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一時開設の掲示板

 昨日の海外市場では、これまで主役の座からかなりの間、遠ざかっていたドル円がメインとなりましたね。欧州時間に入って、ユーロドルやポンドドルの上昇につれて下落。欧州勢が104.00円割れを試しにいったわけですが、103.96円まで売り込まれた直後に怒涛の買い戻し。一時104.38円まで値を上げました。
 市場では「104.00円を意識したカウンターでの買いが入った」との声も聞かれ、投機筋同士の神経戦。一旦は失敗したかたちとなった売り方でしたが、NY勢が参入してくると、ようやく本格的な下抜けという動きとなりました。
 米系HFが「完全に抜けた」というチャートの基本中の基本を忠実に実行したわけで、こうなると戻り売りが執拗に出てくるのみ。パウエルFRB議長の定例記者会見が始まると一時103.44円まで売り込まれることになりました。
 アジア時間に入ってからは「今週最後のビックイベントを控えて、あまり積極的な玉は出ていない」ものの、「久しぶりの103円台とあって本邦実需勢が下値を淡々と拾っている」ところです。
 米大統領選は既に法廷闘争へと舵を切ろうとしていますが、市場は「大統領が誰になろうとも、巨額財政支出と更なる過剰流動性が供給される」ことに異論はなく、もはやそれが新たなメインシナリオになっています。
 それにしても、選挙前も選挙後も、市場参加者の多くが米国民同様に「トランプ容認派」と「トランプ絶対ダメ派」に分かれていて、混沌とする開票状況のなかでそれぞれのイデオロギーや価値観が様々な場でぶつかり合っているところをみると、一番重要な第三者的立場からの冷静な考察がいかに難しいことなのかがわかりますね。
 大統領選に不正があったというのならば、それが本当にあった証拠を示せばいいでしょうし、そうでないのならば、不正がないことを証明すればいいだけの話。こうなってしまった以上、昨日もお伝えしたように、「大統領はもうどちらでも構わない」といった究極の割り切った認識が冷静さを保てる最も簡単な方法なのかもしれません。