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日立造船、海水から都市ガス 中東で「メタネーション」

都市ガスの次世代燃料である合成メタンの製造で日本企業の存在感が高まっている。日立造船は中東で、海水を淡水にしてメタンガスを作るプラントを建設する。合成メタンは使用時の二酸化炭素(CO2)排出が「実質ゼロ」とみなされる。資源不足や温暖化の流れを受け、日本が培った脱炭素技術が世界で芽吹こうとしている。

  • >>6366

    合成メタンは水素とCO2を合成(メタネーション)して作られる。合成メタンは燃焼時にCO2が排出されるが、メタンを作る際にCO2を回収しているため、合成メタンを使ってもCO2排出量はゼロとみなされる。都市ガスの原料として既存の導管を使えるため、都市ガスを脱炭素化する技術の本命とされ、世界で利用拡大が見込まれている。

    日立造船はオマーンで現地エネルギー企業のオマーンLNGと組み、2025年にメタネーションの実証プラントを着工する。海水を淡水にする装置、水から水素を生成する機械、水素からメタンを合成する設備まで全てを自社グループで作って設置する。

  • >>6366

    メタネーション設備全てを1社で構築するのは世界で例がない。量産開始を目指す26年時点の生産規模は、日本の一般家庭数万戸の消費量に当たる1時間あたり1200ノルマル立方メートル(セ氏0度、1気圧での体積)で、世界最大級となる見通しだ。合成メタンは液化して日本へ輸出する想定だ。

    日立造船は1971年から海外向けで海水淡水化プラントを手掛けてきた。2017年には、逆浸透膜(RO膜)による海水淡水化プラントを手掛けるオーストラリアのオスモフロー社を買収した。火力発電の熱を使う従来の手法より、省エネにつながるRO膜プラントの知見を持つ。

    海水淡水化の実績を背景に、オマーンでのメタネーション事業を実施する。オマーンLNGのハメド・アル・ナーマニー最高経営責任者(CEO)は23年秋に来日した際、経済産業省に仲介を依頼して日立造船側と面会した。同CEOは日立造船グループの海水淡水化の技術に目を付け、海水から合成メタン生成まで一括でできるとみて「オマーンでメタネーションを一緒に進めたい」と打診した。

  • >>6366

    東京ガス大阪ガス、米国で量産

    海外からの輸入受け入れの体制づくりも進んでいる。東京ガスと大阪ガス、東邦ガス三菱商事と組み、米ルイジアナ州で合成メタンを量産して国内に輸入する計画を立てる。25年までに詳細設計を固めて、30年にはガス3社の販売量の1%相当の輸入を目指す。中東やオーストラリアから輸入する計画もある。

    日本企業が注力するメタネーションだが、課題はLNGの5倍とされる合成メタンの製造コストの高さだ。製造コストの安い海外からの輸入体制の構築に加えて、高効率で合成メタンを製造する技術開発が欠かせない。現在主流のメタネーションはエネルギー変換効率が5〜6割程度と低く、高コストの原因の1つとなっている。

    大阪ガスは「SOECメタネーション技術」を現在開発している。固体酸化物形電解セル(SOEC)を使って水をCO2とともに電気分解し、生み出した水素と一酸化炭素(CO)でメタンを製造する。変換効率は9割程度まで高められる。

    合成メタンを次世代エネルギーとして日本主導で世界に広めるには、ガス会社やプラントメーカーなどの連携による開発強化が引き続き欠かせない。