外傷性脳損傷の承認取得に協力すると共に、SB623(効能:外傷性脳損傷)の普及活動を行うことになります。
    (ケアネットIR「…臨床開発から販売までのプロセスをワンストップで請け負うことを目的とした子会社を設立」2018/11/13参照)

    下図によれば「流通の在り方の検討・研究」を行う2社はどちらも「医療医薬品の流通大手」ですが、バイタルケーエスケーは東京(東北、関東、北信越、関西を中心にカバー)、アステムは福岡(九州全域、山口、広島に拠点)なので地域別の流通体制を整えるのだろうと思います。

    サンバイオは国内での外傷性脳損傷の早期承認申請をヘルスケア・イニシアチブの協力を得ながら行い、条件付き期限付き承認を得たら直ぐにSB623(効能:外傷性脳損傷)を販売できるよう準備しつつあるようです。

  • >>No. 6693

    もちろん現在の大日本住友との契約は、脳梗塞の米国・カナダの独占販売権だけで、これが自動的に拡大することはあり得ません。
    それ以外は新たな契約が必要です。
    サンバイオとしては新たな契約をどこと結ぶとしても、できるだけ遅らせて、サンバイオが日本でSB623(効能:外傷性脳損傷)を市販して強い立場になってから、新たな契約をした方がサンバイオ有利の契約になるだろうと思います。
    日本ではケアネットなどと提携してサンバイオ自身が販売するようなので、米国・カナダ以外についてはその選択肢もあると思います。

  • サンバイオと大日本住友の共同治験である脳梗塞フェーズ2bは「有意差なし」でしたが、大日本住友が脳梗塞の治験から撤退することはないと思います。
    なぜなら大日本住友は2014年に脳梗塞について米国・カナダにおける共同開発だけでなく独占販売権のライセンスを得ているからです(大日本住友IR 2014年09月26日「脳梗塞治療剤SB623に関する北米での共同開発およびライセンス契約締結のお知らせ」参照)。

    フェーズ3を経て承認されれば、大日本住友だけが脳梗塞用SB623を米国・カナダで販売できるのです。
    大日本住友は外傷性脳損傷については米国・カナダにおける販売ライセンスを得ていません。
    しかし外傷性脳損傷用SB623と脳梗塞用SB623は同じ製品だと思います。
    SB623の効能が外傷性脳損傷だけか脳梗塞も含むかだけの違いだと思います。

    サンバイオは外傷性脳損傷フェーズ2「有意差あり」に基づいて日本で早期承認申請して、条件付き期限付き承認を得て、日本でSB623(効能:外傷性脳損傷)を販売します。

    サンバイオは単独または大日本住友と共同で米国で外傷性脳損傷フェーズ3を行い承認申請して、承認されると思います。
    そのとき米国でSB623(効能:外傷性脳損傷)を販売するのは誰でしょうか?
    大日本住友しかないと思います。

    将来、米国で脳梗塞でも承認を受けた時に、米国でSB623(効能:外傷性脳損傷・脳梗塞)を販売できるのは大日本住友だけだからです。
    大日本住友が米国でSB623(効能:外傷性脳損傷)を販売する機会を捨てるはずがないので、脳梗塞の治験から撤退することはないと思います。

    大日本住友HPの海外子会社のページを見ると、米国だけでなく、中国、ヨーロッパ、東南アジアにも子会社があります。
    米国・カナダ以外の地域についての権利を大日本住友は得ていませんが、サンバイオに最大限協力して、それらの地域の独占販売権も得ようとするのではないでしょうか。

    サンバイオは米国・カナダにおけるSB623(効能:外傷性脳損傷)の販売ライセンスを大日本住友に与える契約を結ぶことになると思います。

  • >>No. 6649

    その通りです。
    発明者はAとBとCの全てがあって初めて最高の結果が得られると力説する場合が多いのです。
    優秀でない弁理士(特許出願の代理人)はメインクレームを「AとBとCを有する製品」として特許を出願します。
    審査官はAとBがあれば特許でき、Cはなくてもよいと思っても、それを弁理士に伝えることはなく、そのまま特許にします。
    他の人がAとBがあれば十分だと気がつき、AとBとDの製品を製造販売すれば、特許侵害にならず、自由に製造販売できます。
    自転車の例では、Cが「赤いペダル」、Dが「赤以外のペダル」です。
    サンバイオの場合は、Cが「SB623」になります。
    優秀な弁理士なら、メインクレームを「AとBを有する製品」とし、クレーム2を「Cを有するクレーム1の製品」として出願することになります。
    特許になれていない発明者の場合は、「AとBだけでは全然ダメだ。Cを含めて書き直してこい!」と怒る人もいるかもしれませんが、それをなだめて出願するのが優秀な弁理士ということになります。

  • >>No. 6626

    tak*****さん Robiさん kurutoriakiさん

    「最初のTITLEであった SB623 CELLS FOR USE IN THE TREATMENT OF BRAIN INJURYやメインクレームからわざわざSB623という言葉を取り除く訂正をして再度特許査定を受けるというプロセスを経ています」ということは、
    サンバイオにとって、とっても良いことなのです。

    他社が製造した再生細胞薬がサンバイオの特許を侵害するのは、その他社の再生細胞薬がサンバイオの特許のメインクレームに記載された言葉全てで規定された再生細胞薬である場合だけなのです。
    メインクレーム内の一つの言葉でも該当しなければ、特許侵害ではないのです。
    メインクレームに「SB623」が記載されていたのでは、その特許はSB623に対してのみ有効な特許なのです。

    他社が独自に再生細胞薬を開発した場合、その他社の再生細胞薬がサンバイオの特許のメインクレームの「SB623」以外の全ての言葉で規定された再生細胞薬であるとしても、その再生細胞薬は「SB623」ではないので特許侵害ではなく、他社はその再生細胞薬を自由に製造販売できるのです。

    メインクレームから「SB623」を削除した特許出願で特許査定を受ければ、他社が独自に再生細胞薬を開発しても、その再生細胞薬がサンバイオの特許の「SB623」なしのメインクレームの全ての言葉で規定された再生細胞薬であれば、サンバイオの特許の侵害であり、その他社が独自に開発した再生細胞薬は製造販売できないのです。

    一般にベンチャー企業は特許に不慣れなためメインクレームに不必要な言葉を書き込み、特許が適用される範囲を必要以上に狭くしてしまうことがよくあります。
    そうすると他社が類似品を製造販売しても特許侵害にできず、他社は類似品を自由に製造販売できてしまうのです。

    サンバイオも最初は不慣れで不必要な限定をしてしまったようですが、不必要な言葉「SB623」を取り除く訂正をして再度特許査定できたということは、サンバイオが特許に慣れてきて、適切なメインクレームを書くことができるようになったということです。

    素晴らしいことなのです。

  • >>No. 6183

    脳梗塞フェーズ2bのIRを見たときは驚きましたが、外傷性脳損傷フェーズ2のIRと比較したら主要評価項目が違っていたので、結果が違っても不思議ではないと安心しました。
    次の疑問は、なぜ脳梗塞フェーズ2bの主要評価項目を「10ポイント以上」と決めたのか、でした。
    外傷性脳損傷フェーズ2の結果「投与群8.7点、コントロール群2.4点」を知っているので、「8ポイント以上」だったら「有意差あり」のはずなのに、なぜ「10ポイント」にしたのか、という疑問です。
    これは4日の投稿(6183)で述べたように、「FMの運動機能における>10ポイントの改善の合計スコアは、慢性期脳梗塞における臨床的に意味のある変化として認められている」から、Steinberg博士が脳梗塞フェーズ2bの主要評価項目を「10ポイント以上改善した患者の割合」と決めたとわかりました。
    Steinberg博士が脳梗塞フェーズ1/2aで『イノベーション・アワード2016』を受賞した論文の図1DにFMMSのグラフがあります(kbさんの投稿6480,6490の図)。
    横軸は投与からの月数、縦軸はFMMSの改善の度合い(±標準誤差)。
    投与(0点)から上昇し2ヶ月でピーク(10点程度)、その後下降し4ヶ月でボトム(7点程度)、その後上昇し6ヶ月は11点程度、その後9ヶ月でならだかなピーク、12ヶ月では論文の記載から平均11.40点 (95%信頼区間4.6~18.2)、15人中7人の患者がFMMSの10点以上の改善。
    12ヶ月では平均点(11.40点)は10点よりかなり高いのに、10点以上の患者数7人は15人の半数(7.5人)より少ない。
    脳梗塞フェーズ1/2aにコントロール群はありませんが、外傷性能損傷フェーズ2のコントロール群の平均2.4点と同程度と仮定します。
    この脳梗塞フェーズ1/2aの6ヶ月(11点程度)に「10ポイント以上改善した患者の割合」を適用すれば、「有意差あり」だと思います。
    しかし4ヶ月のボトム(平均7点程度、標準誤差のエラーバーの上端も10点に届かない)に「10ポイント以上改善した患者の割合」を適用すれば、「有意差なし」の可能性が高いのではないでしょうか。
    なぜボトムができるのかはわかりませんが、もし脳梗塞フェーズ2bでは6ヶ月がボトムだとしたら「有意差なし」になるのかなと思ったりしています。

  • >>No. 6059

    昨日の投稿(6059)で「Steinberg博士は脳梗塞フェーズ1/2aの結果に満足せず、よりレベルの高い治療薬を求めている」と述べましたが、間違いでした。
    2日の投稿(6013)で述べた方法で「ClinicalTrials(ドット)gov」の脳梗塞フェーズ1/2aのページにアクセスすると、下の方に2つの論文のリンクがあります。
    その2つのリンクのうちの下のリンクには、Steinberg博士が脳梗塞フェーズ1/2aで『イノベーション・アワード2016』を受賞した論文の要約あり、その要約の下の方のPMCID:の右の「PMC5828512」をクリックすると論文全文が読めます。右クリック「日本語に翻訳」で機械翻訳できます(ブラウザによる)。
    「潜在的な利益の評価」(Assessment of Potential Benefit)の項の第3パラグラフには「FMの運動機能における>10ポイントの改善の合計スコアは、慢性期脳梗塞における臨床的に意味のある変化として認められています」との記載。
    これがSteinberg博士が脳梗塞フェーズ2bの主要評価項目を「10ポイント以上改善した患者の割合」と決めた根拠と考えられます。
    しかし残念ながら脳梗塞フェーズ2bのこの「主要評価項目」は「有意差なし」でした。
    第4パラグラフには「mRSは通常、急性脳梗塞後の全体的な神経機能の長期的な転帰を測定するために適用されてきました」との記載(「転帰」は機械翻訳の誤訳だと最初は思いましたが正しい訳語でした。機械翻訳は凄い! 転帰とは「病気が経過して他の状態になること」)。
    Steinberg博士は、これを慢性期脳梗塞にも適用して副次的評価項目の1番目を「mRSが1ポイント以上改善した患者の割合」と決めたのだと思います。
    Lu博士が外傷性脳損傷フェーズ2の主要評価項目を「投与群とコントロール群の比較」と決め「有意差あり」を得ることができたのは、外傷性脳損傷の分野では脳梗塞分野のような慣例がなかったからかもしれません。
    これまで「なぜ2つの治験で主要評価項目が違うのか?」の謎解きをやってきて、間違った方向に進んだこともありましたが、ようやくこれで謎が解けたと思います。

  • >>No. 6013

    昨日の投稿(6013)で、脳梗塞フェーズ2bの主任研究者はサンバイオホルダーにはお馴染みのSteinberg博士と述べました。
    「ClinicalTrials(ドット)gov」の脳梗塞フェーズ2bのページには主要評価項目だけでなく副次的評価項目も記載されています。
    驚いたことに、副次的評価項目の1番目は「ベースラインから6ヵ月目にModified Rankin Scale(mRS)が1ポイント以上改善した患者の割合」でした。
    脳梗塞フェーズ1/2aの結果は「6段階評価で傷害の程度を評価するmRS以外の、ESS,NIHSS,FMAのスコアの全てにおいて移植後の改善が見られた」(金子健彦「再生細胞薬SB623の開発の現状」)です。
    つまりmRSだけは改善が見られなかった、つまり「有意差なし」だったのです。
    それなのにSteinberg博士は「mRSが1ポイント以上改善した被験者の割合」を副次的評価項目の1番目にしているのです!
    Steinberg博士は脳梗塞フェーズ1/2aの結果に満足せず、よりレベルの高い治療薬を求めているのだと思います。
    mRSは次のとおりです。
    0 まったく症候がない
    1 症候はあっても明らかな障害はない:日常の勤めや活動は行える
    2 軽度の障害:発症以前の活動がすべて行えるわけではないが、自分の身の回りのことは介助なしに行える
    3 中等度の障害:何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
    4 中等度から重度の障害:歩行や身体的要求には介助が必要である
    5 重度の障害:寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りを必要とする
    6 死亡
    このスケールで1ランク改善すれば確かに素晴らしいことです。
    外傷性脳損傷フェーズ2投与群のFMMS平均8.7点では、理想の高いSteinberg博士のお眼鏡にはかなわないのだろうと思います。
    サンバイオが、Lu博士に外傷性脳損傷フェーズ2の主任研究者をお願いしていて本当によかったと思います。

  • >>No. 5916

    脳梗塞フェーズ2bの主任研究者はサンバイオホルダーにはお馴染みのSteinberg博士でした!
    「ClinicalTrials」で検索し「ClinicalTrials(ドット)gov」のトップページにアクセス、「Other terms」の欄に「SB623」を入力して「Search」で次のリストが表示されます。
    1.…Ischemic Stroke(脳梗塞フェーズ2b)
    2.…Stable Ischemic Stroke(脳梗塞フェーズ1/2a)
    3.…Traumatic Brain Injury (TBI)(外傷性脳損傷フェーズ2)
    1~3を選ぶと各治験情報が表示されます。右クリック「日本語に翻訳」で機械翻訳できます(ブラウザによる)。
    各ページの下の方にある治験の主任研究者(Principal Investigator)は次のとおり。
    1.Gary Steinberg(脳梗塞フェーズ2b)
    2.Gary K Steinberg他4名(脳梗塞フェーズ1/2a)
    3.Daniel C Lu(外傷性脳損傷フェーズ2)
    脳梗塞フェーズ1/2aに引き続き脳梗塞フェーズ2bを担当したSteinberg博士は「10ポイント以上改善した患者の割合」で「有意差なし」。
    新しく外傷性脳損傷フェーズ2を担当したLu博士は「投与群とコントロール群の比較」で「有意差あり」。
    Steinberg博士は脳梗塞フェーズ1/2aの結果から10点以上なら「有意差あり」は確実と予想した?
    治療薬としては10点以上は欲しい、そのためリハビリ併用を推奨した?
    投与群にはリハビリ併用が効き、コントロール群には効かないと考えた?
    「母平均の差の検定」(5916参照)では患者データのバラツキが大きいことによる「有意差なし」を懸念した?
    Steinberg博士は脳梗塞フェーズ1/2a論文で『イノベーション・アワード2016』を受賞しています。
    もし脳梗塞フェーズ2bの治験が失敗だったら、Steinberg博士の名声は地に落ちます。
    Steinberg博士は最終的に良い結果が出るよう最大限の努力をしている最中だと思います。

  • >>No. 5838

    昨日の投稿(5838)で脳梗塞フェーズ2bの「母比率の差の検定」について述べました。
    これに対して外傷性脳損傷フェーズ2の「投与群とコントロール群の比較」は「母平均の差の検定」で次のように計算します。
    Z=(XA-XB)/√(sAの2乗/nA+sBの2乗/nB)
    -1.96<Z<1.96なら「有意差なし」、そうでなければ「有意差あり」。
    Aを投与群、Bをコントロール群とします。
    XA,XBは各群の平均値。
    sAの2乗,sBの2乗は各群の不偏分散。
    nA,nBは各群の患者数。
    外傷性脳損傷フェーズ2の平均値はXA=8.7,XB=2.4ですが、不偏分散はわからないので、Zは計算できません。
    でも「有意差あり」なので、Z>1.96です。
    上記Zの分子である平均値の差が大きければ「有意差あり」になりやすい。
    各患者データにバラツキが少なければ、分母の不偏分散が小さくなり「有意差あり」になりやすい。
    「母平均の差の検定」は常識にあった検定方法だと思います。
    ただし、各患者データのバラツキが大きければ分母の不偏分散が大きくなり、「有意差なし」になりやすくなります。

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